足抜けしたとはいえ、殺さないにしても戦闘しないといけない任務もある。
任務完了しても、気持ちが切り替わらず殺気立ってる事も。
いつも一緒にいるメンバーでさえ、そんな時は話しかけたりせずに、そっとしておく程なのに…

美弥：「セラフくん！任務お疲れ様。」
セラフ：「…ん。」

四季凪の事務所に、セラフを迎えに来た美弥が、ニコニコして彼にそう言ってきた。

四季凪：「あっ…今は…」

そっとしておいた方が良いと言おうとしたが…
彼女はお構いなしな様子で、ソファーの後ろに回った。
そして、そっとセラフの頭に手を伸ばす。
いつものセラフなら、手を払いのける筈なので、彼女が驚かないようにフォローの言葉を四季凪は必死に考えていた。

美弥：「お疲れ様。頑張ったね。」

今度は優しい声でそう言いながら、頭をポンポンと優しく撫でた。

セラフ：「美弥。」
美弥：「ん？」
セラフ：「こっち。」

セラフは座っている自分の前を指さした。
美弥は何も言わずに指さされた場所に立った。

何を考えているのか、四季凪は全く理解出来なかった。
今までのセラフとは何か違うように感じたからだ。
だから、ただ黙って見守っていた。

美弥が自分の前に立ったのをチラッと目で確認すると、スッと立ち上がった。
そして、何も言わずに美弥を抱きしめた。

美弥：「おかえり、セラフ。」
セラフ：「…ただいま。」

セラフは、美弥に顔を埋めて、スーッと大きく深呼吸をした。
美弥の匂いをセラフは思いっきり吸い込んだ。

四季凪：「セラ夫…」

今までの殺気が、見る見るうちに消えていった。
四季凪は驚いていた。

セラフ：「腹減った。」
四季凪：「さっきまでの殺気はどこへ…？」
美弥：「ｗｗ　じゃあ、セラフくんの好きなアレ作ろうか？」
セラフ：「マジ？やったぁ～。」