窮鼠と子猫は、仲が悪い《シリーズ》
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ソファで横になってうとうとしていたら、後ろで扉が開く音がした。
パリストンがシャワーから上がったんだなぁ、なんて頭の隅でかろうじて認識する。
「シアさん??」
名前を呼ばれたような、
返事をしないと、
あぁねむい、
「おーい、髪、タオルドライだけだと風邪ひきますよ〜」
眠りに落ちそうで落ちないギリギリの境界線。
パリストンが何を言っているのか、理解をして反応するほど起きてはいなくて、
意識はゆらゆら落ちかけていて、
「シアさん、眠いとほんと駄目ですね。」
「ん…ぁ」
やっとこさ重たい瞼をまた上げると、意外と近くにある綺麗な顔。
「シアさん、髪の毛乾かしてあげますから起きてくださいー。」
言われるままに、のろのろとからだを起こす。
ソファーの上に横向きに体育座りをすると、パリストンは私の後ろに座った。
ガーって耳障りな音と共に暖かい風が私の短い髪の毛を揺らす。
「んー…」
「ははっ、頭すごいグラグラしてる〜」
大きな手が髪の毛をかき混ぜるのが心地よくて、意識が落ちかける。
「…おっと…」
パリストンの少し驚いたような声が耳元で聞こえて、意識が少し浮上する。
「あ…ごめ、ん」
あまりにも眠すぎて、パリストンの方にパタリと倒れてしまっていた。
それを抱きとめてもらってたようで、また至近距離に綺麗な顔。
「やっぱり、一緒にベットで寝ましょうか。
とてもお疲れのようですし。」
正常な判断ならきっと、駄目だろって思ったのかもしれないけれど、
眠すぎて思考が停止してる私は今すぐに寝たくて、
「動くのめんどくさい…」
「運んであげますよ。」
「ん、」
パリストンにされるがままに抱きかかえられ、ふかふかのベッドに降ろされる。
布団をかけられて、照明は落とされて、
もうまぶたはあげられないくらい重くて。
「シアさん、おやすみなさい。」
パリストンの優しい声が聞こえて、
それにちゃんと「おやすみ」って言えたかは覚えていない。
部屋がジワリと明るくて、あぁ朝かなんて意識が浮上する。
「…まつ毛長…」
私はなぜかパリストンに抱きしめられるように眠っていて、頭上の寝顔はとても綺麗だった。
とゆか、これはかなりスキャンダルなのではないだろうか。
まぁ、誰かに見られるような心配はないし、何もなかったんだけど。
「…パリストンも、意外と私のこと嫌いじゃないよね。」
つい思ったことが口から漏れてしまい、一人笑う。
そして温もりの誘惑で二度寝して、二人とも寝坊したのはまた別の話。