MANKAIカンパニーとの出会い、運命の出会い
愛の天秤
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『誉は愛が重いね。』
寮の大掃除を手伝いながら、自室の掃除に取り掛かろうとすると東さんにそう言われた。
『ワタシの愛が重い?』
『うん。普通の人なら疲れて離れてしまうよ。』
『・・・。』
『でもね、』
大掃除も終わり、恋人と一緒に暮らす家まで帰ってくると、恋人は横になっていた。前日には旧友と会い、大掃除は今日するのだと息巻いていた彼女だが、ぼんやりとしていた。
「おかえりなさい。」
「ただいま。どうしたのかね?」
「ちょっと頭痛くなっちゃって。」
「お風呂掃除はしたんだけどね」と苦笑する彼女は偏頭痛持ちだ。天気が原因だったり、少し疲れると頭が痛くなるらしい。そっと頭を撫でてやると眉間の皺が幾らか和らいだように見える。
「キミは、愛が重いと感じたことはないかね?」
そのまま髪を梳きながら訊くと、彼女は表情を失くした。もしかしたら私のそれは失言だったのかもしれない。また彼女を傷つけたのかもしれない。
「愛が重いと離れてしまうと助言されたのだが、ワタシの愛は重いだろうか?」
「誉の、愛?」
「どうやらワタシの愛は、傍から見ると重いらしいのだよ。」
目を瞑った彼女は、今度は心地良さそうに頭を預ける。彼女と交際を始めて彼女のことを一つ一つ知ってきたが、彼女はこうして撫でられることが好きだ。
彼女は私の気持ちを察してくれる。今もきっと私の不安な気持ちが顔に出ていたのだろう。ぎゅっと抱き着かれ、その体を支えてやると少し冷えている。
「重い方がわかりやすいでしょ。」
「そうだね。キミの愛はわかりにくいが、確かに感じるよ。」
「上出来。」
彼女は少々バイオレンスな愛情表現をするためわかりにくいが、それを紐解いていくとなによりも深い愛がそこに流れていた。
『でもね、深雪さんは誉から離れたりしないんだろうなぁ。勘だけどね。』
その勘はどうやら当たっているようだよ、東さん。
20181231
寮の大掃除を手伝いながら、自室の掃除に取り掛かろうとすると東さんにそう言われた。
『ワタシの愛が重い?』
『うん。普通の人なら疲れて離れてしまうよ。』
『・・・。』
『でもね、』
大掃除も終わり、恋人と一緒に暮らす家まで帰ってくると、恋人は横になっていた。前日には旧友と会い、大掃除は今日するのだと息巻いていた彼女だが、ぼんやりとしていた。
「おかえりなさい。」
「ただいま。どうしたのかね?」
「ちょっと頭痛くなっちゃって。」
「お風呂掃除はしたんだけどね」と苦笑する彼女は偏頭痛持ちだ。天気が原因だったり、少し疲れると頭が痛くなるらしい。そっと頭を撫でてやると眉間の皺が幾らか和らいだように見える。
「キミは、愛が重いと感じたことはないかね?」
そのまま髪を梳きながら訊くと、彼女は表情を失くした。もしかしたら私のそれは失言だったのかもしれない。また彼女を傷つけたのかもしれない。
「愛が重いと離れてしまうと助言されたのだが、ワタシの愛は重いだろうか?」
「誉の、愛?」
「どうやらワタシの愛は、傍から見ると重いらしいのだよ。」
目を瞑った彼女は、今度は心地良さそうに頭を預ける。彼女と交際を始めて彼女のことを一つ一つ知ってきたが、彼女はこうして撫でられることが好きだ。
彼女は私の気持ちを察してくれる。今もきっと私の不安な気持ちが顔に出ていたのだろう。ぎゅっと抱き着かれ、その体を支えてやると少し冷えている。
「重い方がわかりやすいでしょ。」
「そうだね。キミの愛はわかりにくいが、確かに感じるよ。」
「上出来。」
彼女は少々バイオレンスな愛情表現をするためわかりにくいが、それを紐解いていくとなによりも深い愛がそこに流れていた。
『でもね、深雪さんは誉から離れたりしないんだろうなぁ。勘だけどね。』
その勘はどうやら当たっているようだよ、東さん。
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