選ばれたのは
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ティファが乗っていたチョコボ車が向かったのは、ウォールマーケットと呼ばれる場所だ。
出来ればエアリスには近づけたくない場所だったが・・・来てしまったからにはどうしようもない。
「ここ、女の子には危険な場所だよ。 ・・・いろんな意味で、ね」
物珍しそうな顔で辺りを見回すクラウドに、エアリスは言った。
やけに露出度の高い服を着た厚化粧の女の人が、目の前を歩いてゆく。
彼女が側を通り過ぎたとたん、激しい香水の匂いがして、私は思わず顔をしかめた。
少し離れたところでは、獣のように飢えた目で、数人の若い男がこちらを見て何か囁いている。
・・・やっぱり、この場所は嫌いだ。
何度来ても慣れないし、慣れたいとも思わない。
「さあ、早くティファさん、探さないと。まずは聞き込みかな」
「待って。 ・・・多分、ティファさんはあそこにいると思う」
私のその言葉で、歩き出そうとしていたエアリスは足を止めた。
「あそこってどこだ?」
クラウドが尋ねてくる。
私は答えようと口を開くが、私たちを見ていた男達がこちらに近づいてくるのを見て、思わずエアリスの手をとって歩き出した。
「歩きながら話しましょう」
クラウドも大人しくついてくる。
・・・六番街も危険だが、ここは違う意味でもっと危険だ。
絶対に、エアリスから目を離せない。
「ここを取り仕切ってる、ドン・コルネオっていう男がいるの。この街に自分好みの新しい女の子が来ると、必ず自分の屋敷に連れて行くそうよ。たぶん、ティファさんもそこじゃないかな」
「・・・ティファは、この街に何の用があったんだ?」
「さあ? それは分からない」
「じゃあ、直接聞きに行くしかないよね!」
エアリスは目をキラキラさせながら言った。
・・・出た。
興味があるものには何にでも首を突っ込みたがる、悪い癖。
そのせいで、今まで何度危険な目に遭ったことか・・・。
「そのコルネオってやつの屋敷には入れるのか?」
「コルネオの部下と女の子しか入っていくところを見たことがないって噂があるけど・・・。着いた。ここがコルネオの屋敷よ」
私は足を止めて、スラムには不似合いな煌びやかな屋敷を見上げる。
いつ見ても、本当に趣味の悪い屋敷だ。
コルネオに実際に会ったことはないが、きっととんでもないやつに違いない。
クラウドは、屋敷の前に立っている門番らしき男の方に近づいていった。
「ここに、ティファという女が来なかったか?」
「あ? 誰だ、お前」
「いいから答えろ」
明らかに人にものを尋ねる態度じゃない。
「ったく、何だよ・・・。ティファだろ? 今日新しく来た女の子だよ」
「やっぱり、ここにいたんだ。ティファさん」
エアリスが小さい声で言う。
私は頷いた。
「あとはどうやって会いに行くか、だね」
「彼女に会いたいんだが・・・」
「あー、ダメダメ。男はダメ。ここ、女の子しか入っちゃいけないことになってんの」
「じゃあ、わたしなら入ってもいい?」
エアリスはそう言いながら門番の方へ歩いて行った。
ちょ、ちょっと・・・!
私も慌てて彼女の後を追う。
「おっ! 可愛い女の子がいるじゃん! いーよいーよ、二人なら全然オッケー!」
なんか、ちゃっかり私も勘定に入れられちゃってるし・・・。
思わずため息をつくが、私も入れてもらえるなら二人でティファを探しに行くのもいいかもしれない。
「お、おい、待て」
「ん? どうしたの、クラウド」
クラウドは慌てた様子で門番から離れた位置にエアリスと私を引っ張っていくと、小声で囁いた。
「あんたたちだけで行かせるのは危険だ。ここは、ほら・・・分かるだろ?」
「まあ、何とかなるんじゃない? エアリスは私が守るから」
「でも・・・」
「じゃあ、どうするの? 無理矢理入る?」
「いや、それは・・・」
エアリスの問に、クラウドは口ごもる。
・・・もうっ、はっきりしないなぁ。
ふとエアリスの方を見ると、何故か彼女はクスクス笑っていた。
「いいこと思いついちゃった」
エアリスはそう言うと、クラウドの顔をのぞき込んだ。
「クラウド、女装したらいいんじゃない?」
「なっ!?」
クラウドと声が被った。
だって・・・クラウドが、女装?
「かつらとか服とか、必要だね」
「お、おい、エアリス・・・」
「さ、街で必要なもの、調達しましょ」
「・・・」
クラウドの抗議の声はほとんど無視され、エアリスに引っ張られて行った。
クラウドが、女装・・・。
確かに、ちょっと見てみたい気はするかも・・・。
「ごめんなさい。お友達連れて、また来るね」
屋敷の前の門番にそれだけ言い残すと、私も二人の後を追った。
出来ればエアリスには近づけたくない場所だったが・・・来てしまったからにはどうしようもない。
「ここ、女の子には危険な場所だよ。 ・・・いろんな意味で、ね」
物珍しそうな顔で辺りを見回すクラウドに、エアリスは言った。
やけに露出度の高い服を着た厚化粧の女の人が、目の前を歩いてゆく。
彼女が側を通り過ぎたとたん、激しい香水の匂いがして、私は思わず顔をしかめた。
少し離れたところでは、獣のように飢えた目で、数人の若い男がこちらを見て何か囁いている。
・・・やっぱり、この場所は嫌いだ。
何度来ても慣れないし、慣れたいとも思わない。
「さあ、早くティファさん、探さないと。まずは聞き込みかな」
「待って。 ・・・多分、ティファさんはあそこにいると思う」
私のその言葉で、歩き出そうとしていたエアリスは足を止めた。
「あそこってどこだ?」
クラウドが尋ねてくる。
私は答えようと口を開くが、私たちを見ていた男達がこちらに近づいてくるのを見て、思わずエアリスの手をとって歩き出した。
「歩きながら話しましょう」
クラウドも大人しくついてくる。
・・・六番街も危険だが、ここは違う意味でもっと危険だ。
絶対に、エアリスから目を離せない。
「ここを取り仕切ってる、ドン・コルネオっていう男がいるの。この街に自分好みの新しい女の子が来ると、必ず自分の屋敷に連れて行くそうよ。たぶん、ティファさんもそこじゃないかな」
「・・・ティファは、この街に何の用があったんだ?」
「さあ? それは分からない」
「じゃあ、直接聞きに行くしかないよね!」
エアリスは目をキラキラさせながら言った。
・・・出た。
興味があるものには何にでも首を突っ込みたがる、悪い癖。
そのせいで、今まで何度危険な目に遭ったことか・・・。
「そのコルネオってやつの屋敷には入れるのか?」
「コルネオの部下と女の子しか入っていくところを見たことがないって噂があるけど・・・。着いた。ここがコルネオの屋敷よ」
私は足を止めて、スラムには不似合いな煌びやかな屋敷を見上げる。
いつ見ても、本当に趣味の悪い屋敷だ。
コルネオに実際に会ったことはないが、きっととんでもないやつに違いない。
クラウドは、屋敷の前に立っている門番らしき男の方に近づいていった。
「ここに、ティファという女が来なかったか?」
「あ? 誰だ、お前」
「いいから答えろ」
明らかに人にものを尋ねる態度じゃない。
「ったく、何だよ・・・。ティファだろ? 今日新しく来た女の子だよ」
「やっぱり、ここにいたんだ。ティファさん」
エアリスが小さい声で言う。
私は頷いた。
「あとはどうやって会いに行くか、だね」
「彼女に会いたいんだが・・・」
「あー、ダメダメ。男はダメ。ここ、女の子しか入っちゃいけないことになってんの」
「じゃあ、わたしなら入ってもいい?」
エアリスはそう言いながら門番の方へ歩いて行った。
ちょ、ちょっと・・・!
私も慌てて彼女の後を追う。
「おっ! 可愛い女の子がいるじゃん! いーよいーよ、二人なら全然オッケー!」
なんか、ちゃっかり私も勘定に入れられちゃってるし・・・。
思わずため息をつくが、私も入れてもらえるなら二人でティファを探しに行くのもいいかもしれない。
「お、おい、待て」
「ん? どうしたの、クラウド」
クラウドは慌てた様子で門番から離れた位置にエアリスと私を引っ張っていくと、小声で囁いた。
「あんたたちだけで行かせるのは危険だ。ここは、ほら・・・分かるだろ?」
「まあ、何とかなるんじゃない? エアリスは私が守るから」
「でも・・・」
「じゃあ、どうするの? 無理矢理入る?」
「いや、それは・・・」
エアリスの問に、クラウドは口ごもる。
・・・もうっ、はっきりしないなぁ。
ふとエアリスの方を見ると、何故か彼女はクスクス笑っていた。
「いいこと思いついちゃった」
エアリスはそう言うと、クラウドの顔をのぞき込んだ。
「クラウド、女装したらいいんじゃない?」
「なっ!?」
クラウドと声が被った。
だって・・・クラウドが、女装?
「かつらとか服とか、必要だね」
「お、おい、エアリス・・・」
「さ、街で必要なもの、調達しましょ」
「・・・」
クラウドの抗議の声はほとんど無視され、エアリスに引っ張られて行った。
クラウドが、女装・・・。
確かに、ちょっと見てみたい気はするかも・・・。
「ごめんなさい。お友達連れて、また来るね」
屋敷の前の門番にそれだけ言い残すと、私も二人の後を追った。