雄英体育祭が終わった次の日、レクリエーション時に一般人乱入したことで、私は一躍悪い方で有名人になってました。

「あ！あの子チアの子じゃない！？」
「実況にも参戦してたよな･･･何者なんだ？」

何者でもない只の一般人です！！
周りの好奇の目に晒されながら学校に久しぶりに登校する。
相も変わらずクラスには入らず、保健室で自習するんだけどね。

「昨日の体育祭LIVEで見てたわよー、与無さん出ててびっくりしちゃったわ」
「センセー、その話やめてー私も予想外のハプニングだったんだから」

先生まで見てたのか･･･流石雄英、全国区に中継流れるだけあるわ･･････
机に突っ伏してあの体育祭後家に帰宅した時のお姉様の般若顔のお出迎えを思い出す。
もう土下座で謝ったよね。、
本当、改めて考えればレクリエーションに一般人の私が強制参加って有り得ないもんね。
騙した方が悪いけど、騙された方も悪いな、うん。

「あー･･････もう勉強する気無くなったー･･･あ、先生みてみてこれ、作ってみたんだー」
スクールバッグの中からマイコレクションを机に出す。
「あら、何を作った･･････ねぇ、与無さん、学校にそんな物騒な物持ってきたら駄目でしょ？」
「大丈夫、刃渡り15cm未満に作ってるし銃刀法違反に抵触するのはこの2本だけだよ」
その2本はステインから貰ったナイフだ。流石殺人鬼、いいナイフを持ってるよね。
「･･････銃刀法違反に当たってるナイフを持ってる時点でアウトだと思うの･･･」
「硬い事言わないで！」
「生徒が過ちを犯そうとした時に正すのが教師だと思うのよ」

先生の仰る通りです！
でも私はヴィランなんかになる気は無いし過ちを犯すつもりもない。

「先生、大丈夫ですよ？人を殺すために作ってるわけじゃないし･･･ぶっちゃけ、ナイフ集めにハマって自作するようになっただけなんで」
「それならいいんだけどね？他の先生に見つからないようにしなさいよ？･･･それにしても凄いわね･･･作ったの？」
「そう！焼きの工程は流石に業者に頼んだんだけどさ、形とか柄の所とかは私の手にフィットするように作ったんだー」

思わず爛々とナイフについて熱く語ってしまった。
先生は私の気迫に若干引き気味で"誰かに見つかると大変だからバッグに戻しなさい"と言われてしまった。
まあ、あのクソ教師共に見つかるのは御免だ。
言われた通りバッグに戻し、勉強をやり始める。
やらなくてもいいけど、それであの教師達に笑われるのも癪だしね。
今日は久しぶりに夕方まで保健室で過ごした。
やっぱ保健の先生って居心地いいね。優しいし理解者だし！