このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第♯♯♯話 幕間【にちじょう】

 これは、弥子が小学校高学年の頃の話。

「弥子、お父さんと一緒にキノコ狩りに行かないか?」
「マジで!? 行くー!」

 弥子の父、桂木遥一よういちが趣味の山登り兼キノコ狩りに弥子を誘い、おいしいものに目がない弥子は喜んでついていったのだった。



 当日。

「いいかい、弥子。キノコ狩りや山菜採りは高尚な大人の趣味なんだ」

 ナメコ、ナラタケ、ヒラタケ、ムキタケ、マイタケなど、メジャーかつ比較的採取しやすいキノコを次々と見つける弥子を、いさめるように遥一が言う。

「山を知り、自然を知り、人を知る。全ての知識が揃ったときに……見つけた!」

 遥一が木の根元にある落ち葉をかき分けて手に取ったのは、

「ははは、見てごらん弥子! 一日かけて探せばこんなものも見つかるんだ!」



「マツタケ」
学名:Tricholoma matsutake
レア度:★★★★★
カサの直径:10cm
推奨料理:土瓶蒸し、松茸ご飯など



「うん、キノコ狩りって楽しいね!」

 それに対して弥子が手にしていたのは、



「コウタケ」
学名:Sarcodon aspratus
レア度:★★★★★★
カサの直径:21cm
推奨料理:煮物、炒め物など



 地域によってはマツタケよりも高価とされるコウタケだった。



「それで、ビギナーズラックがお父さんのプライド傷つけちゃったみたいで、周りのキノコを採り終わった頃には帰ってたんだ」
「そ、そうか。なかなかハードな子供時代を送ったんじゃな」
「なんつーか、みみっちいヤローだな」
「たまたまマグレで見つけただけなんだけどね…」
6/7ページ
スキ