選ばれたのは
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六番街を抜けると、目の前に小さな公園が現れた。
滑り台や砂場、ブランコなど、公園に必要最低限の物が、狭い空間に所狭しと押し込められている。
「うわぁ、懐かしい!」
「まだあったんだね、この公園」
エアリスとミキは感傷深そうに公園を見つめていた。
小さい頃に遊んでいた公園なんだろうか。
「あのゲートを抜ければ七番街よ」
公園の向こうに見えているゲートを指差しながら、エアリスが言った。
俺は頷く。
「なら、後は一人で大丈夫だ。あんた達は家に・・・」
「じゃあ、ここで少し休憩しましょうか」
俺の言葉を遮るようにそう言うと、エアリスは滑り台の方へ駆けていってしまった。
・・・まさか、店までついてくるつもりか?
「ごめんなさい。エアリス、帰る気ないみたい」
ミキが苦笑しながらそう言ったので、俺は肩をすくめた。
「そうみたいだな」
「ああなると言うこと聞かなくなっちゃうから・・・。私たちも一緒にお店まで行っても大丈夫?」
「俺は別に構わない」
俺の返事に、何故かミキは意外そうな顔をした。
「・・・本当? 私たちと一緒にいて、お店の女の人、怒らない?」
・・・ティファが怒る?
ミキが何を言っているのか、分からなかった。
俺が怪訝そうな顔をすると、ミキは慌てて顔の前で手を振る。
「ご、ごめん、何でもない。今の、忘れて」
「・・・?」
訳が分からないが、忘れろと言われるとそれ以上言及できなかった。
「クラウド、こっち!」
エアリスが滑り台の上に登って、こちらに向かって手を振っている。
俺は彼女の方へ歩み寄った。
「クラウド、ソルジャーなんだよね」
滑り台に登り彼女の横に腰掛けると、エアリスはそう尋ねてきた。
「ああ」
「クラスは? ソルジャーのクラス」
「クラスは・・・」
一瞬、頭の中にノイズが走った。
「・・・クラスは、1ST(ファースト)だ」
「ふ~ん。同じだ」
「誰と?」
「初恋の人」
意外な答えに、一瞬戸惑った。
初恋の人がソルジャー、か。
「・・・付き合ってた?」
「ううん。昔、花売りをしてるときに、ちょっといいなって思っただけ」
「知ってるやつかもしれないな。名前は?」
「・・・もう、いいの」
何故かエアリスは、寂しそうに呟きながら首を横に振った。
「もう5年も何の連絡もないもんね。どっかで女の子と仲良くしてるんじゃないの?」
突然、ミキがそう言ってきた。
彼女は、滑り台の側にあるブランコに腰掛けている。
・・・どこか、言葉にとげがある気がした。
「そう・・・だよね。女の子が大好きなやつだったもんね」
そう言うエアリスの表情も、先程と比べて少し暗い。
・・・ミッドガルに派遣されたことのある、クラスファーストのソルジャーか・・・。
少し考えを巡らせてみたが、誰も思い浮かばなかった。
クラスファーストといえばソルジャーの中でも一番上のランクで、数えるほどしかいないのだが・・・。
思い浮かばない。
――――誰も。
「あ・・・」
エアリスが小さな声を上げた。
彼女の視線の先に目を向ける。
・・・七番ゲートの扉が、ゆっくりと開いていた。
「ここ、滅多に開かないのに」
ミキも意外そうな顔をしている。
扉が完全に開くと、そこからチョコボ車が出てきた。
チョコボ車はクルリと方向転換すると、そのまま去ってゆく。
俺は何気なく、後ろに繋げられた車に目をやった。
「・・・?」
中に、見覚えのある人物が乗っていた。
・・・見覚えがある?
いや、間違いない。
あれは――――。
「ティファ!?」
「ティファさんって・・・さっき話してた?」
「ああ・・・」
エアリスの問に、頷く。
チョコボ車はどこかへ走り去ってしまった。
「ふ~ん。何だか、ただならぬ雰囲気って感じだったね」
エアリスはそう呟くと、滑り台を滑って下へ下りる。
「お、おい・・・!」
どこへ行く、と聞く前に、彼女はチョコボ車が走り去った方向へ駆け出した。
まさか、ティファを探しに行くつもりか・・・?
「待って、エアリス!」
エアリスの後を追って、ミキも慌てて駆けだす。
・・・もう止めても無駄だろう。
俺は思わずため息を吐くと、2人の後を追って駆け出した。
滑り台や砂場、ブランコなど、公園に必要最低限の物が、狭い空間に所狭しと押し込められている。
「うわぁ、懐かしい!」
「まだあったんだね、この公園」
エアリスとミキは感傷深そうに公園を見つめていた。
小さい頃に遊んでいた公園なんだろうか。
「あのゲートを抜ければ七番街よ」
公園の向こうに見えているゲートを指差しながら、エアリスが言った。
俺は頷く。
「なら、後は一人で大丈夫だ。あんた達は家に・・・」
「じゃあ、ここで少し休憩しましょうか」
俺の言葉を遮るようにそう言うと、エアリスは滑り台の方へ駆けていってしまった。
・・・まさか、店までついてくるつもりか?
「ごめんなさい。エアリス、帰る気ないみたい」
ミキが苦笑しながらそう言ったので、俺は肩をすくめた。
「そうみたいだな」
「ああなると言うこと聞かなくなっちゃうから・・・。私たちも一緒にお店まで行っても大丈夫?」
「俺は別に構わない」
俺の返事に、何故かミキは意外そうな顔をした。
「・・・本当? 私たちと一緒にいて、お店の女の人、怒らない?」
・・・ティファが怒る?
ミキが何を言っているのか、分からなかった。
俺が怪訝そうな顔をすると、ミキは慌てて顔の前で手を振る。
「ご、ごめん、何でもない。今の、忘れて」
「・・・?」
訳が分からないが、忘れろと言われるとそれ以上言及できなかった。
「クラウド、こっち!」
エアリスが滑り台の上に登って、こちらに向かって手を振っている。
俺は彼女の方へ歩み寄った。
「クラウド、ソルジャーなんだよね」
滑り台に登り彼女の横に腰掛けると、エアリスはそう尋ねてきた。
「ああ」
「クラスは? ソルジャーのクラス」
「クラスは・・・」
一瞬、頭の中にノイズが走った。
「・・・クラスは、1ST(ファースト)だ」
「ふ~ん。同じだ」
「誰と?」
「初恋の人」
意外な答えに、一瞬戸惑った。
初恋の人がソルジャー、か。
「・・・付き合ってた?」
「ううん。昔、花売りをしてるときに、ちょっといいなって思っただけ」
「知ってるやつかもしれないな。名前は?」
「・・・もう、いいの」
何故かエアリスは、寂しそうに呟きながら首を横に振った。
「もう5年も何の連絡もないもんね。どっかで女の子と仲良くしてるんじゃないの?」
突然、ミキがそう言ってきた。
彼女は、滑り台の側にあるブランコに腰掛けている。
・・・どこか、言葉にとげがある気がした。
「そう・・・だよね。女の子が大好きなやつだったもんね」
そう言うエアリスの表情も、先程と比べて少し暗い。
・・・ミッドガルに派遣されたことのある、クラスファーストのソルジャーか・・・。
少し考えを巡らせてみたが、誰も思い浮かばなかった。
クラスファーストといえばソルジャーの中でも一番上のランクで、数えるほどしかいないのだが・・・。
思い浮かばない。
――――誰も。
「あ・・・」
エアリスが小さな声を上げた。
彼女の視線の先に目を向ける。
・・・七番ゲートの扉が、ゆっくりと開いていた。
「ここ、滅多に開かないのに」
ミキも意外そうな顔をしている。
扉が完全に開くと、そこからチョコボ車が出てきた。
チョコボ車はクルリと方向転換すると、そのまま去ってゆく。
俺は何気なく、後ろに繋げられた車に目をやった。
「・・・?」
中に、見覚えのある人物が乗っていた。
・・・見覚えがある?
いや、間違いない。
あれは――――。
「ティファ!?」
「ティファさんって・・・さっき話してた?」
「ああ・・・」
エアリスの問に、頷く。
チョコボ車はどこかへ走り去ってしまった。
「ふ~ん。何だか、ただならぬ雰囲気って感じだったね」
エアリスはそう呟くと、滑り台を滑って下へ下りる。
「お、おい・・・!」
どこへ行く、と聞く前に、彼女はチョコボ車が走り去った方向へ駆け出した。
まさか、ティファを探しに行くつもりか・・・?
「待って、エアリス!」
エアリスの後を追って、ミキも慌てて駆けだす。
・・・もう止めても無駄だろう。
俺は思わずため息を吐くと、2人の後を追って駆け出した。