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大会まであと少し

ー団長就任式ー

その日もシュエレント王国は雲一つない快晴であった
全騎士団、団長、総長が見守る中
静かに重々しい空気の中執り行われたシルス団長の就任式

その姿を忌々しげに見つめているのは俺だけではなかったのだと後に気づいた



それは王命を受けたシルスが高台から下段する際、突如上がった言葉だった


「なぜ、あんな奴が団長なんですかっ⁈」

突然の出来事と発せられた言葉にざわつく団員達
だが、その言葉を引き金に飛び交うのはシルスへの非難だった
「あんな何処の馬の骨ともわからない輩を団長だなんてっ」
「突然現れた奴に命なんか預けられる訳ない」
「そうだ、団長なんて辞退しろ」

刺さるような言葉の数々
信頼していない団員達
こんな状況じゃ"ただの子ども"は泣くしかないかもな、、なんてイルは人事のように考えていた。


ーーが、高台から向き直り騎士団員を見下ろす蒼い瞳からは一点の曇りも見てとれなかった



「静まれ、第二騎士団」

「ーーッ⁉︎」

それは気迫というなの重圧
騒ついていたはずの城内が1人の少年の声によって静けさを取り戻した瞬間だった

少年は一呼吸おき、また声を発した
「私はシルス、今王命により第二騎士団長の座を受け継いだ。君たちの命、国の為に、家族のために、、また生き抜く為に私に預けてくれ」

銀髪の少年を照らすように窓辺から日が差し込み彼の頰を撫でた



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