教会に咲く花
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「ただいまー」
家のドアを開けると、見慣れない人物が立っていた。
またタークスが来たのかと思い身構えるが、どうやら違うらしい。
・・・いや、この服装は――――。
エアリスが私に気付き、微笑みかけてくる。
「お帰りなさい、ミキ」
「・・・お客さん? 珍しいね」
私は、エアリスの隣に立っている男性をジッと見つめる。
金髪のツンツンした髪型。
背中に背負った巨大な剣。
そして・・・特徴的な、マリンブルーの瞳。
その目を見たとたん、ハッとした。
淡い青色の輝きを秘めた、特徴的な目――――。
間違いない。
彼はソルジャーだ。
でも、どうしてソルジャーがここに?
「彼、クラウドっていうの。わたしのボディーガード」
「ボディーガードって・・・! やっぱり、一人で外に行ってたのね!?」
エアリスは私の反応を見て、しまったというような顔をしている。
あれほど一人で出歩いてはいけないって言ってるのに・・・!
私は腰に手を当て、厳しい表情でエアリスを睨んだ。
「ボディーガードを頼んだってことは、また彼らに追われたんでしょ? いつもいつも言ってるのに、どうして一人で出歩くの? 捕まったら何されるか分からないんだよ?」
「・・・ミキ、ちょっと過保護すぎ」
「そんなことないっ!」
エアリスはシュンとした表情で、こちらを見つめた。
私はため息をつく。
・・・エアリスは神羅の恐ろしさを知らないんだ。
人間をただの実験サンプルとしか思わない、宝条みたいなやつがいることを知らないんだ。
・・・絶対に、エアリスを神羅に渡してはいけない。
本当に、何をされるか分からない。
「ミキ、帰ったのかい?」
「母さん・・・」
台所から母さんが姿を現した。
私は買い物袋を手渡しながら、抗議の声を上げる。
「なんでエアリスを止めてくれなかったの? また危ない目に遭ったみたいじゃない」
「まあ、あんたの気持ちも分かるけどね。でも、今日はクラウドさんがいてくれたから大丈夫だったそうじゃないか。そんなに怒らなくても・・・」
「そういう問題じゃない!」
私は再びため息を吐く。
二人は悠長すぎだ。
エアリスも、何度もタークスに追われて危ない目に遭ってるのに、どうしてこんなに平然と外を出歩けるのだろう。
「ごめんね、クラウド。この怒りっぽい子、ミキっていうの」
「ちょっ・・・! 誰が怒りっぽいのよ!」
「ほら、また怒った」
そう言いながら笑うエアリスを見てると、反論する気も失せてしまった。
私は呆れ気味に肩をすくめると、リビングの椅子に座る。
・・・ソルジャー、か。
頬杖を付きながら、横目でクラウドという人物を見つめた。
エアリスは・・・『彼』の面影を探しているんだろうか。
「ここから七番街スラムは遠いのか? セブンスヘブンっていう店へ行きたいんだ」
「セブンスヘブン?」
「ああ。ティファがやっている店だ。知ってるのか?」
「ううん、知らない。でも・・・ティファって、女の人?」
「? ああ・・・」
「ふ~ん」
「・・・何だ?」
「ううん、何でもない」
「・・・? それで、七番街はここからどうやって行けばいい?」
「う~ん、七番街か・・・。少し遠いけど、だいじょうぶ。明日の朝、わたしが送ってあげる」
「・・・あんたが? またタークスに追われたらどうするんだ」
「だいじょうぶ。慣れてるから」
二人の会話を聞いていた私は、勢いよく椅子から立ち上がった。
七番街まで送っていく?
冗談じゃない・・・!
「大丈夫なわけないでしょ!? ぜーったい、ダメ!」
「いいじゃない、それくらい」
「よくない! 六番街を通らないといけないんだよ!?」
「クラウドがいるもん」
「行きはいいかもしれないけど、帰りはどうするの!?」
「じゃあ、クラウド、一人で行かせるの? わたしのこと、助けてくれた恩人なのに?」
「それは・・・!」
「まあまあ、落ちつきな、二人とも」
母さんがエプロンで手を拭いながらキッチンから出てきた。
「明日の朝、また考えたらいいじゃないか。疲れただろうから、とにかく今日は家に泊まってもらおう。エアリス、二階のベットの用意をしてきておくれ」
「はーい」
エアリスは少し不満げに頬を膨らませながらも、二階へ上がっていった。
六番街はよくモンスターが出てくるし、かなり危険な場所だ。
あんな所にエアリスを行かせるわけにはいかない。
「母さん、絶対エアリスに行かせちゃダメだから」
「・・・そうだね。確かにエアリスに行かせるのは危険だね。それに・・・」
そこで一旦言葉を句切ると、母さんはクラウドを見た。
「あんた、ソルジャーだろ?」
「・・・知ってるのか?」
「昔、ちょっと色々あってね」
母さんは顔を曇らせる。
「・・・クラウドさん。悪いけど、今晩の内にエアリスには内緒で出て行ってくれないかい?」
「ああ、それは構わないが・・・」
「じゃあ、私が送っていく!」
エアリスを助けてもらった恩はあるし、このまま追い出すのはさすがに申し訳ないだろう。
母さんはこちらを見て頷いた。
「そうだね。あんたなら大丈夫だろう」
私も頷き返すと、クラウドの方を向いた。
「私がちゃんと七番街まで案内するから」
「あんたは大丈夫なのか? タークスに追われてるんじゃ・・・」
「私は平気」
そう言いながら微笑む。
エアリスは怒るだろうけど・・・まぁ、大丈夫だろう。
「クラウドー! 上がってきて!」
二階からエアリスの声が聞こえてきた。
部屋の準備が出来たのだろう。
クラウドに頷きかけると、彼は二階へ上がっていった。
母さんは、少し寂しそうな表情でその後ろ姿を見送る。
「ソルジャーなんて・・・。また、エアリスが悲しむだけさ」
「・・・そうだね」
母さんはきっと、五年前の事を思い出してるんだろう。
『彼』がいなくなって悲しみに暮れるエアリスは、本当に見ていられるものじゃなかった。
食事もろくに取らなかったし、大好きな花の手入れもしようとしない。
『彼』が姿を消しただけであんなに悲しんでいたのに、もし先日の事件を知ったら・・・。
考えるだけで、怖かった。
「・・・ミキ、どうしたんだい? 顔色が悪いよ?」
「えっ・・・」
ふと気がつくと、母さんが私の顔を覗き込んでいた。
顔に出てしまっていたのだろうか。
私は慌てて微笑もうとするが・・・上手く、できなかった。
「・・・ううん、なんでもない」
「本当かい? まだ怪我が治ってないんじゃ・・・」
「大丈夫だから」
それだけ言うと、逃げるようにその場を後にして外へ出た。
甘い花の香りが漂ってくる。
・・・しばらく庭にいよう。
そう思い、私は庭の方へ歩いていった。
家のドアを開けると、見慣れない人物が立っていた。
またタークスが来たのかと思い身構えるが、どうやら違うらしい。
・・・いや、この服装は――――。
エアリスが私に気付き、微笑みかけてくる。
「お帰りなさい、ミキ」
「・・・お客さん? 珍しいね」
私は、エアリスの隣に立っている男性をジッと見つめる。
金髪のツンツンした髪型。
背中に背負った巨大な剣。
そして・・・特徴的な、マリンブルーの瞳。
その目を見たとたん、ハッとした。
淡い青色の輝きを秘めた、特徴的な目――――。
間違いない。
彼はソルジャーだ。
でも、どうしてソルジャーがここに?
「彼、クラウドっていうの。わたしのボディーガード」
「ボディーガードって・・・! やっぱり、一人で外に行ってたのね!?」
エアリスは私の反応を見て、しまったというような顔をしている。
あれほど一人で出歩いてはいけないって言ってるのに・・・!
私は腰に手を当て、厳しい表情でエアリスを睨んだ。
「ボディーガードを頼んだってことは、また彼らに追われたんでしょ? いつもいつも言ってるのに、どうして一人で出歩くの? 捕まったら何されるか分からないんだよ?」
「・・・ミキ、ちょっと過保護すぎ」
「そんなことないっ!」
エアリスはシュンとした表情で、こちらを見つめた。
私はため息をつく。
・・・エアリスは神羅の恐ろしさを知らないんだ。
人間をただの実験サンプルとしか思わない、宝条みたいなやつがいることを知らないんだ。
・・・絶対に、エアリスを神羅に渡してはいけない。
本当に、何をされるか分からない。
「ミキ、帰ったのかい?」
「母さん・・・」
台所から母さんが姿を現した。
私は買い物袋を手渡しながら、抗議の声を上げる。
「なんでエアリスを止めてくれなかったの? また危ない目に遭ったみたいじゃない」
「まあ、あんたの気持ちも分かるけどね。でも、今日はクラウドさんがいてくれたから大丈夫だったそうじゃないか。そんなに怒らなくても・・・」
「そういう問題じゃない!」
私は再びため息を吐く。
二人は悠長すぎだ。
エアリスも、何度もタークスに追われて危ない目に遭ってるのに、どうしてこんなに平然と外を出歩けるのだろう。
「ごめんね、クラウド。この怒りっぽい子、ミキっていうの」
「ちょっ・・・! 誰が怒りっぽいのよ!」
「ほら、また怒った」
そう言いながら笑うエアリスを見てると、反論する気も失せてしまった。
私は呆れ気味に肩をすくめると、リビングの椅子に座る。
・・・ソルジャー、か。
頬杖を付きながら、横目でクラウドという人物を見つめた。
エアリスは・・・『彼』の面影を探しているんだろうか。
「ここから七番街スラムは遠いのか? セブンスヘブンっていう店へ行きたいんだ」
「セブンスヘブン?」
「ああ。ティファがやっている店だ。知ってるのか?」
「ううん、知らない。でも・・・ティファって、女の人?」
「? ああ・・・」
「ふ~ん」
「・・・何だ?」
「ううん、何でもない」
「・・・? それで、七番街はここからどうやって行けばいい?」
「う~ん、七番街か・・・。少し遠いけど、だいじょうぶ。明日の朝、わたしが送ってあげる」
「・・・あんたが? またタークスに追われたらどうするんだ」
「だいじょうぶ。慣れてるから」
二人の会話を聞いていた私は、勢いよく椅子から立ち上がった。
七番街まで送っていく?
冗談じゃない・・・!
「大丈夫なわけないでしょ!? ぜーったい、ダメ!」
「いいじゃない、それくらい」
「よくない! 六番街を通らないといけないんだよ!?」
「クラウドがいるもん」
「行きはいいかもしれないけど、帰りはどうするの!?」
「じゃあ、クラウド、一人で行かせるの? わたしのこと、助けてくれた恩人なのに?」
「それは・・・!」
「まあまあ、落ちつきな、二人とも」
母さんがエプロンで手を拭いながらキッチンから出てきた。
「明日の朝、また考えたらいいじゃないか。疲れただろうから、とにかく今日は家に泊まってもらおう。エアリス、二階のベットの用意をしてきておくれ」
「はーい」
エアリスは少し不満げに頬を膨らませながらも、二階へ上がっていった。
六番街はよくモンスターが出てくるし、かなり危険な場所だ。
あんな所にエアリスを行かせるわけにはいかない。
「母さん、絶対エアリスに行かせちゃダメだから」
「・・・そうだね。確かにエアリスに行かせるのは危険だね。それに・・・」
そこで一旦言葉を句切ると、母さんはクラウドを見た。
「あんた、ソルジャーだろ?」
「・・・知ってるのか?」
「昔、ちょっと色々あってね」
母さんは顔を曇らせる。
「・・・クラウドさん。悪いけど、今晩の内にエアリスには内緒で出て行ってくれないかい?」
「ああ、それは構わないが・・・」
「じゃあ、私が送っていく!」
エアリスを助けてもらった恩はあるし、このまま追い出すのはさすがに申し訳ないだろう。
母さんはこちらを見て頷いた。
「そうだね。あんたなら大丈夫だろう」
私も頷き返すと、クラウドの方を向いた。
「私がちゃんと七番街まで案内するから」
「あんたは大丈夫なのか? タークスに追われてるんじゃ・・・」
「私は平気」
そう言いながら微笑む。
エアリスは怒るだろうけど・・・まぁ、大丈夫だろう。
「クラウドー! 上がってきて!」
二階からエアリスの声が聞こえてきた。
部屋の準備が出来たのだろう。
クラウドに頷きかけると、彼は二階へ上がっていった。
母さんは、少し寂しそうな表情でその後ろ姿を見送る。
「ソルジャーなんて・・・。また、エアリスが悲しむだけさ」
「・・・そうだね」
母さんはきっと、五年前の事を思い出してるんだろう。
『彼』がいなくなって悲しみに暮れるエアリスは、本当に見ていられるものじゃなかった。
食事もろくに取らなかったし、大好きな花の手入れもしようとしない。
『彼』が姿を消しただけであんなに悲しんでいたのに、もし先日の事件を知ったら・・・。
考えるだけで、怖かった。
「・・・ミキ、どうしたんだい? 顔色が悪いよ?」
「えっ・・・」
ふと気がつくと、母さんが私の顔を覗き込んでいた。
顔に出てしまっていたのだろうか。
私は慌てて微笑もうとするが・・・上手く、できなかった。
「・・・ううん、なんでもない」
「本当かい? まだ怪我が治ってないんじゃ・・・」
「大丈夫だから」
それだけ言うと、逃げるようにその場を後にして外へ出た。
甘い花の香りが漂ってくる。
・・・しばらく庭にいよう。
そう思い、私は庭の方へ歩いていった。