銀桂の薫りはあなたの気を惹く -Exhibition -


「ん〜ミーちゃん可愛いね〜」
 絶賛猫見せびらかしタイムである。
 薫ちゃんの家ほどではないが、薫ちゃんも俺の家にたまに遊びに来てもらうようにしている。理由としてはミーコと薫ちゃんがお互いに慣れてもらうため、もう一つは三年後の告白を未だ諦めていない小僧への牽制である。以前ほど接触してこようという動きはないが、綾人のいつメン友人として家に来ている以上、警戒しておくに越したことはない。
 母や父がいる日を狙い、あくまでミーコを見せに来たと言う体でワンチャンを狙っている感を払拭している。今更別に狙ってないが。しかも先ほどまでいた親は出かけて行った。
 と言うわけで、今薫ちゃんはミーちゃんと猫じゃらしやネズミのおもちゃで戯れている。
「楽しい〜?」
「みゅぁ」
「そっか〜楽しいか〜」
 可愛い。どっちがとかではない。どちらも可愛い。
 ニコニコしちゃうこんなの。キモ顔だから隠しとこ。
「…」
「ん?」
 ミーちゃんが薫ちゃんの身体にダイブし抱っこを所望しているので抱え始めた薫ちゃんが俺の顔をじーっと見つめてくる。キモ顔見られたか?
「普段普通に喋ってて笑う時は隠したりしないのに、そう言う時は隠すよね…?」
「どういう顔?」
「んー照れ笑いとか?」
 そりゃ蛙化現象なぞにならないように、客観的にキモいと思った表情は隠すようにしている。
「別に見たくないでしょ」
「見たいよ」
 ねー? っとミーちゃんに話しかけながら戯れている。え、見たい? なぜ?
 二人でリビングのソファーに座っているのだが、ミーコを抱えたまま薫ちゃんが隣にいる俺にもたれかかり、頭を肩に乗せた。
「なんだって見たいよ。好きだから。…あっ、逃げちゃった」
 薫ちゃんの腕から液体のように身体をクネらせミーコが逃げていく。その代わり、空いた両手で俺の手を包むように握る。
「だから隠さないで」
「う」
 上がった口角を隠そうとしても手が塞がれて不可能だ。
 嬉しい、しかし恥ずかしい。だが嬉しさの方が優っている。
 俺の表情を見て嬉しそうな薫ちゃんが輝かしい笑みがとても可愛い。
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