第♯♯♯話 幕間【にちじょう】
「そういえば、弥子ちゃん。聞きたいことがあるんだがいいかい? 言いたくなければ別に構わないんだが…」
これは旅の道中、花京院が弥子に質問したときのことだった。
「なーに、花京院くん? 私が分かることだったら何でも答えるよ!」
「ありがとう。その、君は以前、DIOに似た知り合いがいる、と言ってましたよね。その知り合いというのがどういう人なのか、少し気になって…」
「あー……」
少し遠い目をした弥子に、花京院は少し慌てて、
「いや、ほんとに嫌だったらいいんだ! もう聞かないから」
「ううん、別に嫌じゃないよ。そっかー、確かに気になるよね」
そこに会話が気になったのか、ポルナレフも話に入ってきた。
「なにぃー? ヤコ、お前そんなヤバい知り合いいんの?」
「ポルナレフ! 言い方ってもんがあるだろう!」
「いいよ。実際ヤバい奴だったし、あいつ」
ポルナレフをたしなめる花京院に、弥子は苦笑して答えた。しかし予想に反して、弥子は懐かしそうな笑顔を浮かべている。その表情に幾分か安心して、男性陣は質問を続けた。
「で、どんな奴なんだ? そいつは」
承太郎に促されて、弥子は思い出しながらかつての相棒の特徴を挙げていく。
「うーん、まずすごい理不尽でしょ。私がおいしい料理食べてるときでも構わず自分の都合優先するし」
「あー、いるよな、そういうやつ」
「あとすっごいドS! 一日平均10DVくらわしてくるし」
「ん? DVって単位だっけ?」
「あいつのせいで無駄にプロレス技に詳しくなったし」
「え、あの、弥子ちゃん?」
「怖い金融会社に置き去りにされたときはさすがにびびったなー。まあメロンもらったから別にいいけど」
「いや、メロンで許すのかよ」
「というか、金融会社に置き去りって何したんだそいつは」
「あ、別にネウロが借金したわけじゃないよ? そこでちょっと謎解きしただけ」
「ネウロ? そいつの名前か、それ?」
「うん」
少し目を伏せて話す弥子の表情は、どうしようもない子どもを見る母親のようなやわらかさと、ほんの少しの寂しさを含んでいた。
「あいつに連れ回されて、いろんなことに巻き込まれたけど…」
けれど一呼吸置いて上を向いたときには、いつもの無邪気な笑顔に戻っていた。
「そのおかげでいろんな人に出会えたから、あいつには感謝してるんだ」
キラキラの宝石箱に蓋をするように、弥子は思い出を胸にしまう。
出会わなければよかった、なんて、もう二度と言いたくないから。
「まあ、お前がいいなら別にいいが…」
「なんか困ったことあったら言えよ? いつでも助けになるからな?」
「弥子ちゃん、恋人を選ぶときは慎重にね?」
それを聞いた三人は色々言いたいことを我慢して、それぞれ身を案じるに務めたのだった。
(なんか勘違いされた気がする…)
これは旅の道中、花京院が弥子に質問したときのことだった。
「なーに、花京院くん? 私が分かることだったら何でも答えるよ!」
「ありがとう。その、君は以前、DIOに似た知り合いがいる、と言ってましたよね。その知り合いというのがどういう人なのか、少し気になって…」
「あー……」
少し遠い目をした弥子に、花京院は少し慌てて、
「いや、ほんとに嫌だったらいいんだ! もう聞かないから」
「ううん、別に嫌じゃないよ。そっかー、確かに気になるよね」
そこに会話が気になったのか、ポルナレフも話に入ってきた。
「なにぃー? ヤコ、お前そんなヤバい知り合いいんの?」
「ポルナレフ! 言い方ってもんがあるだろう!」
「いいよ。実際ヤバい奴だったし、あいつ」
ポルナレフをたしなめる花京院に、弥子は苦笑して答えた。しかし予想に反して、弥子は懐かしそうな笑顔を浮かべている。その表情に幾分か安心して、男性陣は質問を続けた。
「で、どんな奴なんだ? そいつは」
承太郎に促されて、弥子は思い出しながらかつての相棒の特徴を挙げていく。
「うーん、まずすごい理不尽でしょ。私がおいしい料理食べてるときでも構わず自分の都合優先するし」
「あー、いるよな、そういうやつ」
「あとすっごいドS! 一日平均10DVくらわしてくるし」
「ん? DVって単位だっけ?」
「あいつのせいで無駄にプロレス技に詳しくなったし」
「え、あの、弥子ちゃん?」
「怖い金融会社に置き去りにされたときはさすがにびびったなー。まあメロンもらったから別にいいけど」
「いや、メロンで許すのかよ」
「というか、金融会社に置き去りって何したんだそいつは」
「あ、別にネウロが借金したわけじゃないよ? そこでちょっと謎解きしただけ」
「ネウロ? そいつの名前か、それ?」
「うん」
少し目を伏せて話す弥子の表情は、どうしようもない子どもを見る母親のようなやわらかさと、ほんの少しの寂しさを含んでいた。
「あいつに連れ回されて、いろんなことに巻き込まれたけど…」
けれど一呼吸置いて上を向いたときには、いつもの無邪気な笑顔に戻っていた。
「そのおかげでいろんな人に出会えたから、あいつには感謝してるんだ」
キラキラの宝石箱に蓋をするように、弥子は思い出を胸にしまう。
出会わなければよかった、なんて、もう二度と言いたくないから。
「まあ、お前がいいなら別にいいが…」
「なんか困ったことあったら言えよ? いつでも助けになるからな?」
「弥子ちゃん、恋人を選ぶときは慎重にね?」
それを聞いた三人は色々言いたいことを我慢して、それぞれ身を案じるに務めたのだった。
(なんか勘違いされた気がする…)
