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黒龍騎士団

イルやテル、騎士団達の声が聞こえる
でも、そちらに視線は向けれない
目の前にいる殺気立つドラゴンにシルスは対峙していた


アスランの顔を引っぱたいた瞬間
主人への行為に怒りが増したドラゴンは女の子に勢いよく牙を向けた

民衆の悲鳴が響きわたる


だが皆が想像した光景ではなかった
それは間一髪のところで走り込んだシルスに
抱き抱えられた女の子の姿だった


ドラゴンの攻撃を回避した直後、
背中を押すように女の子を直ぐに解放し母親の元へ避難させた。それは周りが安堵した瞬間だった




さて、、ここからどうしたものかな


だが一方で自分がドラゴンと対立する形となったシルスであった

怒りがまだ収まりきらないドラゴン
それは剥き出しの敵意そのものだった



こんなところも主人に似るのかな、、

危機的状況の最中で
そんな事を考えていた俺の背後から"あの男"が一言発した


「やめろ、ワイバーン」

この言葉に先程までこちらを敵視していたドラゴンの瞳から殺気が消えて行くように見えた

カツカツと足音を立てて
俺の背後に歩みよるのは言うまでもない
黒龍騎士団団長 アスランだった

アスランはドラゴンを確認したあとフード姿の少年を見下ろした

「・・・・」

「・・・・」

、、、気まずすぎる。振り向けない、、

つい反射的とは言え、他国の騎士団長を平手打ちしてしまったシルス
先程の事を思い出すと重圧のせいか振り向く事も出来ず、顔を下に向けたままだった


「、、、蒼い瞳か」

不意に聞こえた言葉にシルスは聞き取れず相手側を向こうとした瞬間ーーー


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