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第19話 影【せとしん】

 目を負傷した花京院を残し、ジョースター一行は旅を進めた。
 エドフにて刀のスタンド、「アヌビス神」との戦いで承太郎とポルナレフが負傷した。いわく、策や術を使わない正統派スタンドだったらしく、かなり苦戦したようだ。

 そして一行は、「死者の都」と呼ばれるネクロポリスまでやってきた。先日のアヌビス神との戦いもあり、全員何かしらの怪我を負っている。DIOと戦うには不十分と言える状態だ。そこで一行はルクソールに滞在して傷を癒やそうという結論に達した。


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 ルクソールのホテルに泊まった翌日、承太郎、ポルナレフ、弥子の三人はアヴドゥルとジョセフが起きてくるのを待っていた。
 途中ジョセフと同室だったアヴドゥルが様子を確認しに行った、が、それ以来二人とも降りてくる気配がない。


 ぐきゅるるるぅ~。ぐぅおぅるるるぅ~。

「ヤコ。お前のその腹の虫、どうにかならねえのか~?」
「う…ごめん、ポルナレフさん。お腹すいちゃって…」

 盛大にお腹の音を鳴らす弥子を、ポルナレフがからかう。

「確かオメー、食ったもんがそのままスタンドに影響する、とか言ってなかったか」
「えっ、そうなの?」

 承太郎の言葉に、ポルナレフが驚く。

「うん、実はそうなんだ。今まではなにかしら間食用に持ち歩いてたんだけど、今なにも持ってなくてさ…。この状態で敵に襲われたら、ちょっとやばいかも……」
「なるほどなー。お前のスタンドって便利な能力が多いけど、不便なとこも多いよな」
「まあね」

 苦笑する弥子。

「…にしても、じじいとアヴドゥル、やはり遅すぎるな…」
「確かに。いつもならもうとっくに準備できてるはずなのに…」
「敵と遭遇しているのかもしれん」
「ちょいと見に行ったほうがいいかな」
「ああ。やれやれだがな」

 三人はイギーを連れて、ジョセフとアヴドゥルを探しに行った。


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 しばらく町を散策していると、弥子はポルナレフがいないことに気づいた。

「あれ? 承太郎くん、ポルナレフさんとはぐれちゃったみたい」
「…やれやれだ。探す対象が一人増えたな」
「もー、どこに行ったのかなー。ポルナレフさーん」

 ぐねぐねと曲がり角の多い道を、承太郎と弥子は周囲を見まわしながら歩いていた。
 すると、ドンッと子供が承太郎の足にぶつかる。

「わっ、君だいじょうぶ? 怪我はない?」
「…えっ、あっ…ヤ…えーと…ヤウ…ヤエ…」
「?」

 その子供は弥子を見てなにかを言おうとしている、がまるで言葉が出てこないかのようにどもった。

「おい、ぼうや…。今、この辺でフランス人の男を見なかったか? 身長はこのぐらいで、君にちょっと似た髪型をしているんだが…」
「! そっ、それはぼくだッ! ぼくっ、ぼくっ」

 承太郎の言葉に、少年は自分を指さして主張した。

「やれやれ。子供に聞いたのが間違いだったぜ」

 承太郎はそう言って、立ち去ろうとした。

「待って、承太郎くん」

 弥子の声に、承太郎が振り向く。

「この子、ポルナレフさんとなにか関係しているのかもしれない」
「えっ」
「あ?」
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