銀桂の薫りはあなたの気を惹く -Exhibition -
今日は四人で出かけることになった。なんでもマヤセンが推しているソシャゲが脱出ゲームとコラボしているらしい。
水元がいたらスタッフや脱出後の客から心の声で正解が漏れてしまいそうだが、真山曰く「一人では行きたくない」「でも君たちカップルに挟まれるのも嫌」だと言うことで、人混みを嫌う水元に昼食を奢るという餌で釣ったらしい。
集合は駅前。
薫ちゃんを家まで迎えに行って、二人でここまで来た。今日の彼女もとても可愛い。レース柄のシャツでチェーンの襟ブローチとネクタイがポイント。
「脱出ゲームってしたことないんだよね」
「俺も」
謎解きなあ…真山も参加賞と景品目当てでやったことがないと言っていたし、本当に大丈夫か? 最悪、本当に水元のテレパシーで不正する目にならないだろうか。
集合時間七分前。
「やあやあお待たせ二人と、…あ」
マヤセンのご到着である。
謎に言葉の途中で途切れたので声のする方へ視線を向けると、びっくりしている真山とその格好で理由を理解する。
「えー! 完全に同じトップスなことある????」
「えっあ、本当だ!」

真山も薫ちゃんと同じトップスを着ていた。色まで一緒である。完全に同じブランド、同じ形、同じ色である。合わせているアクセサリーとボトムスが違うだけである。
二人して見合わせたあと、ドッと笑い出す。
いや、笑い事ではないが? なに彼氏を差し置いてペアルックしてんだよ真山の野郎。…まあ以前から服の系統近いなと思うことはあったが。まさか完全一致する日があるとは思わなかった。身長も近いし、ユニセックスな服だったらありえない話じゃない。端的にクソだがな。
「ね、今日はもう彼に服装褒めてもらった?」
「? うん、可愛いねって」
なんとなく、言いたいことは察する。
薫ちゃんの返答に真山は下品に「けっけ」と笑う。
「ほらほら、僕にも可愛いって褒めてごらん」
「誰が褒めるか。俺は”薫ちゃんを”可愛いって褒めてんだよ。そして着替えてこい」
「嫌だよ。これ気に入って買ったんだから」
そのあと、待ち合わせ時間丁度に来た水元にも笑われ、「お前も買えば?」と解決にならないアドバイスをもらった。
タイミングミスったら真山とのペアルックになるだろうが。
おまけ
「待って、同じ服だったら私が真山くんより分厚いのバレちゃうじゃん…」
「いや僕も銀木さんとスタイルと顔の小ささで負けてるの晒してるからおあいこだよ…」
「身長も真山より銀木の方があるしな」
「水元はデリカシーどこやった?(薫ちゃんの分厚さは胸でもあるし)」
「俺はお前の方がどうかと思う」