黒龍騎士団
「きゃああぁーーっ」
女性の悲鳴が港に響き渡った
お互いの騎士団達はすぐに悲鳴の聞こえた方向を見る
視野に入ったのは女の子がドラゴンに今にも食い殺されそうな光景だった
「いやぁぁ、私の子供が、、っ」
「ママッ、、ママ⁈」
母親であろう女性は子供を救おうと身を乗り出すが周りに静止されている状況であった
子供は初めて見る目の前の化け物に
泣きじゃくっている様子だった
突然の事に動揺した騎士団だったが
その中でもイスラは冷静にやや早い口調で目の前にいる男に対し問いた
「あのドラゴンを止める方法は?」
それに対し平然とした表情でアスランは告げた
「悪いが我々にもあそこまで殺気だったドラゴンを静止させるのは不可能だ」
その返答にイスラは初めて眉を寄せ怒りの表情に変化した
「それはどういう事ですか?」
「本来ドラゴンは強大な力を持つモンスターだ
。認めた主人ならともかく、興味本位で寄ってきた子供など喰われて当然だとー」
ーーパチンッーー
それはアスランの言葉をかき消す一発だった
頰がジンジンする
手で自分の顔を触った時、初めて自分が誰かに殴られたのだと気づいた
目の前にいるのは華奢でみすぼらしい見習い騎士姿の少年だった
フードを被った少年は蒼い瞳でまっすぐこちらをみた
「シル、、「団長殿、ここを頼みますよ」
そう言葉発した少年は迷わずドラゴンがいる方向に走った