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西にはDyticaだけではなく、単独で動いている者もいる。
比奈:「ヤバいな…」
本部への通信機器も壊れてしまって、敵に腹部を刺されて出血が酷い。
比奈は人気がない場所までなんとか移動し、座り込んだ。
比奈:「オトモ…」
比奈のオトモはハスキー犬のような姿をしている。
流石のオトモでも、ここまで負傷するとどうすることも出来ないようで、心配そうに比奈の横に来た。
比奈:「今度はさ…こんな危険なオトモにならないで…平和な家庭とかのオトモになってね。」
比奈は、息絶え絶えにそう伝えた。
オトモは悲しそうな顔をして、顔をペロッと舐めた。
比奈:「オトモ…」
比奈は、オトモの頭を一撫ですると、パタリと脱力して目を閉じてしまった。
オトモ:「オオーン」
伊波:「皆は、本部報告の後ってすぐ帰るの?」
小柳:「帰るだろ。」
星導:「夜に配信しようかと思ってます。」
叢雲:「僕も配信しようかな。」
そんな話をしながら本部への道を歩いていると、キューブに入っていた小柳のオトモが突然出てきた。
伊波:「びっくりした!」
小柳:「今の…気のせいじゃないよな。」
星導:「どうかしましたか?」
小柳のオトモが頷き、フヨフヨと飛び出した。
小柳:「急ぐぞ。」
小柳もオトモに次いで走り出した。
叢雲:「どないしたんや!」
小柳:「お前ら、先に帰っててもいい。」
伊波:「ちょっと、ロウ!」
訳も分からず3人は小柳に付いて行った。
小柳:「ハァハァ…どこだ。もう一回鳴いてくれたら。」
星導:「いったいどうしたんですか?」
“オオーン”
伊波:「何だ?遠吠えか?」
叢雲:「狼の仲間か?」
呑気な3人を他所に、小柳とオトモは鳴き声のする方へ走っていった。
小柳:「いた。おい!大丈夫か!!」
小柳が目にしたのは、座り込んだ比奈と、その周りをウロウロしている比奈のオトモの姿だった。
伊波:「えっ!?比奈ちゃん?」
叢雲:「どないしたんや!」
星導:「俺、本部に連絡します。救護班依頼しますね。」
小柳:「おい!しっかりしろ!!」
比奈:「…ロウ…」
少し目を開けて、聞こえるか聞こえないかの声で、小柳の名前を呼んだが、すぐに目を閉じてしまった。
小柳:「俺だ。おい、寝るな!」
伊波:「一先ず止血しよう。簡易的な包帯ならあるから。」
伊波が患部の止血を試みた。
星導:「向こうの大通りに救護班が来てくれるそうです。」
伊波:「じゃあ、そっちに移動しよう。」
星導:「俺が抱えましょうか。」
小柳:「いや。俺が連れていく。」
小柳が比奈を背負った。
小柳:「今連れて帰ってやるから、しっかり意識持て。」
比奈:「ロウ」
小柳:「何だ?」
比奈:「オトモ…よろしくね。もう、戦わなくていい所で…平和に暮らしてほしい…から」
小柳:「何言ってんだ。お前のオトモなんだから、一生お前と一緒だろうが。」
比奈:「ロウ」
小柳:「w何だよ。」
比奈:「今まで…ありがとね。」
小柳:「何言ってんだよ。今日で終わりみたいな言い方すんな。」
それから、比奈が言葉を発する事はなかった。
すでに救護班が待機されており、比奈は運ばれて行った。
それから4人と比奈のオトモは、本部へと戻った。
本部長:「君たち、お疲れ。」
伊波:「お疲れ様です。」
本部長:「その子が彼女のオトモかね?」
星導:「そうですけど、何か?」
本部長:「その子には眠ってもらう。」
叢雲:「どういう事や?」
本部長:「主人のいない子は、新しい主人となる人が見つかるまで眠ってもらう決まりになっておる。」
小柳:「主人のいないって…こいつの主人は比奈だろうが。」
本部長:「彼女は当分任務に就く事は出来ないだろう。なので、新しい主人を探して、オトモになって貰う。」
星導:「そんなのおかしいじゃないですか!比奈さんは生きてるんです。それじゃあまるで死んだような言い方じゃないですか!」
叢雲:「勝手に引きはがすなんて、オトモが可哀そうやで!」
小柳は、横にいた比奈のオトモの前にしゃがんで話しかけた。
小柳:「お前はどうしたいんだよ?比奈の帰りを待つのか、新しい主人の元に行くのか。」
比奈のオトモは小柳達の後ろへ隠れるようにして、伏せた。
伊波:「どうやら、この子も比奈さんを待つそうですが?」
結局、1週間猶予を与えられた。
4人とオトモはDyticaの待機所に戻った。
星導:「そういえば、何で比奈さんがあそこで倒れてるって分かったんですか?」
小柳:「あれか。聞こえたんだよ。」
伊波:「聞こえた?」
小柳:「こいつが助けを求めている声がな。」
叢雲:「オトモが?」
伊波:「そういえば、途中で遠吠えみたいな声したよね?」
叢雲:「あれ、こいつの声やったんか?」
星導:「この子、いつも大人しいですけど、吠えるんですね。」
それから少しして、伊波と叢雲は帰った。
星導:「あなたは帰らないんですか?」
小柳:「あぁ、もう少しここにいる。」
しばらくすると、救護員がやってきた。
救護員:「処置は終わりました。」
小柳:「面会は?」
救護員:「できます…が、意識は戻ってない状態です。」
星導:「勿論行きますよね?」
小柳:「当たり前だ。行くぞ。」
病室に入ると、比奈が静かに眠っていた。
比奈のオトモが駆け寄り、前足をベッドに乗り上げて、スンスンと鼻を近づけペロリと頬を舐めた。
しかし比奈の反応は無かった。
それを見たオトモは寂しそうに降りて、ベッドの横に伏せてしまった。
小柳:「おい、いつまで寝てんだよ。」
小柳も比奈の元に歩み寄り、手の甲を比奈の頬に当てた。
顔色が悪く正直生きているか不安だった。
小柳:「おい…何とか言えよ…」
悲しげに呟いた一言を聞いて、星導は胸が締め付けられるような思いがした。
+++++
あれからもうすぐ1週間になる。
まだ比奈は意識を取り戻していない。
叢雲:「なぁ、もうすぐ1週間になるんじゃねぇ?」
伊波:「あぁ、比奈ちゃんか。まだ意識ないんでしょ?」
叢雲:「オトモ、どうなってしまうんやろうか?もし、僕がオトモと離れ離れになるとかやったら、耐えられへんわ。」
伊波:「猶予伸ばしてもらえないか掛け合ってみようか。」
星導:「…一緒にいる事が本当に2人が望んでいる事なんでしょうか?」
叢雲:「どういう事や?」
星導:「彼女、小柳くんに担がれていた時に言ってたんです。」
伊波:「何て?」
星導:「オトモは危険な目に合わない人のオトモになって欲しいって。」
伊波:「だから、オトモは比奈ちゃんと離れ離れになっても良いって事?」
叢雲:「比奈さんのオトモは確かに彼女の元にいたいって意思をみせとるんや。離れさせて良いって事にはならんやろ。」
星導:「まぁ、それはそうなんですけどね。」
伊波:「てか、小柳どこいった?」
星導:「おそらく病室でしょうね。」
叢雲:「僕さぁ、本人には絶対に言わんけど、アイツの事も心配なんよね。」
伊波:「だって、ずっと元気ないもんね。」
星導:「俺、ちょっと様子みてきます。」
星導は比奈がいる病室へと向かった。
床で伏せて寝ているオトモ、そしてベッドの横に座り比奈の頭を撫でている小柳の姿があった。
小柳:「なぁ、星導。」
中に入るや否や、星導の方には一切向かずに名前を呼んだ。
星導:「何ですか?」
小柳:「何で皆、俺を置いていなくなるんだろうな…」
星導:「小柳くん…」
小柳:「ハハッ…長寿ってのも残酷だよな。」
星導:「やめて下さいよ。比奈さん、死んだ訳じゃないんですから。」
小柳:「そうなんだけどな…悪い。」
いつも強気な小柳が、こんなに不安や寂しいといった言動を見て、星導は心配になった。
小柳:「伊波も、カゲツも…星導だって、いつかは俺をおいていなくなる。」
星導:「俺はいなくならないですよ。記憶が無くなるかもしれませんけどね。wそれに、あなたは長寿であって不死ではないんでしょ?逆に小柳くんの方が先にいなくなるかもですよ?」
小柳:「俺はそんなヤワじゃねぇよ。w」
そんな話をしていると、薄っすらと比奈の目が開いた。
小柳:「はっ、比奈!」
比奈:「ロウ?私…死んだんじゃ…」
小柳:「死んでねぇよ。バカ。」
その声を聴いて、ずっと伏せていたオトモが起きてベッドに飛び乗った。
小柳:「おい!ベッドに乗るんじゃねぇ。」
小柳の制止を無視し、比奈の顔をペロペロと舐めた。
比奈:「オトモw 新しい主さんの所に行かなかったの?」
小柳:「コイツはお前のオトモだろうが。お前が最後まで面倒見るんだよ。」
比奈はオトモにゴメンね、ありがとうと優しく撫でた。
すると、安心したのか落ち着いたようで、ベッドから降りた。
比奈:「ロウもゴメン。」
ロウ:「何故謝る?」
比奈:「私に術を使ってくれてたんでしょ?」
星導:「術?」
比奈:「私を回復されるように。」
ロウ:「っく…あぁ。」
比奈:「私なんかの為にありがとうね。もう大丈夫。ゆっくり休んで。」
星導:「だから最近元気が無かったんですね。術を使っているから。」
ロウ:「うるさい。さっさと医者を呼んで来い。」
星導:「分かりましたよ。あと、カゲツ達にも伝えてきます。アイツらも心配してたから。」
比奈:「ありがとう。」
星導が出ていくと、小柳は比奈の手を強く握った。
比奈:「ロウ?」
小柳:「俺をおいていなくなるんじゃねぇぞ。」
比奈:「フフフっw善処します。」
小柳:「頼むわ。」
それから数日で、比奈は完全に回復し、任務に復帰する事となった。
伊波:「あれ?比奈ちゃん?」
比奈:「あっ、ディティカの皆。お疲れ!」
伊波:「もう任務復帰したの?」
比奈:「うん!今から森で敵が市民を襲っているって通報あったから行ってくる。」
叢雲:「気をつけてな。」
比奈:「ありがとう!じゃあね。」
走り出そうとしたら、小柳が比奈の腕を掴んだ。
比奈:「え?」
小柳:「俺も行く。」
伊波:「小柳も?」
比奈:「ロウは任務終わって帰ってきたんでしょ?4人が扱うような1級の敵じゃないらしいから大丈夫だよ。」
小柳:「別に良いだろ。皆で行った方が早く片付く。」
星導:「俺らも行くんですか!?」
小柳:「さっさと行くぞ!」
指示された地点には、数体の敵がいた。
小柳:「俺らで敵を倒す。比奈は市民の避難を。」
比奈:「分かった。」
小柳:「行くぞ!抜刀!!」
比奈の言った通り、4人が普段相手にするような強敵では無く、比奈だけでも十分に倒せるような敵で、4人であっという間に倒した。
叢雲:「絶対俺らいらんかったって。」
星導:「確かに。1人で十分でしたね。」
伊波:「でもさ、比奈ちゃんがこれ以上傷つくの見たくないんだよね?小柳?ww」
小柳:「はっ。うるせぇな。」
星導:「おや?図星ですか?」
小柳:「だまれよ!w」
比奈:「ありがとう。皆。市民も無事だし、任務完了の報告も終わったよ。」
小柳:「お前はあんま無茶すんじゃねぇぞ。」
比奈:「うん。気を付ける。」
小柳:「まぁ、どこにいてもお前を見つけて救い出してやるよ。」
比奈:「ヤバいな…」
本部への通信機器も壊れてしまって、敵に腹部を刺されて出血が酷い。
比奈は人気がない場所までなんとか移動し、座り込んだ。
比奈:「オトモ…」
比奈のオトモはハスキー犬のような姿をしている。
流石のオトモでも、ここまで負傷するとどうすることも出来ないようで、心配そうに比奈の横に来た。
比奈:「今度はさ…こんな危険なオトモにならないで…平和な家庭とかのオトモになってね。」
比奈は、息絶え絶えにそう伝えた。
オトモは悲しそうな顔をして、顔をペロッと舐めた。
比奈:「オトモ…」
比奈は、オトモの頭を一撫ですると、パタリと脱力して目を閉じてしまった。
オトモ:「オオーン」
伊波:「皆は、本部報告の後ってすぐ帰るの?」
小柳:「帰るだろ。」
星導:「夜に配信しようかと思ってます。」
叢雲:「僕も配信しようかな。」
そんな話をしながら本部への道を歩いていると、キューブに入っていた小柳のオトモが突然出てきた。
伊波:「びっくりした!」
小柳:「今の…気のせいじゃないよな。」
星導:「どうかしましたか?」
小柳のオトモが頷き、フヨフヨと飛び出した。
小柳:「急ぐぞ。」
小柳もオトモに次いで走り出した。
叢雲:「どないしたんや!」
小柳:「お前ら、先に帰っててもいい。」
伊波:「ちょっと、ロウ!」
訳も分からず3人は小柳に付いて行った。
小柳:「ハァハァ…どこだ。もう一回鳴いてくれたら。」
星導:「いったいどうしたんですか?」
“オオーン”
伊波:「何だ?遠吠えか?」
叢雲:「狼の仲間か?」
呑気な3人を他所に、小柳とオトモは鳴き声のする方へ走っていった。
小柳:「いた。おい!大丈夫か!!」
小柳が目にしたのは、座り込んだ比奈と、その周りをウロウロしている比奈のオトモの姿だった。
伊波:「えっ!?比奈ちゃん?」
叢雲:「どないしたんや!」
星導:「俺、本部に連絡します。救護班依頼しますね。」
小柳:「おい!しっかりしろ!!」
比奈:「…ロウ…」
少し目を開けて、聞こえるか聞こえないかの声で、小柳の名前を呼んだが、すぐに目を閉じてしまった。
小柳:「俺だ。おい、寝るな!」
伊波:「一先ず止血しよう。簡易的な包帯ならあるから。」
伊波が患部の止血を試みた。
星導:「向こうの大通りに救護班が来てくれるそうです。」
伊波:「じゃあ、そっちに移動しよう。」
星導:「俺が抱えましょうか。」
小柳:「いや。俺が連れていく。」
小柳が比奈を背負った。
小柳:「今連れて帰ってやるから、しっかり意識持て。」
比奈:「ロウ」
小柳:「何だ?」
比奈:「オトモ…よろしくね。もう、戦わなくていい所で…平和に暮らしてほしい…から」
小柳:「何言ってんだ。お前のオトモなんだから、一生お前と一緒だろうが。」
比奈:「ロウ」
小柳:「w何だよ。」
比奈:「今まで…ありがとね。」
小柳:「何言ってんだよ。今日で終わりみたいな言い方すんな。」
それから、比奈が言葉を発する事はなかった。
すでに救護班が待機されており、比奈は運ばれて行った。
それから4人と比奈のオトモは、本部へと戻った。
本部長:「君たち、お疲れ。」
伊波:「お疲れ様です。」
本部長:「その子が彼女のオトモかね?」
星導:「そうですけど、何か?」
本部長:「その子には眠ってもらう。」
叢雲:「どういう事や?」
本部長:「主人のいない子は、新しい主人となる人が見つかるまで眠ってもらう決まりになっておる。」
小柳:「主人のいないって…こいつの主人は比奈だろうが。」
本部長:「彼女は当分任務に就く事は出来ないだろう。なので、新しい主人を探して、オトモになって貰う。」
星導:「そんなのおかしいじゃないですか!比奈さんは生きてるんです。それじゃあまるで死んだような言い方じゃないですか!」
叢雲:「勝手に引きはがすなんて、オトモが可哀そうやで!」
小柳は、横にいた比奈のオトモの前にしゃがんで話しかけた。
小柳:「お前はどうしたいんだよ?比奈の帰りを待つのか、新しい主人の元に行くのか。」
比奈のオトモは小柳達の後ろへ隠れるようにして、伏せた。
伊波:「どうやら、この子も比奈さんを待つそうですが?」
結局、1週間猶予を与えられた。
4人とオトモはDyticaの待機所に戻った。
星導:「そういえば、何で比奈さんがあそこで倒れてるって分かったんですか?」
小柳:「あれか。聞こえたんだよ。」
伊波:「聞こえた?」
小柳:「こいつが助けを求めている声がな。」
叢雲:「オトモが?」
伊波:「そういえば、途中で遠吠えみたいな声したよね?」
叢雲:「あれ、こいつの声やったんか?」
星導:「この子、いつも大人しいですけど、吠えるんですね。」
それから少しして、伊波と叢雲は帰った。
星導:「あなたは帰らないんですか?」
小柳:「あぁ、もう少しここにいる。」
しばらくすると、救護員がやってきた。
救護員:「処置は終わりました。」
小柳:「面会は?」
救護員:「できます…が、意識は戻ってない状態です。」
星導:「勿論行きますよね?」
小柳:「当たり前だ。行くぞ。」
病室に入ると、比奈が静かに眠っていた。
比奈のオトモが駆け寄り、前足をベッドに乗り上げて、スンスンと鼻を近づけペロリと頬を舐めた。
しかし比奈の反応は無かった。
それを見たオトモは寂しそうに降りて、ベッドの横に伏せてしまった。
小柳:「おい、いつまで寝てんだよ。」
小柳も比奈の元に歩み寄り、手の甲を比奈の頬に当てた。
顔色が悪く正直生きているか不安だった。
小柳:「おい…何とか言えよ…」
悲しげに呟いた一言を聞いて、星導は胸が締め付けられるような思いがした。
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あれからもうすぐ1週間になる。
まだ比奈は意識を取り戻していない。
叢雲:「なぁ、もうすぐ1週間になるんじゃねぇ?」
伊波:「あぁ、比奈ちゃんか。まだ意識ないんでしょ?」
叢雲:「オトモ、どうなってしまうんやろうか?もし、僕がオトモと離れ離れになるとかやったら、耐えられへんわ。」
伊波:「猶予伸ばしてもらえないか掛け合ってみようか。」
星導:「…一緒にいる事が本当に2人が望んでいる事なんでしょうか?」
叢雲:「どういう事や?」
星導:「彼女、小柳くんに担がれていた時に言ってたんです。」
伊波:「何て?」
星導:「オトモは危険な目に合わない人のオトモになって欲しいって。」
伊波:「だから、オトモは比奈ちゃんと離れ離れになっても良いって事?」
叢雲:「比奈さんのオトモは確かに彼女の元にいたいって意思をみせとるんや。離れさせて良いって事にはならんやろ。」
星導:「まぁ、それはそうなんですけどね。」
伊波:「てか、小柳どこいった?」
星導:「おそらく病室でしょうね。」
叢雲:「僕さぁ、本人には絶対に言わんけど、アイツの事も心配なんよね。」
伊波:「だって、ずっと元気ないもんね。」
星導:「俺、ちょっと様子みてきます。」
星導は比奈がいる病室へと向かった。
床で伏せて寝ているオトモ、そしてベッドの横に座り比奈の頭を撫でている小柳の姿があった。
小柳:「なぁ、星導。」
中に入るや否や、星導の方には一切向かずに名前を呼んだ。
星導:「何ですか?」
小柳:「何で皆、俺を置いていなくなるんだろうな…」
星導:「小柳くん…」
小柳:「ハハッ…長寿ってのも残酷だよな。」
星導:「やめて下さいよ。比奈さん、死んだ訳じゃないんですから。」
小柳:「そうなんだけどな…悪い。」
いつも強気な小柳が、こんなに不安や寂しいといった言動を見て、星導は心配になった。
小柳:「伊波も、カゲツも…星導だって、いつかは俺をおいていなくなる。」
星導:「俺はいなくならないですよ。記憶が無くなるかもしれませんけどね。wそれに、あなたは長寿であって不死ではないんでしょ?逆に小柳くんの方が先にいなくなるかもですよ?」
小柳:「俺はそんなヤワじゃねぇよ。w」
そんな話をしていると、薄っすらと比奈の目が開いた。
小柳:「はっ、比奈!」
比奈:「ロウ?私…死んだんじゃ…」
小柳:「死んでねぇよ。バカ。」
その声を聴いて、ずっと伏せていたオトモが起きてベッドに飛び乗った。
小柳:「おい!ベッドに乗るんじゃねぇ。」
小柳の制止を無視し、比奈の顔をペロペロと舐めた。
比奈:「オトモw 新しい主さんの所に行かなかったの?」
小柳:「コイツはお前のオトモだろうが。お前が最後まで面倒見るんだよ。」
比奈はオトモにゴメンね、ありがとうと優しく撫でた。
すると、安心したのか落ち着いたようで、ベッドから降りた。
比奈:「ロウもゴメン。」
ロウ:「何故謝る?」
比奈:「私に術を使ってくれてたんでしょ?」
星導:「術?」
比奈:「私を回復されるように。」
ロウ:「っく…あぁ。」
比奈:「私なんかの為にありがとうね。もう大丈夫。ゆっくり休んで。」
星導:「だから最近元気が無かったんですね。術を使っているから。」
ロウ:「うるさい。さっさと医者を呼んで来い。」
星導:「分かりましたよ。あと、カゲツ達にも伝えてきます。アイツらも心配してたから。」
比奈:「ありがとう。」
星導が出ていくと、小柳は比奈の手を強く握った。
比奈:「ロウ?」
小柳:「俺をおいていなくなるんじゃねぇぞ。」
比奈:「フフフっw善処します。」
小柳:「頼むわ。」
それから数日で、比奈は完全に回復し、任務に復帰する事となった。
伊波:「あれ?比奈ちゃん?」
比奈:「あっ、ディティカの皆。お疲れ!」
伊波:「もう任務復帰したの?」
比奈:「うん!今から森で敵が市民を襲っているって通報あったから行ってくる。」
叢雲:「気をつけてな。」
比奈:「ありがとう!じゃあね。」
走り出そうとしたら、小柳が比奈の腕を掴んだ。
比奈:「え?」
小柳:「俺も行く。」
伊波:「小柳も?」
比奈:「ロウは任務終わって帰ってきたんでしょ?4人が扱うような1級の敵じゃないらしいから大丈夫だよ。」
小柳:「別に良いだろ。皆で行った方が早く片付く。」
星導:「俺らも行くんですか!?」
小柳:「さっさと行くぞ!」
指示された地点には、数体の敵がいた。
小柳:「俺らで敵を倒す。比奈は市民の避難を。」
比奈:「分かった。」
小柳:「行くぞ!抜刀!!」
比奈の言った通り、4人が普段相手にするような強敵では無く、比奈だけでも十分に倒せるような敵で、4人であっという間に倒した。
叢雲:「絶対俺らいらんかったって。」
星導:「確かに。1人で十分でしたね。」
伊波:「でもさ、比奈ちゃんがこれ以上傷つくの見たくないんだよね?小柳?ww」
小柳:「はっ。うるせぇな。」
星導:「おや?図星ですか?」
小柳:「だまれよ!w」
比奈:「ありがとう。皆。市民も無事だし、任務完了の報告も終わったよ。」
小柳:「お前はあんま無茶すんじゃねぇぞ。」
比奈:「うん。気を付ける。」
小柳:「まぁ、どこにいてもお前を見つけて救い出してやるよ。」
