マイエラ地方出身、マスター・ライラスの養女。
04:マイエラ修道院編
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アンジェリカは、地上に出るなり一目散に駆け出していた。ドルマゲスと対峙する恐怖よりも、オディロ院長の亡骸と対峙する恐怖の方が勝ったからだ。
嫌な気配が漂っていた。
修道院長が暮らす離れの扉を開けた瞬間、アンジェリカは悲鳴をあげそうになった。
聖堂騎士団員が六人、折り重なる様に床に倒れている。
「アンジェ、待って!!」
エイトの制止も聞かずに、アンジェリカは階段を駆け上がった。
最後の一段を登りきった瞬間、ふっと身体が軽くなるのを感じ、アンジェリカはよろめいてしまった。
オディロ院長は、何事も無かった様にベッドで寝息を立てていた。間一髪で間に合った様だ。
「院長様!」
アンジェリカは、枕元まで駆け寄り床に膝を着いた。小さな布団の山が揺れ、老人がゆっくりと体を起こす。
「......はて? どなたですかな?」
「アンジェリカです。」
「......おお!」
オディロ院長は、ようやく理解が及んだらしく、優しい笑みを浮かべてアンジェリカの頬に手をあてた。
「歳月とは、飛ぶ様に過ぎるものよのう。元気そうで何よりじゃ。ライラスはどうしておるか?」
「......養父はーー」
アンジェリカが答える前に、首筋に冷んやりとした何かを感じ言葉を切った。
慎重に振り返ると、マルチェロが立っていた。
「何の真似ですか?」
アンジェリカは、刺々しい口調で訊ねた。しかし、マルチェロは顔色一つ変えずに切り返す。
「それはこちらの台詞だ。下に倒れていた騎士団員達を、どう説明するつもりーー」
「これ、マルチェロよ!」
オディロ院長が、心底驚いた様子で遮った。
「そなた、もしやこの子の顔を忘れたとは言うまいな?」
「勿論、覚えております。ですがーー」
「それなら、はよう、その物騒な刃をしまうのじゃ」
オディロ院長の厳しい声に、マルチェロは剣を収め、膝を着いた。
「申し訳御座いません。ですが院長。見張りを務めていた騎士団員が、全員倒れていたのです。そして、偶然、本来この場にいるはずの無い人間が、紛れ込んでいました」
彼の言葉で、アンジェリカはようやく仲間達の存在を思い出した。階段の方に目をやると、増援に捕らえられたエイト達の姿があった。
「聖堂騎士団長、どうかお願い致します。オディロ院長をお護りください」
アンジェリカは、ひたむきに頭を下げた。
「今一度、あの道化師が姿を現せば、私たちの力では、到底敵いません。......私はどうなっても構いません! お気の済むまで、聴取に応じます。ですから、どうか院長の周りに、より多くの騎士団員を配置してくださいませ!」
「少し話を聞かせて貰うだけだ」
マルチェロは、滑らかに答えた。怯えるアンジェリカの腕をそっと掴み、立ち上がらせ、再度院長に頭を下げた。
「失礼いたします」
彼は、添える程度の力でアンジェリカの背中を押し、部屋を後にした。
嫌な気配が漂っていた。
修道院長が暮らす離れの扉を開けた瞬間、アンジェリカは悲鳴をあげそうになった。
聖堂騎士団員が六人、折り重なる様に床に倒れている。
「アンジェ、待って!!」
エイトの制止も聞かずに、アンジェリカは階段を駆け上がった。
最後の一段を登りきった瞬間、ふっと身体が軽くなるのを感じ、アンジェリカはよろめいてしまった。
オディロ院長は、何事も無かった様にベッドで寝息を立てていた。間一髪で間に合った様だ。
「院長様!」
アンジェリカは、枕元まで駆け寄り床に膝を着いた。小さな布団の山が揺れ、老人がゆっくりと体を起こす。
「......はて? どなたですかな?」
「アンジェリカです。」
「......おお!」
オディロ院長は、ようやく理解が及んだらしく、優しい笑みを浮かべてアンジェリカの頬に手をあてた。
「歳月とは、飛ぶ様に過ぎるものよのう。元気そうで何よりじゃ。ライラスはどうしておるか?」
「......養父はーー」
アンジェリカが答える前に、首筋に冷んやりとした何かを感じ言葉を切った。
慎重に振り返ると、マルチェロが立っていた。
「何の真似ですか?」
アンジェリカは、刺々しい口調で訊ねた。しかし、マルチェロは顔色一つ変えずに切り返す。
「それはこちらの台詞だ。下に倒れていた騎士団員達を、どう説明するつもりーー」
「これ、マルチェロよ!」
オディロ院長が、心底驚いた様子で遮った。
「そなた、もしやこの子の顔を忘れたとは言うまいな?」
「勿論、覚えております。ですがーー」
「それなら、はよう、その物騒な刃をしまうのじゃ」
オディロ院長の厳しい声に、マルチェロは剣を収め、膝を着いた。
「申し訳御座いません。ですが院長。見張りを務めていた騎士団員が、全員倒れていたのです。そして、偶然、本来この場にいるはずの無い人間が、紛れ込んでいました」
彼の言葉で、アンジェリカはようやく仲間達の存在を思い出した。階段の方に目をやると、増援に捕らえられたエイト達の姿があった。
「聖堂騎士団長、どうかお願い致します。オディロ院長をお護りください」
アンジェリカは、ひたむきに頭を下げた。
「今一度、あの道化師が姿を現せば、私たちの力では、到底敵いません。......私はどうなっても構いません! お気の済むまで、聴取に応じます。ですから、どうか院長の周りに、より多くの騎士団員を配置してくださいませ!」
「少し話を聞かせて貰うだけだ」
マルチェロは、滑らかに答えた。怯えるアンジェリカの腕をそっと掴み、立ち上がらせ、再度院長に頭を下げた。
「失礼いたします」
彼は、添える程度の力でアンジェリカの背中を押し、部屋を後にした。