罠
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「母さん、ミキは?」
台所にひょっこりと顔を出し、エアリスは尋ねた。
母さんはエプロンで手を拭きながらリビングへ出てくる。
「さっき買い物を頼んだよ。どうかしたのかい?」
「教会に花の手入れに行くつもりだから、一応言っておいた方がいいかなって思って」
ミキはとても心配性だ。
わたしが一人で外へ行くとすごく怒る。
「教会へ行くのかい? だったら、ミキと一緒の方が・・・」
「だいじょうぶ。ミキ、まだ本調子じゃないだろうから」
そう言いながら微笑むが、母さんは暗い表情を見せた。
「でも、また神羅に追われたら・・・」
「わたし一人で振り切るよ」
いつもミキに助けてもらってばかり。
わたしだって一人で逃げるくらいは出来る。
それに――――ミキはまだきっと、怪我が治りきっていない。
もう大丈夫な風を装ってるけど、さすがのミキもあんな怪我が一週間ちょっとで治るわけがない。
「・・・ミキ、どうしたんだろうね」
「怪我のことかい?」
「うん」
一週間と少し前。
ミキは一人でどこかへ出て行って、それから丸一日帰ってこなかった。
心配して待っていたら、死んでしまってもおかしくないくらいの重傷を負って帰ってきた。
どこへ行ったのか、どうして怪我をしたのかを聞いても、何も答えてくれない。
・・・ミキはすごく強い。
だから、あんな大怪我をするなんて、信じられなかった。
「何度聞いても答えてくれないからねぇ・・・。よほど言いたくないことなんだろうさ」
母さんも心配そうに言う。
ミキが言いたくないなら、無理矢理聞くわけにもいかない。
でも、何も話してくれないのが――――少し、寂しかった。
「じゃあ、行ってきます」
わたしは玄関へと歩き出す。
「気をつけるんだよ」
後ろからかけられた言葉に振り返って母さんを見ると、小さく微笑だ。
台所にひょっこりと顔を出し、エアリスは尋ねた。
母さんはエプロンで手を拭きながらリビングへ出てくる。
「さっき買い物を頼んだよ。どうかしたのかい?」
「教会に花の手入れに行くつもりだから、一応言っておいた方がいいかなって思って」
ミキはとても心配性だ。
わたしが一人で外へ行くとすごく怒る。
「教会へ行くのかい? だったら、ミキと一緒の方が・・・」
「だいじょうぶ。ミキ、まだ本調子じゃないだろうから」
そう言いながら微笑むが、母さんは暗い表情を見せた。
「でも、また神羅に追われたら・・・」
「わたし一人で振り切るよ」
いつもミキに助けてもらってばかり。
わたしだって一人で逃げるくらいは出来る。
それに――――ミキはまだきっと、怪我が治りきっていない。
もう大丈夫な風を装ってるけど、さすがのミキもあんな怪我が一週間ちょっとで治るわけがない。
「・・・ミキ、どうしたんだろうね」
「怪我のことかい?」
「うん」
一週間と少し前。
ミキは一人でどこかへ出て行って、それから丸一日帰ってこなかった。
心配して待っていたら、死んでしまってもおかしくないくらいの重傷を負って帰ってきた。
どこへ行ったのか、どうして怪我をしたのかを聞いても、何も答えてくれない。
・・・ミキはすごく強い。
だから、あんな大怪我をするなんて、信じられなかった。
「何度聞いても答えてくれないからねぇ・・・。よほど言いたくないことなんだろうさ」
母さんも心配そうに言う。
ミキが言いたくないなら、無理矢理聞くわけにもいかない。
でも、何も話してくれないのが――――少し、寂しかった。
「じゃあ、行ってきます」
わたしは玄関へと歩き出す。
「気をつけるんだよ」
後ろからかけられた言葉に振り返って母さんを見ると、小さく微笑だ。