銀桂の薫りはあなたの気を惹く -Exhibition -
端的に言うと薫ちゃんの寝起きは良くない。早く起きようが遅く起きようが必ず数分は意識を虚無へ飛ばしているか、頑なに目を開けようとしない。
まあそういったところを見れるのも彼氏の特権ということで。
「薫ちゃん、薫ちゃ〜ん」
目を覚ますと目の前には愛しの君。ここは楽園だろうか。
それにしても毎度のことだがシングルベッドに大の大人ふたりは流石に狭い。
彼女の香りに包まれるベッドから起きる時間はいつも名残惜しいが、彼女の兄が帰ってくる前に証拠隠滅を図らねばならないのだ。
隣で完全に寝入ってしまっている薫ちゃんの寝顔を穴が開きそうなほど見つめつつ、軽く肩を揺さぶる。
「ん〜…あと五分…」
「そっかぁ、あと五分かぁ〜」
可愛いので全然待つ。…ところなのだが、実はお兄さん帰宅予定時間は刻一刻と迫ってきている。あまりのんびりもしていられないのだ。
だが、今日に限って彼女は完全甘えたモードに突入し、起きあがろうとする俺の首に腕が絡み、抱きついてきている。う゛っ可愛い、おっぱい柔らかい。この巨大な猫ちゃんを無碍に扱うなど俺には出来ない。
「かーおーるーちゃーん」
「……」
ダメだ返事がない。
顔が俺のない胸筋に収まっている関係で狸寝入りなのか判別が付かない。
因みに、真面目に五分待っても彼女が起きることはなく”あと五分”をエンドレスで唱えるということもすでに経験済みである。
あ〜〜やめてください頭をぐりぐりと押し付けるのは止めてください。起きてるね? 薫ちゃんこれは起きて俺の反応楽しんでるな?? ア゛ッ生足を絡めるのはもっと
俺が力説したのが原因か、彼女は爆美女ボディで惜しげもなく俺を(性的に)攻撃してくる。時間がある時なら一向に構わないし寧ろウェルカムだが。
「…じゃあちゅ〜したら起きる」
今日は随分と積極的だね??
「する」
仰向けにベッドに転がった彼女の左右の頬にキスを一回ずつ。
すると差し出されたように唇を尖らせてきたので唇にも一回。そうなると我慢が出来るわけもなく、誘われるように空いた深みに落ちていく。
チュッ、と最後に大きなリップ音が鳴ると薫ちゃんはゆっくりと目を開けて、蠱惑的に微笑んだ。
「仕方ない、お兄ちゃん帰ってくるし起きよう」
「オンオフ切り替えはや過ぎ」
先ほどまでふにゃふにゃの完全寝起きだった薫ちゃんは、起き上がるともういつもの凛とした顔をしている。
「目が覚めたらこんなじゃない…?」
ベッドから立ち上がり、伸びをすると適当に着たシャツの裾からパンツが覗き、胸は透けて形がはっきりと見えていることに気がつき、俺はしばらく立ち上がれなくなった。
