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エアリスに気付かれないように家を出た私は、ホッと息をついてからクラウドの方を見た。
「ここから七番街へは六番街を通って行くの。六番街にはモンスターも出るから、心の準備をしておいて」
「ああ」
彼は一言、そう返してきただけだった。
私は六番街へのゲートに向かって歩き出す。
時間が時間なので、辺りに人の姿は全く無かった。
不気味なほど静まりかえった道路に、私とクラウドの足音だけが響く。
「・・・あんたとエアリスは、どういう関係なんだ?」
唐突に、彼は尋ねてきた。
私は少しだけ、彼の方に顔を向ける。
「姉妹よ。エアリスが私のお姉ちゃん」
「その割には似てないな」
エアリスは栗色の髪に翡翠色の瞳。
私は黒髪にマリンブルーの瞳。
顔や性格も、全く違う。
・・・まぁ、それも当然なのだが。
「あなたこそ、どうしてこんな所で迷子になってるの? ソルジャーなんでしょ?」
「元、ソルジャーだ」
「元?」
ということは、ソルジャーを辞めたんだろうか。
・・・なんだか不思議な人。
「じゃあ、今は神羅とは関係ないんだ」
「そうじゃないとエアリスのボディーガードの為にタークスと戦えないだろ?」
「それもそうね」
私は少し笑った。
「だが、なぜ神羅はエアリスを追っているんだ?」
「・・・」
一瞬、返事をためらった。
どこまで話していいんだろう。
・・・というより、彼に話してもいいんだろうか。
「タークスはエアリスのことを古代種と呼んでいた。何のことだ?」
古代種。セトラ。
タークスはエアリスのことをそう呼んでいる。
私は肩を竦めた。
「さあ? 私もさっぱり。古代種が何なのか、聞いても教えてくれないし」
「よほどの理由がないと、タークスは動かない」
「そうでしょうね。大抵の雑用はソルジャーの仕事だろうから。エアリスは神羅にとってとても大切な存在。でも、それ以上のことは分からない」
「・・・なぜ彼女が追われているか知らないのか?」
「そういうこと」
私が知っているのは表向きの理由だけだ。
確か・・・エアリスの協力が人類の繁栄に繋がるとか、何とかかんとか。
古代種? セトラ? 人類の繁栄?
馬鹿馬鹿しい。
そんなこと言われて協力する馬鹿がどこにいると思ってるんだろう。
「ほら、あそこ。あのゲートをくぐったら六番街だよ」
そう言いながら、前方に見えてきた壊れかけのゲートを指差す。
「・・・ん?」
そこに、誰かが立っていた。
思わず目を凝らしてジッと見つめる。
ピンクのワンピースに、赤いジャケット。
まさか・・・。
「エアリス!?」
私は彼女の名を呼びながら駆け寄った。
エアリスは私たちの姿を見つけると、腰に手を当てて睨んでくる。
「お早い出発、ね」
「いや・・・」
クラウドはそう呟きながら、エアリスから目を逸らす。
私は怒るに怒れない気持ちでエアリスを見た。
「エアリス・・・何でここにいるの?」
「それはこっちのセリフ」
エアリスは咎めるような視線を送ってくる。
「わたしに内緒で出て行くなんて酷いじゃない。わたしも一緒にクラウド、送っていくから」
「・・・」
しばしの間を置き、私はため息をついた。
ここから一人で帰らせるくらいなら、一緒にクラウドを送って二人で帰った方がいいだろう。
どうせ駄目だって言ってもついてくるだろうし・・・。
私は諦め半分にクラウドの方を見る。
「言っても聞かないだろうから、エアリスも連れて行くね」
「・・・そうだな」
「そうと決まれば」
エアリスは嬉しそうに笑うと、さっさとゲートをくぐって走り出した。
「早く行きましょ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ、エアリス! 一人で行ったら危ないから・・・!」
私も慌ててエアリスの後を追って走り出す。
後ろから、クラウドのため息が聞こえてきた。
・・・ゴメンね。
私は苦笑いしながら、心の中で呟いた。
「ここから七番街へは六番街を通って行くの。六番街にはモンスターも出るから、心の準備をしておいて」
「ああ」
彼は一言、そう返してきただけだった。
私は六番街へのゲートに向かって歩き出す。
時間が時間なので、辺りに人の姿は全く無かった。
不気味なほど静まりかえった道路に、私とクラウドの足音だけが響く。
「・・・あんたとエアリスは、どういう関係なんだ?」
唐突に、彼は尋ねてきた。
私は少しだけ、彼の方に顔を向ける。
「姉妹よ。エアリスが私のお姉ちゃん」
「その割には似てないな」
エアリスは栗色の髪に翡翠色の瞳。
私は黒髪にマリンブルーの瞳。
顔や性格も、全く違う。
・・・まぁ、それも当然なのだが。
「あなたこそ、どうしてこんな所で迷子になってるの? ソルジャーなんでしょ?」
「元、ソルジャーだ」
「元?」
ということは、ソルジャーを辞めたんだろうか。
・・・なんだか不思議な人。
「じゃあ、今は神羅とは関係ないんだ」
「そうじゃないとエアリスのボディーガードの為にタークスと戦えないだろ?」
「それもそうね」
私は少し笑った。
「だが、なぜ神羅はエアリスを追っているんだ?」
「・・・」
一瞬、返事をためらった。
どこまで話していいんだろう。
・・・というより、彼に話してもいいんだろうか。
「タークスはエアリスのことを古代種と呼んでいた。何のことだ?」
古代種。セトラ。
タークスはエアリスのことをそう呼んでいる。
私は肩を竦めた。
「さあ? 私もさっぱり。古代種が何なのか、聞いても教えてくれないし」
「よほどの理由がないと、タークスは動かない」
「そうでしょうね。大抵の雑用はソルジャーの仕事だろうから。エアリスは神羅にとってとても大切な存在。でも、それ以上のことは分からない」
「・・・なぜ彼女が追われているか知らないのか?」
「そういうこと」
私が知っているのは表向きの理由だけだ。
確か・・・エアリスの協力が人類の繁栄に繋がるとか、何とかかんとか。
古代種? セトラ? 人類の繁栄?
馬鹿馬鹿しい。
そんなこと言われて協力する馬鹿がどこにいると思ってるんだろう。
「ほら、あそこ。あのゲートをくぐったら六番街だよ」
そう言いながら、前方に見えてきた壊れかけのゲートを指差す。
「・・・ん?」
そこに、誰かが立っていた。
思わず目を凝らしてジッと見つめる。
ピンクのワンピースに、赤いジャケット。
まさか・・・。
「エアリス!?」
私は彼女の名を呼びながら駆け寄った。
エアリスは私たちの姿を見つけると、腰に手を当てて睨んでくる。
「お早い出発、ね」
「いや・・・」
クラウドはそう呟きながら、エアリスから目を逸らす。
私は怒るに怒れない気持ちでエアリスを見た。
「エアリス・・・何でここにいるの?」
「それはこっちのセリフ」
エアリスは咎めるような視線を送ってくる。
「わたしに内緒で出て行くなんて酷いじゃない。わたしも一緒にクラウド、送っていくから」
「・・・」
しばしの間を置き、私はため息をついた。
ここから一人で帰らせるくらいなら、一緒にクラウドを送って二人で帰った方がいいだろう。
どうせ駄目だって言ってもついてくるだろうし・・・。
私は諦め半分にクラウドの方を見る。
「言っても聞かないだろうから、エアリスも連れて行くね」
「・・・そうだな」
「そうと決まれば」
エアリスは嬉しそうに笑うと、さっさとゲートをくぐって走り出した。
「早く行きましょ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ、エアリス! 一人で行ったら危ないから・・・!」
私も慌ててエアリスの後を追って走り出す。
後ろから、クラウドのため息が聞こえてきた。
・・・ゴメンね。
私は苦笑いしながら、心の中で呟いた。