窮鼠と子猫は、仲が悪い《シリーズ》
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私が会長に拾われたのは、流星街の隅っこ。
誰も助けてくれなくて、
誰一人守れなくて、
一人黙々とみっつの穴を掘って、大きなゴミを取り除きながら土だけを被せていく。
そういえば彼女は何もないところから花冠をよく作ってくれた。
彼はどこからともなく小鳥を呼んで、
あの子はその子たちとよく話し込んでいた。
「それは、お前さんの能力か?」
顔を上げたら三つの小さなお墓の上に、美しい花冠と、小鳥たち。
「…能力?」
「ほっほっほっ、そうか知らんで使っておったか。お前さん儂と一緒に来ねーか?」
ここにはもう誰もいない。
だってみんな死んじゃったから。
なら、生かされた私は、生きるためになんだってやらなくちゃ。
「…儂はアイザック・ネテロ。まぁ好きに呼べや。」
新しいおもちゃを見つけた少年みたいな顔をして、アイザック・ネテロと名乗った男は私の頭をポンポンと二回撫でた。
「アイザック。」
「お、そう呼ばれるのも悪くねーな」
私がまず最初にやることは、生きるための最低限をこの男を利用して得ることだと直感した。
「私はシア。」