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第2話 芽【せんのう】

「むう、これは…」
「アヴドゥル、これが以前お前が言っていた肉の芽か?」

 空条邸。室内。
 ジョセフとアヴドゥルの二人は敵である少女を畳の上に横たえて観察していた。

「そのようです、ジョースターさん。そして、彼女はおそらくもう、手遅れだ…」

 金糸の前髪を上げた彼女の額には、奇妙な触手のようなものが埋め込まれていた。

「おいジジイ、いるか?」

 そこにきたのは学校に行っていたはずの承太郎だった。しかも肩に赤毛の学生を担いでいる。

「おい、誰だそれは」
「DIOからの刺客じゃ。お前こそその少年はどうした」
「やれやれだ。DIOは学生を誑かすのが妙にうまいらしいな」
「ということは、彼も?」

 女子学生の隣に赤毛の少年を横たえて、承太郎は頷く。

「こいつらには、いろいろ聞かなきゃいけねーみたいだな」
「どれ…ふむ、だめだな。こりゃあ」
「あ?」
「手遅れじゃ。こいつはもう助からん。あと数日のうちに死ぬ」


▼▲▼▲▼


 赤毛の少年――花京院から肉の芽を引き抜き、承太郎は次に、女子学生へと向き合った。

「彼女は?」

 DIOの支配から解き放たれて正気に戻ったものの、未だ状況を把握できていない花京院が訊ねる。

「彼女も君と同じ、DIOからの刺客だ。肉の芽を植え付けられた、な。私の名はモハメド・アヴドゥル。あちらはジョセフ・ジョースター。君の名前を聞かせてもらえるか?」
「あ、えっと、…花京院典明です」
「花京院か。とりあえず傷の手当てをしよう。あちらの少女はJOJOとジョースターさんに任せよう」

 アヴドゥルが花京院の手当てをしている間、再び承太郎が肉の芽を引き抜き、ジョセフが波紋で消滅させる、というコンビネーションを発揮したおかげで、目を覚ました金髪の少女の瞳にも正気のい色が宿った。

「…………? あ、れ…? 私…?」
「少しぼーっとしておるようじゃな。手当てしてやりたいが、さすがにわしらがやるわけにいかん。承太郎、ホリィを呼んできなさい」
「ああ」
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