MANKAIカンパニーとの出会い、運命の出会い
夢より素敵な
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過去の恋愛の傾向から察するに、私はどうやら浮気性だ。終わりが近づくと余所見をしてしまう。私にその意思はなくても、相手はそう感じるらしい。
(こんなに一途なのに。)
ベッドに横になって目を瞑って考える。今日も頭痛がする。恋人はまだ帰らない。やることがなくなってしまった。
恋人の右側だけ伸びた髪で遊ぶのが好きだ。頭痛が酷い時に膝枕をしてもらうことがあるのだが、その時に私の顔にかかるその髪で遊ぶ。さらさらと擽ったい。
頭痛の波はその時その時で違う。基本的には薬に頼るが、少し横になればよくなる時もあれば一日をベッドで過ごすこともある。家事だけはこなすが、それもできない時は恋人に甘えてしまっている。
今は目が覚めて、お気に入りの俳優のツイートを眺める。いつ見ても眼福である。
「ふふ。」
一人でにやけてしまうのは許してほしい。イケメンは、たとえ自分に恋人がいたとしても別腹で愛でるべき存在なのだ。
「なにを笑っているのかね?」
怪訝そうな顔をした恋人が目の前に現れた。気配に気づかないとは、私もまだまだ修行が足りないな。
ぺとりと額に手を当てられ、その心地よい冷たさに目を瞑るとそのまま髪をかき上げられてキスが降ってきた。
「おかえりなさい。」
「ただいま帰ったよ。・・・楽しそうにしていたね?」
「ん。私の好きな俳優さんが写真上げてたから。」
すると恋人の表情は少し曇る。手の届かない俳優に向けた想いより、すぐ傍でこうして手を繋げる恋人への想いの方が何倍も重いというのに。そんな些細な嫉妬も、本人はあまり好まない。嫉妬は紳士的ではないらしい。
「手の届かない存在よ?」
「キミは気づいていないかもしれないが、ワタシだって手の届かないはずの存在なのだよ?」
確かに、売れっ子の詩人大先生で舞台役者だ。普通なら手の届かない存在であるはずだった。
「願えば叶うのね。」
「ワタシはキミの願いを叶えてあげたいが、この願いは叶えたくないね。」
「そんなの、願ってない。・・・誉で手一杯よ。」
「もう、余所見をしないでおくれ。」
年の差は五つ、今は六つ。まだ若い恋人はこっそりこうして傷ついている。そんな心配は必要ないのだと笑い飛ばしてやりたいが、今は私も本調子ではない。
「誉。」
「なんだい?」
「おいで。」
腕をいっぱいに広げると、恋人は素直に私に抱きついてきた。よしよしと頭を撫でてやれば「子ども扱いはやめたまえ」と言うが、背の高い男は撫でられることに慣れていないからこれで落とせるとなにかで見た。
「あとで映画を見ましょ。」
「映画、」
「ミュージカル映画だから、一緒に歌いましょ。」
「キミはミュージカル映画が好きだね。」
「誉も好きでしょ?」
「あぁ、・・・好きだよ。」
好きだよ、と、私を抱き締める腕に力が入って、これはミュージカル映画だけでなくて私のことも言ってるんだなと理解した。多分合ってる。
「・・・頭が痛いの。」
「どれ、撫でてあげよう。」
「早くよくなるように」と丁寧に髪を梳かれ、沢山のキスが降ってくる。
「あの俳優にはできないだろう?」
まだ可愛らしい嫉妬は続いていたことに、私は少し笑ってしまった。
20190119
(こんなに一途なのに。)
ベッドに横になって目を瞑って考える。今日も頭痛がする。恋人はまだ帰らない。やることがなくなってしまった。
恋人の右側だけ伸びた髪で遊ぶのが好きだ。頭痛が酷い時に膝枕をしてもらうことがあるのだが、その時に私の顔にかかるその髪で遊ぶ。さらさらと擽ったい。
頭痛の波はその時その時で違う。基本的には薬に頼るが、少し横になればよくなる時もあれば一日をベッドで過ごすこともある。家事だけはこなすが、それもできない時は恋人に甘えてしまっている。
今は目が覚めて、お気に入りの俳優のツイートを眺める。いつ見ても眼福である。
「ふふ。」
一人でにやけてしまうのは許してほしい。イケメンは、たとえ自分に恋人がいたとしても別腹で愛でるべき存在なのだ。
「なにを笑っているのかね?」
怪訝そうな顔をした恋人が目の前に現れた。気配に気づかないとは、私もまだまだ修行が足りないな。
ぺとりと額に手を当てられ、その心地よい冷たさに目を瞑るとそのまま髪をかき上げられてキスが降ってきた。
「おかえりなさい。」
「ただいま帰ったよ。・・・楽しそうにしていたね?」
「ん。私の好きな俳優さんが写真上げてたから。」
すると恋人の表情は少し曇る。手の届かない俳優に向けた想いより、すぐ傍でこうして手を繋げる恋人への想いの方が何倍も重いというのに。そんな些細な嫉妬も、本人はあまり好まない。嫉妬は紳士的ではないらしい。
「手の届かない存在よ?」
「キミは気づいていないかもしれないが、ワタシだって手の届かないはずの存在なのだよ?」
確かに、売れっ子の詩人大先生で舞台役者だ。普通なら手の届かない存在であるはずだった。
「願えば叶うのね。」
「ワタシはキミの願いを叶えてあげたいが、この願いは叶えたくないね。」
「そんなの、願ってない。・・・誉で手一杯よ。」
「もう、余所見をしないでおくれ。」
年の差は五つ、今は六つ。まだ若い恋人はこっそりこうして傷ついている。そんな心配は必要ないのだと笑い飛ばしてやりたいが、今は私も本調子ではない。
「誉。」
「なんだい?」
「おいで。」
腕をいっぱいに広げると、恋人は素直に私に抱きついてきた。よしよしと頭を撫でてやれば「子ども扱いはやめたまえ」と言うが、背の高い男は撫でられることに慣れていないからこれで落とせるとなにかで見た。
「あとで映画を見ましょ。」
「映画、」
「ミュージカル映画だから、一緒に歌いましょ。」
「キミはミュージカル映画が好きだね。」
「誉も好きでしょ?」
「あぁ、・・・好きだよ。」
好きだよ、と、私を抱き締める腕に力が入って、これはミュージカル映画だけでなくて私のことも言ってるんだなと理解した。多分合ってる。
「・・・頭が痛いの。」
「どれ、撫でてあげよう。」
「早くよくなるように」と丁寧に髪を梳かれ、沢山のキスが降ってくる。
「あの俳優にはできないだろう?」
まだ可愛らしい嫉妬は続いていたことに、私は少し笑ってしまった。
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