セラフ：『美弥ちゃん、明日って予定ある？』
美弥：『朝一に授業があるけど、それ以外はないよ。』
セラフ：『たしか、オンライン授業だったよね？』
美弥：『そう。』
セラフ：『明後日は？』
美弥：『特にないよ。どうかしたの？』
セラフ：『暇ならさぁ、遊びに来ない？』
美弥：『うん！』

美弥が引っ越して数日後。
セラフが美弥にメッセージを送っていた。

当日。

美弥：「わざわざ迎えに来てくれなくても、行ったのに。」
セラフ：「また、敵に狙われたら困るでしょ？」
美弥：「まだ、狙ってるのかなぁ？」
セラフ：「油断は禁物ですよ。」
美弥：「確かに…」

それから、セラフの家で特に何をするでもなく、ダラダラと過ごした。
まぁ、何かしたかと言えば、一緒に夕食を作って食べた位だ。

夕食の片付けをしていると、後ろのソファーに座っているセラフが、ボソッと呟いた。

セラフ：「やっと戻った…」
美弥：「何が？」
セラフ：「あれ？聞こえてた？」
美弥：「うん。何が戻ったの？」
セラフ：「何だか最近落ち着かなくてさ。」
美弥：「最近？」
セラフ：「部屋がめっちゃ静かなの。」
美弥：「あぁ、私がいなくなったから？」
セラフ：「静かすぎて落ち着かなくなっちゃったｗ」

美弥がコーヒーを淹れて、セラフの隣に座った。

セラフ：「ありがと。」
美弥：「確かに、落ち着くね。」
セラフ：「…ねぇ、美弥。」
美弥：「ん？…っ」

急に名前を呼ばれ振り向いたら、キスをされた。

セラフ：「ゴメン。自分からしないって言ったけど、美弥には無理かも。」

美弥の後頭部に手をまわしてそう言われた。

美弥：「セラ…」
セラフ：「美弥に触れていたい。今までこんな気持ちになった事ないのに。」

セラフは、自分の気持ちに戸惑っているような、でも凄く美弥が愛しいというような表情をしている。

美弥：「嬉しい。私もセラが側にいるの幸せ。」
セラフ：「もう、そんな事言わないで。気持ちがおかしくなるから。」
美弥：「っ…」

もう一度セラフがキスをしてきた。
今度は深いキス。

＋＋＋＋＋

ベッドで2人して微睡んでいると

美弥：「ねぇ、セラフくん。」
セラフ：「何？」
美弥：「言いたく無かったら、言わなくて良いけど、自分から触れないってのは、何かあったの？」

セラフは少し悩んで答えた。

セラフ：「美弥は、俺の過去知ってる？」
美弥：「過去？」
セラフ：「そう。配信者や凪ちゃん所で、エージェントなる前。」
美弥：「暗殺者…だっけ？」
セラフ：「そう、暗殺者。俺は沢山の人をこの手でやってきた。俺の手や体は、とてもじゃないが綺麗じゃないから。だから…好きな人とか純粋無垢な人には触れない、触れてはいけないと思ってる。」

それを聞いて、美弥はセラフにギュッと抱きついた。

セラフ：「美弥？」
美弥：「セラフくんの手は、バイオリンで綺麗な音を奏でたり、色んなゲームが上手な綺麗でカッコいい手だよ。」

抱きついたまま、美弥はそう伝えた。

セラフ：「美弥…」
美弥：「それに、セラフくんの体は、スポーツ上手で、ダンスもカッコよく出来て、キラキラしてて…暖かくて、強くて、優しくて…」
セラフ：「美弥…泣くなよ…」

セラフは美弥の頭を優しく撫でた。

美弥：「だから。だから…私といる時は、汚いなんて思わないで。」
セラフ：「…ありがとね。」

セラフは美弥の頭に優しくキスをした。

セラフ：「ねぇ。」
美弥：「ん？」
セラフ：「もう一回…しよ？」
美弥：「お手柔らかにね？」
セラフ：「美弥が可愛すぎて、無理かもしれない…///」