銀桂の薫りはあなたの気を惹く -Exhibition -
緊急事態だ。
「どうする…?」
不安げに眉を下げる薫ちゃんに俺は冷や汗を掻き生唾を飲んだ。
目が覚めると見知らぬ場所に彼女と二人でいた。こうなる以前の記憶は無いが普通に自室で就寝していたはず。彼女と同衾したという覚えもない。
そして目の前にある唯一の出入り口の前にこれでもかと掲げられた、部屋の名前兼今回のお題に、頭痛さえ感じる。
「”二人で媚薬を20本飲まないと出れない部屋”……これ、真山くんの本で見たことある…」
謎時空BL漫画あるあるの「⚪︎⚪︎しないと出れない部屋」である。
この手の謎時空ものは縁のないものとして参考書を読んでいないので詳しくはないが、俺の身近には二次同人出身の真山先生がいるので存在自体は聞いたことがある。と言っても文字通りこのお題通りにしないと部屋を出ることは不可能ということぐらいだが。
たまにギャグで怪力系キャラなどがいる場合は壁を壊したりも出来るが、俺たちはあくまで一般通過大学生。そんなばかりきを搭載した人物に当てはない。
「サイズがほぼオロナミンCじゃん」
薫ちゃんがテーブルに置かれた媚薬の一本を持ち上げた。
以前に学内で生徒が栄養ドリンクを入れていたような、いかにもな小瓶なら20本一気飲みでも出来そうだったのだが、一本もきつそうだ。
お題の媚薬20本と御誂え向きのベッド以外には何もない部屋ではあるが、部屋に入れられたのが薫ちゃんである点で言えば行幸、いやこれ以上にない幸運である。
こう言った強制イベントは元来、片思いや両片思いのカプに起こり成立を促すものである。これでもし相手が俺にとって身に覚えのない男、またはフラグ小僧だった場合、俺の貞操の行く末はどうなっていたことやら。と、起こらなかった最悪を考えても鬱でしかないのでやめだ。
選択肢はない、これを二人で飲み部屋を出る。これ以外に脱出方法はない。
「とりあえず飲むしかないよ」
「大丈夫かなぁ…変なもの入ってないといいけど」
「大丈夫、こういう部屋がお題とは全く違うものを用意してるってことはないし。危害を加えたいわけじゃない」
そう。こういうのは所謂仲人気取りの狂人の意思が働く謎時空謎空間。お労しいものが好きなやつ以外、基本的にエロい雰囲気に持って行きたいだけなのだ。このお題など、その最たる例だ。ベッドがある部屋に媚薬、こんなの喜ぶのは家の部屋の製作者のみだ。見え透いている。
「う゛…マズ」
「……」
20本飲ませたいならもう少し飲みやすい味にしてほしかった。
かなり苦い。ほんのりと香る桃フレーバーが悪さをしている。苦いだけならセンブリ茶だと思えばなんとかなるが妙に匂いが甘いので脳が麻痺する。
え、ここまでお膳立てしておきながら普通にクソまずドリンク全部飲まないと帰れまテンだったりするのだろうか。あのベッドは休憩用(意味深)ではなく本当に休憩するために置かれているのか。これを120ml、一人10本とかイカれてる。トイレもください。
「あ、ねえ」
俺と同じく悟り切った死んだ目で一本目を飲んでいた薫ちゃんがベッドにあるものを見つけた。水色の布のようなものは見覚えがある。ペットシーツである。
これに? もしかしてこれにしろというのか? しかも一枚ではなく一箱新品で。
前言撤回。仲人気取りの気振り狂人ではなく、隙あらば尊厳の破壊を目論んでくる愉悦部だったようだ。流石の薫ちゃんも絶句である。
これによりのんびり飲んでいられなくなった。速攻で全て飲みきり部屋を出てトイレに行く。いくら全裸は互いに見ているとはいえ排尿は尊厳が傷つく。
「……」
とはいえイッキはキツい。吐きはしないが中和する水とかが欲しい。口に苦味が残って辛い。
二本、三本と飲んで四本目。流石に腹に溜まってきた。炭酸をイッキするのとは違う辛さがある。薫ちゃんは…五本目、早いが確実にペースは落ちている。それと、
「…っ暑い」
発汗と身体の火照り。媚薬が効き始めているのかは分からないが、熱がある時のような浮つくような感覚をおぼえる。室温は恐らく変わっていないと思われる。
というか媚薬って本当にあるのか。こういうのって栄養ドリンクを媚薬と偽ったプラシーボ効果でしかないと思っているのだが。
四本目を終え、五本、六本目に突入。一口飲んだところで手を止めた。
「あ、」
ダメだ、これ以上飲んだらぶっ壊れる。
フワフワと浮遊しているような酒に酔っているような心地よさから容体は急変した。身体が滅茶苦茶暑い。
飲み口に沿う薫ちゃんの唇を見るだけで勃起した。熱は全身に回っているが中心は勃起したソレだ。どうしたら治るのかは火を見るより明らかである。
媚薬の瓶を床に置いた。思ったより強く置いてしまい薫ちゃんが驚いて顔を上げた。顔、真っ赤だ。かわいい。
耳や首まで赤くなって酒で酔ってもこうはならない。
頬、首筋、肩まで撫でると薫ちゃんは身体を震わせた。気持ちよさそうにうっとりと、恍惚な表情をして俺にしながれかかる。
服の隙間から手を入れ、上を目指しつつキスをした。
「んっ…ぅ、くちゅ…ふ………ん、んッ」
手が彼女の胸に触れる。柔らかい。手にあまるサイズほど大きな胸。その先端はすでに硬くて触れると薫ちゃんは背中を仰け反らせた。
危ないので抱き寄せる。そうすると勃起したものが薫ちゃんに押し付けるような状態になった。彼女が身動きを取ろうとすると擦れて声が出そうになる。
「ベッドいこ…?」
先に口にしたのは薫ちゃんだった。熱に浮いた吐息が甘い。
「うん、いこっか」
飲みかけの媚薬を持ち、ベッドに傾れ込むのが精一杯だ。
「どうする…?」
不安げに眉を下げる薫ちゃんに俺は冷や汗を掻き生唾を飲んだ。
目が覚めると見知らぬ場所に彼女と二人でいた。こうなる以前の記憶は無いが普通に自室で就寝していたはず。彼女と同衾したという覚えもない。
そして目の前にある唯一の出入り口の前にこれでもかと掲げられた、部屋の名前兼今回のお題に、頭痛さえ感じる。
「”二人で媚薬を20本飲まないと出れない部屋”……これ、真山くんの本で見たことある…」
謎時空BL漫画あるあるの「⚪︎⚪︎しないと出れない部屋」である。
この手の謎時空ものは縁のないものとして参考書を読んでいないので詳しくはないが、俺の身近には二次同人出身の真山先生がいるので存在自体は聞いたことがある。と言っても文字通りこのお題通りにしないと部屋を出ることは不可能ということぐらいだが。
たまにギャグで怪力系キャラなどがいる場合は壁を壊したりも出来るが、俺たちはあくまで一般通過大学生。そんなばかりきを搭載した人物に当てはない。
「サイズがほぼオロナミンCじゃん」
薫ちゃんがテーブルに置かれた媚薬の一本を持ち上げた。
以前に学内で生徒が栄養ドリンクを入れていたような、いかにもな小瓶なら20本一気飲みでも出来そうだったのだが、一本もきつそうだ。
お題の媚薬20本と御誂え向きのベッド以外には何もない部屋ではあるが、部屋に入れられたのが薫ちゃんである点で言えば行幸、いやこれ以上にない幸運である。
こう言った強制イベントは元来、片思いや両片思いのカプに起こり成立を促すものである。これでもし相手が俺にとって身に覚えのない男、またはフラグ小僧だった場合、俺の貞操の行く末はどうなっていたことやら。と、起こらなかった最悪を考えても鬱でしかないのでやめだ。
選択肢はない、これを二人で飲み部屋を出る。これ以外に脱出方法はない。
「とりあえず飲むしかないよ」
「大丈夫かなぁ…変なもの入ってないといいけど」
「大丈夫、こういう部屋がお題とは全く違うものを用意してるってことはないし。危害を加えたいわけじゃない」
そう。こういうのは所謂仲人気取りの狂人の意思が働く謎時空謎空間。お労しいものが好きなやつ以外、基本的にエロい雰囲気に持って行きたいだけなのだ。このお題など、その最たる例だ。ベッドがある部屋に媚薬、こんなの喜ぶのは家の部屋の製作者のみだ。見え透いている。
「う゛…マズ」
「……」
20本飲ませたいならもう少し飲みやすい味にしてほしかった。
かなり苦い。ほんのりと香る桃フレーバーが悪さをしている。苦いだけならセンブリ茶だと思えばなんとかなるが妙に匂いが甘いので脳が麻痺する。
え、ここまでお膳立てしておきながら普通にクソまずドリンク全部飲まないと帰れまテンだったりするのだろうか。あのベッドは休憩用(意味深)ではなく本当に休憩するために置かれているのか。これを120ml、一人10本とかイカれてる。トイレもください。
「あ、ねえ」
俺と同じく悟り切った死んだ目で一本目を飲んでいた薫ちゃんがベッドにあるものを見つけた。水色の布のようなものは見覚えがある。ペットシーツである。
これに? もしかしてこれにしろというのか? しかも一枚ではなく一箱新品で。
前言撤回。仲人気取りの気振り狂人ではなく、隙あらば尊厳の破壊を目論んでくる愉悦部だったようだ。流石の薫ちゃんも絶句である。
これによりのんびり飲んでいられなくなった。速攻で全て飲みきり部屋を出てトイレに行く。いくら全裸は互いに見ているとはいえ排尿は尊厳が傷つく。
「……」
とはいえイッキはキツい。吐きはしないが中和する水とかが欲しい。口に苦味が残って辛い。
二本、三本と飲んで四本目。流石に腹に溜まってきた。炭酸をイッキするのとは違う辛さがある。薫ちゃんは…五本目、早いが確実にペースは落ちている。それと、
「…っ暑い」
発汗と身体の火照り。媚薬が効き始めているのかは分からないが、熱がある時のような浮つくような感覚をおぼえる。室温は恐らく変わっていないと思われる。
というか媚薬って本当にあるのか。こういうのって栄養ドリンクを媚薬と偽ったプラシーボ効果でしかないと思っているのだが。
四本目を終え、五本、六本目に突入。一口飲んだところで手を止めた。
「あ、」
ダメだ、これ以上飲んだらぶっ壊れる。
フワフワと浮遊しているような酒に酔っているような心地よさから容体は急変した。身体が滅茶苦茶暑い。
飲み口に沿う薫ちゃんの唇を見るだけで勃起した。熱は全身に回っているが中心は勃起したソレだ。どうしたら治るのかは火を見るより明らかである。
媚薬の瓶を床に置いた。思ったより強く置いてしまい薫ちゃんが驚いて顔を上げた。顔、真っ赤だ。かわいい。
耳や首まで赤くなって酒で酔ってもこうはならない。
頬、首筋、肩まで撫でると薫ちゃんは身体を震わせた。気持ちよさそうにうっとりと、恍惚な表情をして俺にしながれかかる。
服の隙間から手を入れ、上を目指しつつキスをした。
「んっ…ぅ、くちゅ…ふ………ん、んッ」
手が彼女の胸に触れる。柔らかい。手にあまるサイズほど大きな胸。その先端はすでに硬くて触れると薫ちゃんは背中を仰け反らせた。
危ないので抱き寄せる。そうすると勃起したものが薫ちゃんに押し付けるような状態になった。彼女が身動きを取ろうとすると擦れて声が出そうになる。
「ベッドいこ…?」
先に口にしたのは薫ちゃんだった。熱に浮いた吐息が甘い。
「うん、いこっか」
飲みかけの媚薬を持ち、ベッドに傾れ込むのが精一杯だ。
