第17話 偽【おんなきょうこう】
紅海を渡る潜水艦の中。
地図を確認しながらの海路の途中、花京院が人数分のコーヒーを淹れた。
人数は六。しかしカップは七。
「おい…花京院。なぜカップを七つ出す? 六人だぜ」
「おかしいな。うっかりしてたよ」
「私が二杯飲んでもいい?」
弥子がそう言ったとき、ジョセフが持つカップが変化してジョセフの義手を破壊した。
数え間違えたかと思われたそれは、女教皇ハイプリエステスのスタンドによる偽装だった。
「じ…じじいッ!」
「ジョースターさん!」
ジョセフを攻撃した女教皇ハイプリエステスは潜水艦の計器の一つに化けた。
ジョセフが負った傷は首筋への攻撃のみ。右手は義手だったため、難を逃れた。
アヴドゥルによると女教皇ハイプリエステスは金属やガラスなどの鉱物なら何にでも化けられるという。
その上女教皇ハイプリエステスは潜水艦の壁に穴を開け、浮上システムを破壊していた。
承太郎があたりをつけて計器の一つを破壊しようとするが、女教皇ハイプリエステスはすでに移動していた。
花京院が傷を負い、それを見た承太郎が女教皇ハイプリエステスを攻撃しようとする。しかし女教皇ハイプリエステスはすぐに潜水艦の壁に溶け込み、行方がわからなくなった。
「みんな、隣の部屋へ行くんだッ! 密室にして閉じ込めるんだ!」
アヴドゥルが隣へ行くドアのノブをつかむと、それはすでに女教皇ハイプリエステスが化けていたものだった。
アヴドゥルを攻撃しようとしていた女教皇ハイプリエステスを、承太郎の星の白金スタープラチナが捕まえる。
「こいつをどうする?」
「承太郎! 躊躇するんじゃあねーッ。早く首を引きちぎるんだ!」
「アイアイサー」
しかし、承太郎の手の中にいた女教皇ハイプリエステスはカミソリに化けて星の白金スタープラチナの手を攻撃する。
「承太郎に一杯食わせるなんて……なんて敵だ」
「かまうな承太郎! また化けはじめるぞッ!」
笑いながら壁の中に溶けるように消えていく女教皇ハイプリエステスを放って、全員で隣室へ逃げ込んだ。
▼▲▼▲▼
潜水艦から脱出するため、スキューバダイビングをすることになった。
目を覚ましたジョセフがダイビング未経験者に注意事項を伝える。
船内に水を入れて徐々に加圧していき、レギュレーターを装備して、準備する。
そのとき、ポルナレフのレギュレーターに化けた女教皇ハイプリエステスが、ポルナレフの体内に入ってしまった。
花京院とジョセフがスタンドを使ってポルナレフを助けると、敵は今度は水中銃に化けて襲ってきた。間一髪で逃れ、水中に出る。
背後を警戒しながら紅海を泳ぐ中、ポルナレフがぽつりと呟いた。
「なんて美しい海底だ……ただのレジャーで来たかったもんだぜ…」
「わかるよ…。時間さえあれば、また息継ぎせずに貝をどれだけ食べられるか挑戦できたのになぁ」
(また!? やったことあるのか!?)
(相変わらずぶっ飛んだ発想だぜ…)
女教皇ハイプリエステスが追ってくる様子はなく、岩伝いに泳いで上陸しようとした一行を、岩が吸い込んだ。女教皇ハイプリエステスは巨大な岩に化けて、一行を先回りしていたのだ。
女教皇ハイプリエステスに飲み込まれ、口の中に放り込まれる。
ぐるりと囲む岩壁から、スピーカーを通したような巨大な女の声が響き渡った。
「承太郎! お前は私の好みのタイプだから心苦しいわね…。私のスタンド『女教皇ハイプリエステス』で消化しなくっちゃあならないなんて!」
女教皇ハイプリエステスの声が響く中で、ポルナレフが承太郎になにやら耳打ちをしていた。
(ヤレヤレ、言うのか)
(いいから早く言え)
「…一度あんたの素顔を見てみたいもんだな。俺の好みのタイプかもしれねーしよ。恋に落ちる、か、も」
ちょっとときめいたような反応が返ってきた。
「お…俺はきっと素敵な美人だと思うぜ。もう声でわかるんだよな、俺は」
「うむ。なにか高貴な印象を受ける」
「女優のA・ヘプバーンの声に似てませんか?」
「わしも三十歳若ければなあ」
それを見た男性陣が次々と女教皇ハイプリエステスをほめる言葉を投げかけていく。
(あんまり言うとわざとらしくなっちゃうんじゃあ…)
「きっさまらーーーッ! 心から言っとらんなああーー! ぶっ殺すッ!」
(やっぱり!)
「Holy shiiit!」
怒りの声と共にスタンドの舌が迫いくる。岩で構成された舌に殴られた承太郎が倒れこんだ先にスタンドの歯が待ち受けていた。
「承太郎を助けろッ!」
潰されかけている承太郎を助けるため、各々のスタンドを出す。
「城壁の苔イビルサラウンダー!」
弥子もスタンドの髪を目と口のついた植物のような形状に変えて伸ばすが、それが届く前に承太郎は歯と歯の間に挟まれてしまった。
「承太郎!」
一瞬、絶望的な空気が流れるが、ジョセフがなにか音がすることに気づいた。
それは星の白金スタープラチナが女教皇ハイプリエステスの歯を破壊する音だった。
「やれやれ。ちとカルシウム不足のダイヤモンドだったようだな」
承太郎が歯を破壊したことによって、一行はスタンドの中から脱出し、海へと戻った。
一行が海岸へ到着すると、一人の女性が倒れているのに気づく。
女教皇ハイプリエステスの本体、ミドラーだ。
ポルナレフが確認してきたが、ミドラーは再起不能。歯が全部折れていたそうだ。
地図を確認しながらの海路の途中、花京院が人数分のコーヒーを淹れた。
人数は六。しかしカップは七。
「おい…花京院。なぜカップを七つ出す? 六人だぜ」
「おかしいな。うっかりしてたよ」
「私が二杯飲んでもいい?」
弥子がそう言ったとき、ジョセフが持つカップが変化してジョセフの義手を破壊した。
数え間違えたかと思われたそれは、女教皇ハイプリエステスのスタンドによる偽装だった。
「じ…じじいッ!」
「ジョースターさん!」
ジョセフを攻撃した女教皇ハイプリエステスは潜水艦の計器の一つに化けた。
ジョセフが負った傷は首筋への攻撃のみ。右手は義手だったため、難を逃れた。
アヴドゥルによると女教皇ハイプリエステスは金属やガラスなどの鉱物なら何にでも化けられるという。
その上女教皇ハイプリエステスは潜水艦の壁に穴を開け、浮上システムを破壊していた。
承太郎があたりをつけて計器の一つを破壊しようとするが、女教皇ハイプリエステスはすでに移動していた。
花京院が傷を負い、それを見た承太郎が女教皇ハイプリエステスを攻撃しようとする。しかし女教皇ハイプリエステスはすぐに潜水艦の壁に溶け込み、行方がわからなくなった。
「みんな、隣の部屋へ行くんだッ! 密室にして閉じ込めるんだ!」
アヴドゥルが隣へ行くドアのノブをつかむと、それはすでに女教皇ハイプリエステスが化けていたものだった。
アヴドゥルを攻撃しようとしていた女教皇ハイプリエステスを、承太郎の星の白金スタープラチナが捕まえる。
「こいつをどうする?」
「承太郎! 躊躇するんじゃあねーッ。早く首を引きちぎるんだ!」
「アイアイサー」
しかし、承太郎の手の中にいた女教皇ハイプリエステスはカミソリに化けて星の白金スタープラチナの手を攻撃する。
「承太郎に一杯食わせるなんて……なんて敵だ」
「かまうな承太郎! また化けはじめるぞッ!」
笑いながら壁の中に溶けるように消えていく女教皇ハイプリエステスを放って、全員で隣室へ逃げ込んだ。
▼▲▼▲▼
潜水艦から脱出するため、スキューバダイビングをすることになった。
目を覚ましたジョセフがダイビング未経験者に注意事項を伝える。
船内に水を入れて徐々に加圧していき、レギュレーターを装備して、準備する。
そのとき、ポルナレフのレギュレーターに化けた女教皇ハイプリエステスが、ポルナレフの体内に入ってしまった。
花京院とジョセフがスタンドを使ってポルナレフを助けると、敵は今度は水中銃に化けて襲ってきた。間一髪で逃れ、水中に出る。
背後を警戒しながら紅海を泳ぐ中、ポルナレフがぽつりと呟いた。
「なんて美しい海底だ……ただのレジャーで来たかったもんだぜ…」
「わかるよ…。時間さえあれば、また息継ぎせずに貝をどれだけ食べられるか挑戦できたのになぁ」
(また!? やったことあるのか!?)
(相変わらずぶっ飛んだ発想だぜ…)
女教皇ハイプリエステスが追ってくる様子はなく、岩伝いに泳いで上陸しようとした一行を、岩が吸い込んだ。女教皇ハイプリエステスは巨大な岩に化けて、一行を先回りしていたのだ。
女教皇ハイプリエステスに飲み込まれ、口の中に放り込まれる。
ぐるりと囲む岩壁から、スピーカーを通したような巨大な女の声が響き渡った。
「承太郎! お前は私の好みのタイプだから心苦しいわね…。私のスタンド『女教皇ハイプリエステス』で消化しなくっちゃあならないなんて!」
女教皇ハイプリエステスの声が響く中で、ポルナレフが承太郎になにやら耳打ちをしていた。
(ヤレヤレ、言うのか)
(いいから早く言え)
「…一度あんたの素顔を見てみたいもんだな。俺の好みのタイプかもしれねーしよ。恋に落ちる、か、も」
ちょっとときめいたような反応が返ってきた。
「お…俺はきっと素敵な美人だと思うぜ。もう声でわかるんだよな、俺は」
「うむ。なにか高貴な印象を受ける」
「女優のA・ヘプバーンの声に似てませんか?」
「わしも三十歳若ければなあ」
それを見た男性陣が次々と女教皇ハイプリエステスをほめる言葉を投げかけていく。
(あんまり言うとわざとらしくなっちゃうんじゃあ…)
「きっさまらーーーッ! 心から言っとらんなああーー! ぶっ殺すッ!」
(やっぱり!)
「Holy shiiit!」
怒りの声と共にスタンドの舌が迫いくる。岩で構成された舌に殴られた承太郎が倒れこんだ先にスタンドの歯が待ち受けていた。
「承太郎を助けろッ!」
潰されかけている承太郎を助けるため、各々のスタンドを出す。
「城壁の苔イビルサラウンダー!」
弥子もスタンドの髪を目と口のついた植物のような形状に変えて伸ばすが、それが届く前に承太郎は歯と歯の間に挟まれてしまった。
「承太郎!」
一瞬、絶望的な空気が流れるが、ジョセフがなにか音がすることに気づいた。
それは星の白金スタープラチナが女教皇ハイプリエステスの歯を破壊する音だった。
「やれやれ。ちとカルシウム不足のダイヤモンドだったようだな」
承太郎が歯を破壊したことによって、一行はスタンドの中から脱出し、海へと戻った。
一行が海岸へ到着すると、一人の女性が倒れているのに気づく。
女教皇ハイプリエステスの本体、ミドラーだ。
ポルナレフが確認してきたが、ミドラーは再起不能。歯が全部折れていたそうだ。
