MANKAIカンパニーとの出会い、運命の出会い
夢より素敵な
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「こんなところで、どうしたの?」
突然頭上から降ってきた声にバッと顔を上げると、誉さんの恋人の深雪さんがいた。
「あの、ちょっと、」
「迷子?」
「あ、あはは・・・。」
図星を突かれて乾いた笑いしか出ない。今日は誉さんのサイン会が行われるので冬組皆で陣中見舞いに行こうとなったのだが、皆それぞれ予定があり現地集合になったのだ。その会場まで散歩がてら出てきた私は、深雪さんの言う通り迷子になってしまった。だが、幸運なことに遭遇したのは誉さんの恋人である深雪さんだ。きっと彼女も会場に向かうところなのだろう。
「あの、一緒に行ってもらえますか?」
「うん、いいよ。私も迷子だけど。」
問題発生ー!
深雪さん、しっかりしてそうなのに方向音痴でしたー!
一緒に歩いていて判明したのは、昔、高校受験で入試会場に向かう際に道がわからなくなり、前にいる制服を着た女生徒(深雪さんの受験先は女子校だった)についていけば大丈夫とついていったら、別の学校に着いてしまったらしい。それからどうにか会場には辿り着けたようだけど、間に合ってよかったと笑った。
「国道沿いにある学校なのに、どんどん逸れていくからおかしいなとは思ったんだけど。」
「それは気づきましょう。」
誉さんは深雪さんのこういうところが放っておけないのだろう。以前、ブツブツとなにか独り言を言っていた誉さんは、東さんの話によると深雪さんにGPSをつけようかどうしようか悩んでいたという。天馬くんに負けず劣らずの方向音痴なのかもしれない。
「間に合えばいいの。結果が大事なの。」
「深雪さん、実は大分大雑把な人ですか?」
「知らなかった?」
「残念ながら。」
ふふっと薄く笑う彼女に東さんを思い出し、早く冬組の皆と合流したい気持ちが膨れ上がる。こんなことなら一人で出るんじゃなかった。・・・いや、でも一人で出たことにより深雪さんを独りにさせなかったのは誉さんに褒められてもいいかもしれない。
「そういえば聞いてなかったけど、監督さんはどこに行くの?」
「えっ、サイン会の会場じゃないんですか?深雪さんも向かってるのだと勝手に思ってましたけど・・・。」
「あぁ、よかった。実は別の場所に向かってたりしたらどうしようかと思った。」
先刻の話といい、深雪さんは案外うっかりさんなのかもしれない。
「多分ね、この道とあの道がくっついてるはずだから右か左に行けばすぐだと思うの。」
「反対方向じゃないですか・・・。」
「大丈夫。すぐにわかるから。」
そう言うと、まずは右に少し進んで周りを確認する。そして一人頷くと、「反対だった」と笑った。
「そうなんですか?」
「向かい側に目立つ歯科医院があるのは覚えててね、あっちにはそれがなかったから向こう。」
深雪さんに言われるままに引き返すと、成程、確かに目立つ歯科医院がある。クリスマスでもないのにすごい電飾だ。
「あ、カントク来たみたいだね。」
「本当ですね、よかった。」
「綴喜さんも一緒だな。」
聞き慣れた声に安心して泣きそうだ。
「あぁ!深雪さん!無事だったかね?!」
「うん、監督さんがついててくれたから。」
「それはよかった。礼を言うよ、監督くん。この人はとんでもなく方向音痴でね・・・。」
深雪さんはこっそり「一緒に迷子になってたことは内緒ね」と笑った。深雪さんがあんまり楽しそうに笑うからついつられてしまった。
20190312
突然頭上から降ってきた声にバッと顔を上げると、誉さんの恋人の深雪さんがいた。
「あの、ちょっと、」
「迷子?」
「あ、あはは・・・。」
図星を突かれて乾いた笑いしか出ない。今日は誉さんのサイン会が行われるので冬組皆で陣中見舞いに行こうとなったのだが、皆それぞれ予定があり現地集合になったのだ。その会場まで散歩がてら出てきた私は、深雪さんの言う通り迷子になってしまった。だが、幸運なことに遭遇したのは誉さんの恋人である深雪さんだ。きっと彼女も会場に向かうところなのだろう。
「あの、一緒に行ってもらえますか?」
「うん、いいよ。私も迷子だけど。」
問題発生ー!
深雪さん、しっかりしてそうなのに方向音痴でしたー!
一緒に歩いていて判明したのは、昔、高校受験で入試会場に向かう際に道がわからなくなり、前にいる制服を着た女生徒(深雪さんの受験先は女子校だった)についていけば大丈夫とついていったら、別の学校に着いてしまったらしい。それからどうにか会場には辿り着けたようだけど、間に合ってよかったと笑った。
「国道沿いにある学校なのに、どんどん逸れていくからおかしいなとは思ったんだけど。」
「それは気づきましょう。」
誉さんは深雪さんのこういうところが放っておけないのだろう。以前、ブツブツとなにか独り言を言っていた誉さんは、東さんの話によると深雪さんにGPSをつけようかどうしようか悩んでいたという。天馬くんに負けず劣らずの方向音痴なのかもしれない。
「間に合えばいいの。結果が大事なの。」
「深雪さん、実は大分大雑把な人ですか?」
「知らなかった?」
「残念ながら。」
ふふっと薄く笑う彼女に東さんを思い出し、早く冬組の皆と合流したい気持ちが膨れ上がる。こんなことなら一人で出るんじゃなかった。・・・いや、でも一人で出たことにより深雪さんを独りにさせなかったのは誉さんに褒められてもいいかもしれない。
「そういえば聞いてなかったけど、監督さんはどこに行くの?」
「えっ、サイン会の会場じゃないんですか?深雪さんも向かってるのだと勝手に思ってましたけど・・・。」
「あぁ、よかった。実は別の場所に向かってたりしたらどうしようかと思った。」
先刻の話といい、深雪さんは案外うっかりさんなのかもしれない。
「多分ね、この道とあの道がくっついてるはずだから右か左に行けばすぐだと思うの。」
「反対方向じゃないですか・・・。」
「大丈夫。すぐにわかるから。」
そう言うと、まずは右に少し進んで周りを確認する。そして一人頷くと、「反対だった」と笑った。
「そうなんですか?」
「向かい側に目立つ歯科医院があるのは覚えててね、あっちにはそれがなかったから向こう。」
深雪さんに言われるままに引き返すと、成程、確かに目立つ歯科医院がある。クリスマスでもないのにすごい電飾だ。
「あ、カントク来たみたいだね。」
「本当ですね、よかった。」
「綴喜さんも一緒だな。」
聞き慣れた声に安心して泣きそうだ。
「あぁ!深雪さん!無事だったかね?!」
「うん、監督さんがついててくれたから。」
「それはよかった。礼を言うよ、監督くん。この人はとんでもなく方向音痴でね・・・。」
深雪さんはこっそり「一緒に迷子になってたことは内緒ね」と笑った。深雪さんがあんまり楽しそうに笑うからついつられてしまった。
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