【夢】紅桜になって似蔵を救うお話
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彼女が目を覚ましたのは暗い暗い空間。
「どこ、ここ。」
反射的にポケットに手を突っ込んだが何も入っていなかった。
「スマホが無い……?」
暗闇というのは恐ろしいもので、彼女は酷い焦燥に襲われる。
全く見えない暗がり、足先が見えなければ、自分の胸元すら見えない。全く光が差し込んでいないのか、何も見えない。一応周りを見渡しても黒、上も下も黒。本当に真っ暗であった。
電気でも点けようと壁を求めて、腕を伸ばして彷徨うが、それらしきものには一向にたどり着かない。
「ど、どうしよ……。」
その声は確かに恐怖が滲んでいた。堪らずに大声で人を求めたりしてみたが、返事があるわけでもない。いくら歩いても何かに巡り合う事も、見つける事も無い。
暫くそうして歩き回ったが一向に変わりのない周りに遂に座り込んでしまった。じわじわと恐怖と孤独に涙が込み上げて来た。鼻をすすりながら喉が痛くなる感覚にしゃくりを上げ始めた。
「どこだよここぉ……。」
いつの間にか自分は死んでしまって、肉体から抜け出た魂が地獄にでも向かっているのかとでも考えだした時に、視界の端にピンクの光が映った。
「なにあれ!!」
彼女は顔を上げて、疲れた体を奮い立たせてそちらの光にと走っていった。ほんの少しの希望をもって。
「っ!?」
しかし、それは打ち砕かれた。
近づいて行って見つけたのは紅色に発光する触手の塊。
それを見止めた瞬間に全身が総毛立ち悪寒が背筋を突き抜けた。本能的にあれは不味いと思ったらしい。すっかりと踵を返えして、背を向け不規則な呼吸と共に必死に逃げた。涙を溢しながら振り返ると、動きが遅いのか触手はすっかり小さくなっていた。それでも安心できずに彼女は縺れながらも必死に走った。
*
どのぐらい走った事か、今まで必死に逃げるなど平和な世界では起こりえなかったことだ。
走り疲れた彼女はすっかりとふらふらだ。
足を交互に前に出す。それしか考えていなかった。息も絶え絶え、歩いたほうが早いだろう。そんな中、前のめりに転んだ。手をつく事も出来ずに頭から地面に倒れこんだ。そのまま動けずにただ息苦しさに喘いでいた。
酸素不足か、急激に意識がぼんやりとしていき、そのまま彼女は意識を失った。
「どこ、ここ。」
反射的にポケットに手を突っ込んだが何も入っていなかった。
「スマホが無い……?」
暗闇というのは恐ろしいもので、彼女は酷い焦燥に襲われる。
全く見えない暗がり、足先が見えなければ、自分の胸元すら見えない。全く光が差し込んでいないのか、何も見えない。一応周りを見渡しても黒、上も下も黒。本当に真っ暗であった。
電気でも点けようと壁を求めて、腕を伸ばして彷徨うが、それらしきものには一向にたどり着かない。
「ど、どうしよ……。」
その声は確かに恐怖が滲んでいた。堪らずに大声で人を求めたりしてみたが、返事があるわけでもない。いくら歩いても何かに巡り合う事も、見つける事も無い。
暫くそうして歩き回ったが一向に変わりのない周りに遂に座り込んでしまった。じわじわと恐怖と孤独に涙が込み上げて来た。鼻をすすりながら喉が痛くなる感覚にしゃくりを上げ始めた。
「どこだよここぉ……。」
いつの間にか自分は死んでしまって、肉体から抜け出た魂が地獄にでも向かっているのかとでも考えだした時に、視界の端にピンクの光が映った。
「なにあれ!!」
彼女は顔を上げて、疲れた体を奮い立たせてそちらの光にと走っていった。ほんの少しの希望をもって。
「っ!?」
しかし、それは打ち砕かれた。
近づいて行って見つけたのは紅色に発光する触手の塊。
それを見止めた瞬間に全身が総毛立ち悪寒が背筋を突き抜けた。本能的にあれは不味いと思ったらしい。すっかりと踵を返えして、背を向け不規則な呼吸と共に必死に逃げた。涙を溢しながら振り返ると、動きが遅いのか触手はすっかり小さくなっていた。それでも安心できずに彼女は縺れながらも必死に走った。
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どのぐらい走った事か、今まで必死に逃げるなど平和な世界では起こりえなかったことだ。
走り疲れた彼女はすっかりとふらふらだ。
足を交互に前に出す。それしか考えていなかった。息も絶え絶え、歩いたほうが早いだろう。そんな中、前のめりに転んだ。手をつく事も出来ずに頭から地面に倒れこんだ。そのまま動けずにただ息苦しさに喘いでいた。
酸素不足か、急激に意識がぼんやりとしていき、そのまま彼女は意識を失った。