マイエラ地方出身、マスター・ライラスの養女。
02:リーザス編
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隣の部屋の入り口に回ると、ヤンガスとエイトが何やら揉めていた。街の入り口で襲い掛かってきた少年たちが、通せんぼをしている。
「ねえ、貴方達がポルクとマルクなの?!」
アンジェリカは、膝を折って少年達に視線を合わせた。彼らは面喰らった様に後ずさる。
「お......お前に名乗った覚えは無いけど、俺がポルクだ!」
凶暴な方の少年が胸を叩いて、大仰に名乗った。ヤンガスが何やら悪態を吐こうとしていたが、アンジェリカは素早く遮り、先程手に入れた手紙を少年達に渡した。
「お願い! 部屋に入れてくれなくても良いわ! ゼシカさんが、中に居るのか確認してちょうだい!!」
「こ......これ、ゼシカ姉ちゃんの字だ!」
ポルクはガタガタと震えながら、文面に目を通した。エイトたちも、それを覗き込む。
"誰が、この手紙を読んでいるのか分からないけど、もし、私以外の誰かが読んでいるのなら…… この手紙は、遺書だと思ってください。きっと今ごろ、私はこの世にいないでしょう。
私は、東の塔に行きます。 サーベルト兄さんのカタキを討つまで、村には戻りません。
お母さん。家訓を破っちゃって、ごめんなさい。だけど、家訓よりも、もっと大事なことがあると思うの。 私は、自分の信じた道を行きます。こんな娘で、本当にごめんなさい。
あと、ポルクとマルク。ウソついちゃって、ごめん。私のこと、許してね。"
文末には、丁寧だがやや鋭さのある字で、ゼシカ本人の名前が綴られていた。
ポルクは、ドアをぶち破る勢いで開け、三秒後に悲鳴を上げた。
「マジでいねぇじゃん!!!」
跳ね返って来た扉が、マルクに直撃した事にも気付かず、ポルクは頭を抱えた。
「どうしよう!! サーベルと兄ちゃんも、あの塔で殺されたんだ!! どうしよう!!!」
「ポルク、落ち着いて」
アンジェリカは少年の肩に手を乗せ、これ以上騒ぎが大きくならない様に声を落とした。
「私達を、その塔まで連れて行って。アローザ奥様には、まだ知らせない方が良いわ」
アローザのあの様子では、更なる悲劇を伝えた所で、いよいよ本物の石像になってしまう気がした。
それにはポルクも同意だったのか、短く返事をすると、マルクに向き直った。
「お前はここで、扉を守ってろよ! 絶対誰も入れるんじゃ無いぞ!!」
「うん、分かったよ」
マルクは頼りなさげな表情で、武器を構え直した。ポルクは偉そうにふんぞり返ると、ビシッとエイトを指差した。
「お前らも来てくれるんだよな?! 塔の入り口は村の人間しか開けられないんだ。俺は入り口まで着いて行くから、ゼシカ姉ちゃんを連れ戻して来るんだぞ!!」
「あーあー。ドルマゲスの野郎が絡んでなければ、断りたいところでげす!」
ヤンガスは、ポルクの高圧的な態度に腹が立ったらしく、床を蹴った。
対してポルクも、山賊風情の脛を思い切り蹴飛ばした。
「ふざけてる場合じゃ無いんだぞ!!」
「あっしは何時でも大真面目でがすよ! 人に物を頼む態度って奴を、少しは勉強するんでげすな!」
「早く行きましょう!!」
アンジェリカは、馬の合わない二人の不毛な争いに割って入り、両者の背中を押した。手遅れになってしまっては、どうしようもない。
「あ、そうだ、忘れていたわ」
アンジェリカは、上着のポケットから茶色いネズミを掬い上げ、エイトに差し出した。
「この子が手紙を持って来てくれたの。後で美味しいチーズをご馳走しないと」
その言葉を理解したのか、トーポは嬉しそうに飛び跳ね、エイトのポケットに収まった。
一行は村を後にし、直ぐ東の、如何にも古の由縁がありそうな塔へと向かった。
「ねえ、貴方達がポルクとマルクなの?!」
アンジェリカは、膝を折って少年達に視線を合わせた。彼らは面喰らった様に後ずさる。
「お......お前に名乗った覚えは無いけど、俺がポルクだ!」
凶暴な方の少年が胸を叩いて、大仰に名乗った。ヤンガスが何やら悪態を吐こうとしていたが、アンジェリカは素早く遮り、先程手に入れた手紙を少年達に渡した。
「お願い! 部屋に入れてくれなくても良いわ! ゼシカさんが、中に居るのか確認してちょうだい!!」
「こ......これ、ゼシカ姉ちゃんの字だ!」
ポルクはガタガタと震えながら、文面に目を通した。エイトたちも、それを覗き込む。
"誰が、この手紙を読んでいるのか分からないけど、もし、私以外の誰かが読んでいるのなら…… この手紙は、遺書だと思ってください。きっと今ごろ、私はこの世にいないでしょう。
私は、東の塔に行きます。 サーベルト兄さんのカタキを討つまで、村には戻りません。
お母さん。家訓を破っちゃって、ごめんなさい。だけど、家訓よりも、もっと大事なことがあると思うの。 私は、自分の信じた道を行きます。こんな娘で、本当にごめんなさい。
あと、ポルクとマルク。ウソついちゃって、ごめん。私のこと、許してね。"
文末には、丁寧だがやや鋭さのある字で、ゼシカ本人の名前が綴られていた。
ポルクは、ドアをぶち破る勢いで開け、三秒後に悲鳴を上げた。
「マジでいねぇじゃん!!!」
跳ね返って来た扉が、マルクに直撃した事にも気付かず、ポルクは頭を抱えた。
「どうしよう!! サーベルと兄ちゃんも、あの塔で殺されたんだ!! どうしよう!!!」
「ポルク、落ち着いて」
アンジェリカは少年の肩に手を乗せ、これ以上騒ぎが大きくならない様に声を落とした。
「私達を、その塔まで連れて行って。アローザ奥様には、まだ知らせない方が良いわ」
アローザのあの様子では、更なる悲劇を伝えた所で、いよいよ本物の石像になってしまう気がした。
それにはポルクも同意だったのか、短く返事をすると、マルクに向き直った。
「お前はここで、扉を守ってろよ! 絶対誰も入れるんじゃ無いぞ!!」
「うん、分かったよ」
マルクは頼りなさげな表情で、武器を構え直した。ポルクは偉そうにふんぞり返ると、ビシッとエイトを指差した。
「お前らも来てくれるんだよな?! 塔の入り口は村の人間しか開けられないんだ。俺は入り口まで着いて行くから、ゼシカ姉ちゃんを連れ戻して来るんだぞ!!」
「あーあー。ドルマゲスの野郎が絡んでなければ、断りたいところでげす!」
ヤンガスは、ポルクの高圧的な態度に腹が立ったらしく、床を蹴った。
対してポルクも、山賊風情の脛を思い切り蹴飛ばした。
「ふざけてる場合じゃ無いんだぞ!!」
「あっしは何時でも大真面目でがすよ! 人に物を頼む態度って奴を、少しは勉強するんでげすな!」
「早く行きましょう!!」
アンジェリカは、馬の合わない二人の不毛な争いに割って入り、両者の背中を押した。手遅れになってしまっては、どうしようもない。
「あ、そうだ、忘れていたわ」
アンジェリカは、上着のポケットから茶色いネズミを掬い上げ、エイトに差し出した。
「この子が手紙を持って来てくれたの。後で美味しいチーズをご馳走しないと」
その言葉を理解したのか、トーポは嬉しそうに飛び跳ね、エイトのポケットに収まった。
一行は村を後にし、直ぐ東の、如何にも古の由縁がありそうな塔へと向かった。