MANKAIカンパニーとの出会い、運命の出会い
夢より素敵な
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あの人に少しでも可愛いって思ってほしくて、メイクを変えた。手持ちのコスメを眺めながら、美容系アプリのレビューと睨めっこして。
『キミはオレンジが似合うね。』
華やかで場が明るくなる、と、まじまじと私の顔を覗き込みながら言う。
くっきり二重、睫毛もしっかりある。それなりに目は大きいし、口角は下がっているが数年前から口角を上げるマッサージをして少し上がった。パーツは悪くないはずだ。ただ配置がイマイチなだけで。
(このピンクなら似合うかな?)
春だから、少し春らしくピンクメイクに挑戦してみたい。私はイエローベースの春だからコーラル系のピンクが合うのだが、今日はもう少しピンクらしいピンクを使いたい。スマホを駆使して品番からイエベ向けのピンクか確認して、合うものを見つけた。
それもこれも、あの人、恋人である有栖川誉に可愛いと思われたいから頑張れる。
「恋は人を変えるとは言うけど・・・、」
鏡を見ながら呟く。
今日は恋人は午前中は稽古で、午後に外で待ち合わせをしている。まだ時間はたっぷりあるが、なんだかそわそわしてしまってメイクを始めた。
歳の割に少し幼い顔をしているが、それは年下の恋人と過ごすには好都合だった。昨夜はパックもしたし、化粧の乗りがいい。
こんなこと、今の恋人と出会うまでしたことない。
ピンク系のアイシャドウの入ったパレットを開くと、キラキラしている。SNSなどで『イエベ大勝利のピンクパレット』として紹介されていたパレットだ。これはホワイトデーに恋人から贈られたもの。紳士的な彼は、バレンタインにもホワイトデーにも贈り物をしてくれた。自分でも甘やかされているとは思うし、恋人が過去の恋人にもしていたのかと思えば「こんなにも尽くしているのはキミ一人だよ」などと照れ臭そうに笑う姿を見てしまっては、信じるほかない。『甘やかされている』のではなく、『愛されている』のだ。
今日は少し寒いから、こちらもホワイトデーに贈られたワンピースに袖を通した。黒いニットにビスチェ風の胸元からのスカートが繋がったワンピースだ。これに合わせるペンダントは誕生日に贈られた可愛い猫のペンダント。ハンドメイド作品らしい。すっかり恋人色に染められてしまったが、こんな束縛は嬉しさしかない。あの紳士が私を縛りつけようとするのが可愛いのだ。ペンダントを一撫でしてふふっと笑みが零れる。
「愛されてるなぁ。」
愛されているのが嬉しくて堪らない。二次創作界隈に身を置く身なので推しは沢山いる。あまりそっちに熱を上げていると軽く嫉妬もしているようだ。なんせ創作中は構ってやれないので。それはお互い様で、恋人が執筆中は私も軽く嫉妬してしまう。
メイクの仕上げにリップを塗る。ピンクのリップだ。見た目は青みピンクだが、塗ってみると浮かないピンク。先日友達とお揃いで買ったピンクのリップよりよっぽど私に合っている。
(今日も褒めてくれるかな?)
ただ、恋人に「可愛い」と言われたいだけ。恋人にだけそう思われていればいい。
お気に入りの赤いカーディガンを羽織って髪も整えて、「よし!」と意気込んで外に出た。
20190330
『キミはオレンジが似合うね。』
華やかで場が明るくなる、と、まじまじと私の顔を覗き込みながら言う。
くっきり二重、睫毛もしっかりある。それなりに目は大きいし、口角は下がっているが数年前から口角を上げるマッサージをして少し上がった。パーツは悪くないはずだ。ただ配置がイマイチなだけで。
(このピンクなら似合うかな?)
春だから、少し春らしくピンクメイクに挑戦してみたい。私はイエローベースの春だからコーラル系のピンクが合うのだが、今日はもう少しピンクらしいピンクを使いたい。スマホを駆使して品番からイエベ向けのピンクか確認して、合うものを見つけた。
それもこれも、あの人、恋人である有栖川誉に可愛いと思われたいから頑張れる。
「恋は人を変えるとは言うけど・・・、」
鏡を見ながら呟く。
今日は恋人は午前中は稽古で、午後に外で待ち合わせをしている。まだ時間はたっぷりあるが、なんだかそわそわしてしまってメイクを始めた。
歳の割に少し幼い顔をしているが、それは年下の恋人と過ごすには好都合だった。昨夜はパックもしたし、化粧の乗りがいい。
こんなこと、今の恋人と出会うまでしたことない。
ピンク系のアイシャドウの入ったパレットを開くと、キラキラしている。SNSなどで『イエベ大勝利のピンクパレット』として紹介されていたパレットだ。これはホワイトデーに恋人から贈られたもの。紳士的な彼は、バレンタインにもホワイトデーにも贈り物をしてくれた。自分でも甘やかされているとは思うし、恋人が過去の恋人にもしていたのかと思えば「こんなにも尽くしているのはキミ一人だよ」などと照れ臭そうに笑う姿を見てしまっては、信じるほかない。『甘やかされている』のではなく、『愛されている』のだ。
今日は少し寒いから、こちらもホワイトデーに贈られたワンピースに袖を通した。黒いニットにビスチェ風の胸元からのスカートが繋がったワンピースだ。これに合わせるペンダントは誕生日に贈られた可愛い猫のペンダント。ハンドメイド作品らしい。すっかり恋人色に染められてしまったが、こんな束縛は嬉しさしかない。あの紳士が私を縛りつけようとするのが可愛いのだ。ペンダントを一撫でしてふふっと笑みが零れる。
「愛されてるなぁ。」
愛されているのが嬉しくて堪らない。二次創作界隈に身を置く身なので推しは沢山いる。あまりそっちに熱を上げていると軽く嫉妬もしているようだ。なんせ創作中は構ってやれないので。それはお互い様で、恋人が執筆中は私も軽く嫉妬してしまう。
メイクの仕上げにリップを塗る。ピンクのリップだ。見た目は青みピンクだが、塗ってみると浮かないピンク。先日友達とお揃いで買ったピンクのリップよりよっぽど私に合っている。
(今日も褒めてくれるかな?)
ただ、恋人に「可愛い」と言われたいだけ。恋人にだけそう思われていればいい。
お気に入りの赤いカーディガンを羽織って髪も整えて、「よし!」と意気込んで外に出た。
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