失いたくない光
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一向に表情は増えないものの、私は少しずつみんなと一緒にいられるようになった。
今までみんなを避けるように生活していた私にとって、これは大きな前進だ。
そして、それと同時に、みんなの優しさにも気付くようになってきた。
みんな、私のことをとても心配してくれていたんだ。
なのに、私は全然気付いていなかった。
気付こうともしなかった。
他人のことを考えるだけの余裕がなかったのかもしれない。
ずっと苦しみを溜め込み、外にはき出すこともせず、一人で耐えていたのだから。
私は、弱い人間だと思う。
他人に弱みを見せることが怖かった。
だから、強くなろうとして・・・でも、なれなくて―――苦しんでいた。
でも、数ヶ月前、ミニーの前で泣いてから少し楽になった。
涙は悪い物だとばかり思っていたが、そうでもないのかもしれない。
あの出来事から、『涙』の存在に気付くことが出来た。
きっとまだ、私が気付いていない感情がたくさんある。
知ってはいるが、理解していない・・・そんな気持ちだって沢山あるはずだ。
それに気付くためには、実際にその感情を感じてみるしかない。
前に王様が言っていたように、沢山の場面に出会っていくしかないんだ。
だから、私は決めた。
あの日。レイディアントガーデンを飛び出した日。
王様の船で見た数え切れないほど沢山の世界。
そこへ、旅立とうと。
ここにいるだけでは、心は取り戻せない。
だから、旅をしようと決めた。
私は今まで書いていた手紙をもう一度読み直すと、ペンを置き、封筒に入れた。
封筒の表には、『ミッキーとミニー、そして城のみんなへ』と書いておく。
みんなには悪いが、黙って出て行くことにしたのだ。
私は立ち上がると、ゆっくりと部屋の中を見渡した。
・・・ここで過ごした1年は、とても大切なものだった。
きっと、忘れない。
この先、何があっても・・・。
「絶対、また来るから・・・帰ってくるから」
私は呟くと、右腕を前へと突き出した。
目を閉じ、神経を右手の平へと集中させる。
すると、徐々に黒い靄のような物がそこに現れた。
それは少しずつ大きくなってゆき、最後には人一人が優に入れるであろう大きさへと膨張する。
これは、闇の力で創り出した通路だ。
王様はこれを、『闇の回廊』と呼んでいた。
普通の人には扱えない通路だが、私はとても闇に近い存在なので自由に扱えるらしい。
私はもう一度だけ、その景色を目に焼き付けるように部屋の中を見渡すと、闇の回廊へと足を踏み入れた。
私に沢山の勇気や希望を与えてくれたミッキーやミニー達のためにも、必ず・・・必ず、心を取り戻してみせる。
そして、ここへ帰ってこよう。
―――私は信じている。
いつの日か、みんなに笑顔で、「ただいま!」って言える日が来ることを。
今までみんなを避けるように生活していた私にとって、これは大きな前進だ。
そして、それと同時に、みんなの優しさにも気付くようになってきた。
みんな、私のことをとても心配してくれていたんだ。
なのに、私は全然気付いていなかった。
気付こうともしなかった。
他人のことを考えるだけの余裕がなかったのかもしれない。
ずっと苦しみを溜め込み、外にはき出すこともせず、一人で耐えていたのだから。
私は、弱い人間だと思う。
他人に弱みを見せることが怖かった。
だから、強くなろうとして・・・でも、なれなくて―――苦しんでいた。
でも、数ヶ月前、ミニーの前で泣いてから少し楽になった。
涙は悪い物だとばかり思っていたが、そうでもないのかもしれない。
あの出来事から、『涙』の存在に気付くことが出来た。
きっとまだ、私が気付いていない感情がたくさんある。
知ってはいるが、理解していない・・・そんな気持ちだって沢山あるはずだ。
それに気付くためには、実際にその感情を感じてみるしかない。
前に王様が言っていたように、沢山の場面に出会っていくしかないんだ。
だから、私は決めた。
あの日。レイディアントガーデンを飛び出した日。
王様の船で見た数え切れないほど沢山の世界。
そこへ、旅立とうと。
ここにいるだけでは、心は取り戻せない。
だから、旅をしようと決めた。
私は今まで書いていた手紙をもう一度読み直すと、ペンを置き、封筒に入れた。
封筒の表には、『ミッキーとミニー、そして城のみんなへ』と書いておく。
みんなには悪いが、黙って出て行くことにしたのだ。
私は立ち上がると、ゆっくりと部屋の中を見渡した。
・・・ここで過ごした1年は、とても大切なものだった。
きっと、忘れない。
この先、何があっても・・・。
「絶対、また来るから・・・帰ってくるから」
私は呟くと、右腕を前へと突き出した。
目を閉じ、神経を右手の平へと集中させる。
すると、徐々に黒い靄のような物がそこに現れた。
それは少しずつ大きくなってゆき、最後には人一人が優に入れるであろう大きさへと膨張する。
これは、闇の力で創り出した通路だ。
王様はこれを、『闇の回廊』と呼んでいた。
普通の人には扱えない通路だが、私はとても闇に近い存在なので自由に扱えるらしい。
私はもう一度だけ、その景色を目に焼き付けるように部屋の中を見渡すと、闇の回廊へと足を踏み入れた。
私に沢山の勇気や希望を与えてくれたミッキーやミニー達のためにも、必ず・・・必ず、心を取り戻してみせる。
そして、ここへ帰ってこよう。
―――私は信じている。
いつの日か、みんなに笑顔で、「ただいま!」って言える日が来ることを。