MANKAIカンパニーとの出会い、運命の出会い
夢より素敵な
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「では、行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい。」
「・・・。」
「ん?」
なにか言いたげなその目は知ってる。あれでしょ?行ってらっしゃいのキスがほしいんでしょ?でも、三〇センチの身長差ではこちらから強請っているようになってしまう。行ってらっしゃいのキスがあるとないとでは、その日のコンディションに多かれ少なかれ差があると、以前言っていたような気がする。
「・・・屈んで。」
「喜んで。」
嬉々として頬で私の唇を受け止めると、口にしてほしかったというようなことを言ってくるので、それは帰ってからねと言った。帰ってくるかどうかなんてわからないのに。
それでも、笑顔で出ていくから笑顔で見送った。
「はぁ。」
家事を一通りこなすと、もうお昼だ。一人の食事には慣れていたはずなのに、やはり少し寂しい。食べてから、食器を洗う気になれずシンクに置いた。
(あとで洗おう。)
今日は少し疲れた。一眠りしてもいいだろうか。ベッドに横になると、微かに恋人の匂いがする。品のいい香りの香水に、恋人自身の体臭が混ざった匂いだ。そわそわした気持ちも幾らか落ち着いた。
夕方、洗濯物を中に入れる。恋人は下着だけは出さない。私は別に構わないのだが、その辺のことは気にする質らしい。まぁ、私も風邪で寝込んだ時に自分の下着を洗ってもらってしまい、恥ずかしいのはわかる。
シンクに置いた昼の残骸を片付けてボーッとしていると、携帯電話がメールを受信した。恋人は今日は帰れないかもしれないらしい。
(夕飯も一人か。)
一人になると、途端にやる気を失くす。恋人に生かされているのだ。依存してはいけないとわかってはいるが、恋人は依存されたがる。変わった人だ。
食べなくてもいいのだが、バレた時に小言を言われるのが嫌で仕方なく食べた。その後、やはり洗うのが面倒でシンクに置いてお風呂に入った。ボーッとしていると今度は着信。浴室に声が響く。また飲まされたのだろう、泣きながらの電話だ。
私は恋人と出会うまで泣き上戸に遭遇したことはなかった。なので、酒の入った恋人の扱いがわからなかったのだが、適当に話を聞いてればいいのだと学んだ。下手に相槌をうつと悪化してしまうのだ。
「えっ、帰ってくるの?これから?」
もういい時間だ。最近は泊まりが増えていたので、今日は寮で休むくらいしてくればいいのに。・・・嘘。本当は私を選んでくれたのが嬉しい。そんな可愛いことを素直に言える恋人じゃなくてごめん。
タクシーを使って帰ってきた恋人を迎え入れると、またなにか言いたげな目でこちらを見る。
(あぁ、朝のことを覚えてたんだな。)
帰ってから、私はそう言ったし、恋人はそれを聞いて嬉しそうに出ていった。そんなちっぽけな約束のために帰ってきたんだ。
「キミは一人になると泣いてしまうだろう?」
今泣いてるのはどこの誰だ。言ってやりたかったが間違ってないのか悔しくて、精一杯背伸びをしてキスを強請った。アルコールの味のするキスだった。
20181211
「行ってらっしゃい。」
「・・・。」
「ん?」
なにか言いたげなその目は知ってる。あれでしょ?行ってらっしゃいのキスがほしいんでしょ?でも、三〇センチの身長差ではこちらから強請っているようになってしまう。行ってらっしゃいのキスがあるとないとでは、その日のコンディションに多かれ少なかれ差があると、以前言っていたような気がする。
「・・・屈んで。」
「喜んで。」
嬉々として頬で私の唇を受け止めると、口にしてほしかったというようなことを言ってくるので、それは帰ってからねと言った。帰ってくるかどうかなんてわからないのに。
それでも、笑顔で出ていくから笑顔で見送った。
「はぁ。」
家事を一通りこなすと、もうお昼だ。一人の食事には慣れていたはずなのに、やはり少し寂しい。食べてから、食器を洗う気になれずシンクに置いた。
(あとで洗おう。)
今日は少し疲れた。一眠りしてもいいだろうか。ベッドに横になると、微かに恋人の匂いがする。品のいい香りの香水に、恋人自身の体臭が混ざった匂いだ。そわそわした気持ちも幾らか落ち着いた。
夕方、洗濯物を中に入れる。恋人は下着だけは出さない。私は別に構わないのだが、その辺のことは気にする質らしい。まぁ、私も風邪で寝込んだ時に自分の下着を洗ってもらってしまい、恥ずかしいのはわかる。
シンクに置いた昼の残骸を片付けてボーッとしていると、携帯電話がメールを受信した。恋人は今日は帰れないかもしれないらしい。
(夕飯も一人か。)
一人になると、途端にやる気を失くす。恋人に生かされているのだ。依存してはいけないとわかってはいるが、恋人は依存されたがる。変わった人だ。
食べなくてもいいのだが、バレた時に小言を言われるのが嫌で仕方なく食べた。その後、やはり洗うのが面倒でシンクに置いてお風呂に入った。ボーッとしていると今度は着信。浴室に声が響く。また飲まされたのだろう、泣きながらの電話だ。
私は恋人と出会うまで泣き上戸に遭遇したことはなかった。なので、酒の入った恋人の扱いがわからなかったのだが、適当に話を聞いてればいいのだと学んだ。下手に相槌をうつと悪化してしまうのだ。
「えっ、帰ってくるの?これから?」
もういい時間だ。最近は泊まりが増えていたので、今日は寮で休むくらいしてくればいいのに。・・・嘘。本当は私を選んでくれたのが嬉しい。そんな可愛いことを素直に言える恋人じゃなくてごめん。
タクシーを使って帰ってきた恋人を迎え入れると、またなにか言いたげな目でこちらを見る。
(あぁ、朝のことを覚えてたんだな。)
帰ってから、私はそう言ったし、恋人はそれを聞いて嬉しそうに出ていった。そんなちっぽけな約束のために帰ってきたんだ。
「キミは一人になると泣いてしまうだろう?」
今泣いてるのはどこの誰だ。言ってやりたかったが間違ってないのか悔しくて、精一杯背伸びをしてキスを強請った。アルコールの味のするキスだった。
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