第2話 芽【せんのう】
「あんたが、ジョセフ・ジョースター?」
空条邸。庭先にて。
制服を身にまとった学生とみられる少女が、娘の家に滞在していたジョセフに流暢な英語で話しかけた。
「いかにも、わしの名はジョセフ・ジョースターじゃが…君は何者だ? 承太郎の友人か? ここは私有地だ。許可なく立ち入るのは止めてもらいたいのだが」
第一ボタンを緩めた白いブラウスに黄色のニットベストを羽織り、スカートを短くした若い女子学生。異国の血でも混ざっているのか、染髪した違和感がない金髪が特徴的だった。
一見するとどこにでもいる学生。孫の友人か、それとも…とジョセフは僅かに警戒心を抱く。
訝しげなジョセフの台詞に、女子学生は高圧的に答えた。
「許可なんていらないよ。ここは別荘になるんだ…。DIO様のね!」
「何!? DIOじゃと!?」
「あんたの血をDIO様に献上してやる! イルミネイト・スルー・ロンリネス!」
少女の隣に角を生やした鳥頭のスタンドが浮かび上がる。山羊に似た歪んだ角はまるで悪魔を思わせる風貌をしており、スタンド鉤爪のような手と合わせると、どこか禍々しさを感じた。
ギョロリとした深い緑色の目がジョセフを睨み、その腕を巨大な刃物へと変形させた。
「断面への投擲イビルジャベリン!」
「隠者の紫ハーミットパープル!」
振り下ろされた巨大なナイフを、ジョセフはスタンドを屋敷の柱に巻きつけて、自身の体を引っ張り上げることで回避した。
「成る程。DIOの刺客というわけじゃな?」
「そうだよ。ジョセフ・ジョースター。あんたを一番に始末してあげる。娘と孫が死ぬところは見たくないでしょう?」
波紋を練るジョセフと、再び刃物を構える女子学生。
じっと睨み合いが続く。
最初に動いたのは女子学生だった。
巨大な刃物を振り上げて、ジョセフに飛びかかる。それを再び回避したジョセフは、履いた靴をそのままに屋敷の中に逃げ込む。
「死ぬのが怖いの!?」
襖を刃物で破壊し、ナイフを横薙ぎに振るう女子学生。しかしそれは空振りに終わった。
「なっ、どこに!」
奥に隠れたのかと歩を進める。
と、がくん、と体が傾き、畳の部屋に倒れこんでしまう。
見ると入り口付近に、ピンと糸が張っていた。
「なんて古典的な…!」
「その古典的な方法に、あんたは負けるんじゃよ」
先に部屋に入り込んだはずのジョセフが、いつの間にか後ろに回り込んでいた。その手には糸が握られており、糸が女子学生の足に、隠者の紫ハーミットパープルの茨が女子学生のスタンドに絡みついていた。
「その糸はサティポロジアビートルという昆虫から採れるものでな、波紋を100%伝える」
「まっ、待って…!」
「待たんね! 波紋疾走オーバードライブ!」
バチバチバチィッ!
「ぐ、あぁっ!」
静電気が走ったかのような衝撃が、女子学生を襲う。
「こ、のっ! 毒入り消毒液イビルキャンセラー!」
「のわぁっ」
女子学生のスタンドの嘴から大量の液体が吹き出てジョセフの顔にびしゃびしゃとかかった。
「な、なんじゃあ、これは」
(今だ!)
好機を逃すまいと、女子学生は再びスタンドを現した。
「くらえ! イビル…「魔術師の赤マジシャンズレッド!」っあああ!」
「アヴドゥル!」
「無事ですか! ジョースターさん」
駆けつけたのはジョセフの仲間であるアヴドゥルだった。
「ジョースターさん。思わず攻撃してしまいましたが、彼女は一体…」
「DIOの刺客じゃ。やれやれ、奴さんは待ってはくれんようじゃの」
気絶した敵を見下ろし、ジョセフはため息をついた。
空条邸。庭先にて。
制服を身にまとった学生とみられる少女が、娘の家に滞在していたジョセフに流暢な英語で話しかけた。
「いかにも、わしの名はジョセフ・ジョースターじゃが…君は何者だ? 承太郎の友人か? ここは私有地だ。許可なく立ち入るのは止めてもらいたいのだが」
第一ボタンを緩めた白いブラウスに黄色のニットベストを羽織り、スカートを短くした若い女子学生。異国の血でも混ざっているのか、染髪した違和感がない金髪が特徴的だった。
一見するとどこにでもいる学生。孫の友人か、それとも…とジョセフは僅かに警戒心を抱く。
訝しげなジョセフの台詞に、女子学生は高圧的に答えた。
「許可なんていらないよ。ここは別荘になるんだ…。DIO様のね!」
「何!? DIOじゃと!?」
「あんたの血をDIO様に献上してやる! イルミネイト・スルー・ロンリネス!」
少女の隣に角を生やした鳥頭のスタンドが浮かび上がる。山羊に似た歪んだ角はまるで悪魔を思わせる風貌をしており、スタンド鉤爪のような手と合わせると、どこか禍々しさを感じた。
ギョロリとした深い緑色の目がジョセフを睨み、その腕を巨大な刃物へと変形させた。
「断面への投擲イビルジャベリン!」
「隠者の紫ハーミットパープル!」
振り下ろされた巨大なナイフを、ジョセフはスタンドを屋敷の柱に巻きつけて、自身の体を引っ張り上げることで回避した。
「成る程。DIOの刺客というわけじゃな?」
「そうだよ。ジョセフ・ジョースター。あんたを一番に始末してあげる。娘と孫が死ぬところは見たくないでしょう?」
波紋を練るジョセフと、再び刃物を構える女子学生。
じっと睨み合いが続く。
最初に動いたのは女子学生だった。
巨大な刃物を振り上げて、ジョセフに飛びかかる。それを再び回避したジョセフは、履いた靴をそのままに屋敷の中に逃げ込む。
「死ぬのが怖いの!?」
襖を刃物で破壊し、ナイフを横薙ぎに振るう女子学生。しかしそれは空振りに終わった。
「なっ、どこに!」
奥に隠れたのかと歩を進める。
と、がくん、と体が傾き、畳の部屋に倒れこんでしまう。
見ると入り口付近に、ピンと糸が張っていた。
「なんて古典的な…!」
「その古典的な方法に、あんたは負けるんじゃよ」
先に部屋に入り込んだはずのジョセフが、いつの間にか後ろに回り込んでいた。その手には糸が握られており、糸が女子学生の足に、隠者の紫ハーミットパープルの茨が女子学生のスタンドに絡みついていた。
「その糸はサティポロジアビートルという昆虫から採れるものでな、波紋を100%伝える」
「まっ、待って…!」
「待たんね! 波紋疾走オーバードライブ!」
バチバチバチィッ!
「ぐ、あぁっ!」
静電気が走ったかのような衝撃が、女子学生を襲う。
「こ、のっ! 毒入り消毒液イビルキャンセラー!」
「のわぁっ」
女子学生のスタンドの嘴から大量の液体が吹き出てジョセフの顔にびしゃびしゃとかかった。
「な、なんじゃあ、これは」
(今だ!)
好機を逃すまいと、女子学生は再びスタンドを現した。
「くらえ! イビル…「魔術師の赤マジシャンズレッド!」っあああ!」
「アヴドゥル!」
「無事ですか! ジョースターさん」
駆けつけたのはジョセフの仲間であるアヴドゥルだった。
「ジョースターさん。思わず攻撃してしまいましたが、彼女は一体…」
「DIOの刺客じゃ。やれやれ、奴さんは待ってはくれんようじゃの」
気絶した敵を見下ろし、ジョセフはため息をついた。
