マイエラ地方出身、マスター・ライラスの養女。
01:トラペッタ編
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「それじゃあ君は、マイエラ地方の出身なんだね?」
エイトの問いに、アンジェリカは頷いた。
「ええ。実は、私の母は領主様のお屋敷で働いていたのだけれど、ある日突然放任されてしまった様で。......なんでも、領主様の夜のお誘いを固辞したからだと。父も仕事をしていたので、何とか生活は成り立っていたのですが、その頃熱病が流行りだして、二人とも逝ってしまったのです」
「へえ。良いとこのお嬢様に見えて、案外苦労人だったんでげすね」
ヤンガスが鼻くそをほじりながら、かけらも同情した素振りを見せずに呟いた。
「このバカモンが!!」
トロデの一喝。
「何とも悲惨な運命じゃの。ワシは涙がでそうじゃ。しかし、マスター・ライラスとは如何なる所以で巡り合わせたのじゃ?」
「ライラス様は旅の途中、マイエラ修道院に立ち寄られたのです。ご存知かもしれませんが、あそこは本来女人禁制ですので、私はそろそろ行き場所を探していた所でした。義父は、私に強い魔法の力があるからと、引き取って下さったのです」
今でも覚えている。あの不安と高揚感と、寂しさ。修道院の皆は優しく、親切で、まるで家族の様だった。
「そういえば、ユリマも養女なのです」
アンジェリカは、ふと思い出して語り出した。何故彼女の父が、水晶玉を捨てるに至ったのか、それを語って置くべきだと思った。
「ルイネロ様は、決して外れることの無い、腕の良い占い師だったと聞きます。ある時、一人の男が、ユリマの両親の居場所を、占って欲しいと依頼したのです。彼の占いは正確にその居場所を捉え......翌日、隠遁生活を送っていた、貴族の血を引く両親は殺されてしまいました......。ルイネロ様は、ユリマを引き取り育てましたが、それからだそうです。占いが当たらなくなってしまったのは」
「あーあー! 辛気臭い話は苦手でげすよ!!」
ヤンガスはブルリと体を震わせ、腕を摩った。エイトは、気遣う様な声色で疑問を投げ掛ける。
「でも、それじゃあ、水晶玉が手に入ったとしても、ルイネロさんは占いをしてくれないんじゃないかな?」
「それは、ユリマに任せます。兎に角私たちに出来る事は、滝の洞窟を探索する事です。」
アンジェリカは、案外強い心の持ち主らしい。トロデは益々気を良くした。
「おうおう! そなた、呪いが解けた暁には、姫の側仕えにしてやっても良いぞ!」
「まあ、光栄です。姫様も、さぞかし美しい方なのでしょうね?」
「そなたと瓜二つじゃぞ。」
トロデの指摘に、アンジェリカは口を噤んだ。これまで、自分の外見には無頓着で、一度も美人だと思った事は無い。
結局反応に困り、苦笑した。
「畏れ入ります」
そんな話をしているうちに、滝の流れる洞窟の前へと辿り着いた。入り口は広いが、奥は狭い。馬車は入れなさそうだ。
「さて、仕方ないのう。ワシらはここで待っておるぞ」
トロデは馬車を止め、呑気に言った。アンジェリカは驚き、彼らに駆け寄る。
「お二人だけで、もし魔物が襲い掛かってきたらーー」
「ワシの顔をよ~く見るがいい!!」
トロデは、緑の顔をアンジェリカに突き出した。
「何処の魔物が、ワシを人間だと思って襲い掛かって来ると言うのじゃ!」
「げーすげすげすげす!」
ヤンガスが、個性的な笑い声を上げて腹を抱えた。
「確かにその顔じゃあ、誰も狙おうなんざ思わないでげすよ!」
「やかましいわい! さっさと行かんか!!」
トロデはジタバタと暴れ、エイト達を洞窟へと追いやった。
エイトの問いに、アンジェリカは頷いた。
「ええ。実は、私の母は領主様のお屋敷で働いていたのだけれど、ある日突然放任されてしまった様で。......なんでも、領主様の夜のお誘いを固辞したからだと。父も仕事をしていたので、何とか生活は成り立っていたのですが、その頃熱病が流行りだして、二人とも逝ってしまったのです」
「へえ。良いとこのお嬢様に見えて、案外苦労人だったんでげすね」
ヤンガスが鼻くそをほじりながら、かけらも同情した素振りを見せずに呟いた。
「このバカモンが!!」
トロデの一喝。
「何とも悲惨な運命じゃの。ワシは涙がでそうじゃ。しかし、マスター・ライラスとは如何なる所以で巡り合わせたのじゃ?」
「ライラス様は旅の途中、マイエラ修道院に立ち寄られたのです。ご存知かもしれませんが、あそこは本来女人禁制ですので、私はそろそろ行き場所を探していた所でした。義父は、私に強い魔法の力があるからと、引き取って下さったのです」
今でも覚えている。あの不安と高揚感と、寂しさ。修道院の皆は優しく、親切で、まるで家族の様だった。
「そういえば、ユリマも養女なのです」
アンジェリカは、ふと思い出して語り出した。何故彼女の父が、水晶玉を捨てるに至ったのか、それを語って置くべきだと思った。
「ルイネロ様は、決して外れることの無い、腕の良い占い師だったと聞きます。ある時、一人の男が、ユリマの両親の居場所を、占って欲しいと依頼したのです。彼の占いは正確にその居場所を捉え......翌日、隠遁生活を送っていた、貴族の血を引く両親は殺されてしまいました......。ルイネロ様は、ユリマを引き取り育てましたが、それからだそうです。占いが当たらなくなってしまったのは」
「あーあー! 辛気臭い話は苦手でげすよ!!」
ヤンガスはブルリと体を震わせ、腕を摩った。エイトは、気遣う様な声色で疑問を投げ掛ける。
「でも、それじゃあ、水晶玉が手に入ったとしても、ルイネロさんは占いをしてくれないんじゃないかな?」
「それは、ユリマに任せます。兎に角私たちに出来る事は、滝の洞窟を探索する事です。」
アンジェリカは、案外強い心の持ち主らしい。トロデは益々気を良くした。
「おうおう! そなた、呪いが解けた暁には、姫の側仕えにしてやっても良いぞ!」
「まあ、光栄です。姫様も、さぞかし美しい方なのでしょうね?」
「そなたと瓜二つじゃぞ。」
トロデの指摘に、アンジェリカは口を噤んだ。これまで、自分の外見には無頓着で、一度も美人だと思った事は無い。
結局反応に困り、苦笑した。
「畏れ入ります」
そんな話をしているうちに、滝の流れる洞窟の前へと辿り着いた。入り口は広いが、奥は狭い。馬車は入れなさそうだ。
「さて、仕方ないのう。ワシらはここで待っておるぞ」
トロデは馬車を止め、呑気に言った。アンジェリカは驚き、彼らに駆け寄る。
「お二人だけで、もし魔物が襲い掛かってきたらーー」
「ワシの顔をよ~く見るがいい!!」
トロデは、緑の顔をアンジェリカに突き出した。
「何処の魔物が、ワシを人間だと思って襲い掛かって来ると言うのじゃ!」
「げーすげすげすげす!」
ヤンガスが、個性的な笑い声を上げて腹を抱えた。
「確かにその顔じゃあ、誰も狙おうなんざ思わないでげすよ!」
「やかましいわい! さっさと行かんか!!」
トロデはジタバタと暴れ、エイト達を洞窟へと追いやった。