【夢】紅桜になって似蔵を救うお話
こちらから名前を入力下さい
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(あ、れ……?)
おかしい、確かに今。彼と目が合ったはずなのだ。瞼を閉じていたとしても、交差する何かを感じた。だと言うに、彼は何の反応も示さない。
まるで、何もいなかったかのように振舞うのだ。
「ぇと……に、にぞー、さん?」
彼は振り返らなかった。
「にぞーさーん!」
それなりの声量を出しているのに、全く反応が無い。
背後で手を振ったりしてみるのだが、意味を成さない。
(いや、まぁ、夢だから、何でもありだろうし、幽霊みたいに認識されてない感じなのかなぁ。)
恐る恐る彼に近づく。彼の背に、手を少し伸ばせば届く距離までになる。
(え、でも、待って、待って、似蔵さんじゃん。うわ、やっば、ちっか、やっば、やっば、え、まって、やばいじゃん、え、触れちゃうんじゃん、めっちゃ近いじゃん、え、待って、まって待って、え、やっば、え、まっ__)
彼の背にもうちょいで触れるというところまで腕を伸ばして、彼女は固まる。そうして、心の中で興奮を昂らせた。ちらりと、上目で見ると、彼のうなじから色眼鏡のフレーム、鼻の高い所が伺える。
(え、え、え、え、モノホン、やば、やば、まって、うなじ、うなじぃ、え、えりあしぃ、髪の毛、やば、やば、ほんもの、まって、近い、ちかいちかいちかい、やばたにえん、やば、やばい、やばいってこれ、やば__)
少し彼が身じろぎすると、睫毛が見えた。
(無りぃぃいいいいい!!)
彼女は心で叫んで腕を引っ込め、顔を伏せ、しゃがみこんだ。
(無理、無理、無理、無理、リアルすぎる、本物過ぎる、無理無理、ありがとう、でもむりぃ!!)
両手で顔を覆い、畳をガン見する。時々視線を上げては彼の後ろ姿を見上げる。そうしたとしてもそれは一瞬で、眩しすぎる太陽でも見上げるかのように直ぐに視線を外す。
(無理、ありがとう、カミサマ、素敵な夢を、待って、ほんとむり、リアルはダメだって、ダメなんだって、だって、すぐ、そこに、はぁあぁぁっぁぁああああ!!やばすぎる、ありがたきハピネス。だめ、むり、やばい、まって、これ、ほんと無理、やばい、まって、だって、似蔵さん、にぞう、にぞ、に__)
彼女の心情を一々文字に起こしていたらいくら文量があっても足りない。更にその感想は同じようなことの繰り返しなので、ここでは割愛させていただく。言うのであれば、彼女は、岡田似蔵が窓辺に佇んでいる画だけで、二時間は同じ姿勢で同じような事を考えて悶えていた。
(無理、まって、ほんと、ごめん、やばい、やば、ほんと、まっ__)
おかしい、確かに今。彼と目が合ったはずなのだ。瞼を閉じていたとしても、交差する何かを感じた。だと言うに、彼は何の反応も示さない。
まるで、何もいなかったかのように振舞うのだ。
「ぇと……に、にぞー、さん?」
彼は振り返らなかった。
「にぞーさーん!」
それなりの声量を出しているのに、全く反応が無い。
背後で手を振ったりしてみるのだが、意味を成さない。
(いや、まぁ、夢だから、何でもありだろうし、幽霊みたいに認識されてない感じなのかなぁ。)
恐る恐る彼に近づく。彼の背に、手を少し伸ばせば届く距離までになる。
(え、でも、待って、待って、似蔵さんじゃん。うわ、やっば、ちっか、やっば、やっば、え、まって、やばいじゃん、え、触れちゃうんじゃん、めっちゃ近いじゃん、え、待って、まって待って、え、やっば、え、まっ__)
彼の背にもうちょいで触れるというところまで腕を伸ばして、彼女は固まる。そうして、心の中で興奮を昂らせた。ちらりと、上目で見ると、彼のうなじから色眼鏡のフレーム、鼻の高い所が伺える。
(え、え、え、え、モノホン、やば、やば、まって、うなじ、うなじぃ、え、えりあしぃ、髪の毛、やば、やば、ほんもの、まって、近い、ちかいちかいちかい、やばたにえん、やば、やばい、やばいってこれ、やば__)
少し彼が身じろぎすると、睫毛が見えた。
(無りぃぃいいいいい!!)
彼女は心で叫んで腕を引っ込め、顔を伏せ、しゃがみこんだ。
(無理、無理、無理、無理、リアルすぎる、本物過ぎる、無理無理、ありがとう、でもむりぃ!!)
両手で顔を覆い、畳をガン見する。時々視線を上げては彼の後ろ姿を見上げる。そうしたとしてもそれは一瞬で、眩しすぎる太陽でも見上げるかのように直ぐに視線を外す。
(無理、ありがとう、カミサマ、素敵な夢を、待って、ほんとむり、リアルはダメだって、ダメなんだって、だって、すぐ、そこに、はぁあぁぁっぁぁああああ!!やばすぎる、ありがたきハピネス。だめ、むり、やばい、まって、これ、ほんと無理、やばい、まって、だって、似蔵さん、にぞう、にぞ、に__)
彼女の心情を一々文字に起こしていたらいくら文量があっても足りない。更にその感想は同じようなことの繰り返しなので、ここでは割愛させていただく。言うのであれば、彼女は、岡田似蔵が窓辺に佇んでいる画だけで、二時間は同じ姿勢で同じような事を考えて悶えていた。
(無理、まって、ほんと、ごめん、やばい、やば、ほんと、まっ__)
7/7ページ