第20話 賭【おしりすしん】
一度目のゲームで承太郎は8と9のツーペアを揃えた。対するダービーはJとQのツーペア。
ダービーの勝ちだ。
二度目のゲーム。
承太郎はカードを伏せたまま、中身を見ずにこのまま勝負すると宣言した。そして、
「残り三個に加えて、アヴドゥルと弥子の魂を全部賭ける!」
承太郎のチップは合計十五枚。ダービーも同じだけレイズしなければならない。
それはつまり、ジョセフとポルナレフ、そして取られた承太郎のチップ全てを出させるということだ。
「このゲームで終わらせるつもりか…。…だが、後ろの二人はそれでいいのか?」
「わたしは賭け事向きの性格をしていない……けっこう熱くなるタイプだからな。しかし承太郎を信じている…。承太郎に賭けてくれと頼まれれば信じて賭けよう。わたしの魂だろうと何だろうと」
「私もアヴドゥルさんと同じ。よく顔に出やすいって言われるし……なにより、あなた相手に冷静に戦えると思えないから。…だから、承太郎くんを信じるよ」
そう答える二人に、緊張感で頭がおかしくなったか?と言いかけたダービーの言葉を遮ったのは承太郎の声。
「さらに、花京院の魂も賭けよう」
再びのレイズに、さすがにアヴドゥルが待ったをかける。
「じょ、承太郎! この場にいない男の魂だぞ!」
「勝手すぎるかな…」
そう腕を組む承太郎の口元には、いつの間にか火のついた煙草があった。
「おい、承太郎! 今なにをしたんだ!?」
「何をしたって……何のことかな…。それよりも、ここにはいない仲間の魂を賭けたんだ。お前にもそれに見合ったものを賭けてもらうぜ」
不可解な承太郎の行動、目にも止まらぬスタープラチナの速さ、そして仲間の魂を次々と賭ける勢いに、ダービーは承太郎がスタープラチナでイカサマをしているのではないかと疑う。
「てめーに、DIOのスタンドの秘密をしゃべってもらう…」
その言葉に、ダービーは激しく動揺した。呼吸は乱れ、汗でぐっしょりとぬれたその姿は、先ほどまで余裕綽々だった男とは思えないほどだ。
「さあ! 賭けるコールか! 賭けないドロップのか! ハッキリ言葉に出して言ってもらおうッ!」
恐怖から息が荒くなり、過呼吸状態になるダービー。その切迫した緊張感の中、目の焦点が合わなくなり、とうとう白目になった。
追い詰められた男は、結局コールもドロップも言えないまま、立ったまま気絶した。その様子を見て、弥子は目の前の男がどうしようもなく哀れに感じた。
(自分に自信があって、なのに才能を自分のためにしか使えない人って、悲しいな…。その自信が崩れたとき、誰も助けてくれないんだもん。…たぶん、そうゆうところに付け入ってくるんだろうな。DIOっていうヒトは)
ダービーが心の中で負けを認めたため、ジョセフとポルナレフの魂が戻ってきた。
アヴドゥルがダービーのカードを見ると、それはKのフォアカード。それに対する承太郎のカードは、ブタだった。
「承太郎くんって…すごい精神力だね。私には真似できないや…」
「ああ、ある意味恐ろしいやつだよ、お前は」
敗北して頭がおかしくなったのか、ダービーは自らコレクションブックの魂を解放した。まるで幼児退行したかのような姿からは、賭博師としての威厳はなかった。
ダービーの勝ちだ。
二度目のゲーム。
承太郎はカードを伏せたまま、中身を見ずにこのまま勝負すると宣言した。そして、
「残り三個に加えて、アヴドゥルと弥子の魂を全部賭ける!」
承太郎のチップは合計十五枚。ダービーも同じだけレイズしなければならない。
それはつまり、ジョセフとポルナレフ、そして取られた承太郎のチップ全てを出させるということだ。
「このゲームで終わらせるつもりか…。…だが、後ろの二人はそれでいいのか?」
「わたしは賭け事向きの性格をしていない……けっこう熱くなるタイプだからな。しかし承太郎を信じている…。承太郎に賭けてくれと頼まれれば信じて賭けよう。わたしの魂だろうと何だろうと」
「私もアヴドゥルさんと同じ。よく顔に出やすいって言われるし……なにより、あなた相手に冷静に戦えると思えないから。…だから、承太郎くんを信じるよ」
そう答える二人に、緊張感で頭がおかしくなったか?と言いかけたダービーの言葉を遮ったのは承太郎の声。
「さらに、花京院の魂も賭けよう」
再びのレイズに、さすがにアヴドゥルが待ったをかける。
「じょ、承太郎! この場にいない男の魂だぞ!」
「勝手すぎるかな…」
そう腕を組む承太郎の口元には、いつの間にか火のついた煙草があった。
「おい、承太郎! 今なにをしたんだ!?」
「何をしたって……何のことかな…。それよりも、ここにはいない仲間の魂を賭けたんだ。お前にもそれに見合ったものを賭けてもらうぜ」
不可解な承太郎の行動、目にも止まらぬスタープラチナの速さ、そして仲間の魂を次々と賭ける勢いに、ダービーは承太郎がスタープラチナでイカサマをしているのではないかと疑う。
「てめーに、DIOのスタンドの秘密をしゃべってもらう…」
その言葉に、ダービーは激しく動揺した。呼吸は乱れ、汗でぐっしょりとぬれたその姿は、先ほどまで余裕綽々だった男とは思えないほどだ。
「さあ! 賭けるコールか! 賭けないドロップのか! ハッキリ言葉に出して言ってもらおうッ!」
恐怖から息が荒くなり、過呼吸状態になるダービー。その切迫した緊張感の中、目の焦点が合わなくなり、とうとう白目になった。
追い詰められた男は、結局コールもドロップも言えないまま、立ったまま気絶した。その様子を見て、弥子は目の前の男がどうしようもなく哀れに感じた。
(自分に自信があって、なのに才能を自分のためにしか使えない人って、悲しいな…。その自信が崩れたとき、誰も助けてくれないんだもん。…たぶん、そうゆうところに付け入ってくるんだろうな。DIOっていうヒトは)
ダービーが心の中で負けを認めたため、ジョセフとポルナレフの魂が戻ってきた。
アヴドゥルがダービーのカードを見ると、それはKのフォアカード。それに対する承太郎のカードは、ブタだった。
「承太郎くんって…すごい精神力だね。私には真似できないや…」
「ああ、ある意味恐ろしいやつだよ、お前は」
敗北して頭がおかしくなったのか、ダービーは自らコレクションブックの魂を解放した。まるで幼児退行したかのような姿からは、賭博師としての威厳はなかった。
