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第9話 吊【つられたおとこ】

「見つけた!」

 昨日の夜のうちにホテルで話し合った結果、ポルナレフを探すことに決めた一行はカルカッタの町を探索していた。
 弥子は魔界の凝視虫イビルフライデーで町中をくまなく探し、ポルナレフが敵のスタンド使い(と思われる男)と対峙しているのを発見した。

「どこだ!?」
「ちょっと遠い! こっちの通りから行けそう!」

 走りながら弥子は魔界の凝視虫イビルフライデーを通して、ポルナレフと敵が戦うのを見る。
 敵が放った弾丸がポルナレフに届きそうになったとき、アヴドゥルがポルナレフを助けた。どうやら地の利があるアヴドゥルが真っ先に駆けつけたようだ。
 しかし……。

「………ぇ」

 急に立ち止まった弥子を、承太郎とジョセフは訝しげに見る。

「どうした! 桂木!」

 弥子は顔面蒼白になって、呟いた。

「アヴドゥルさんが、………撃たれた」


▼▲▼▲▼


「アヴドゥルさん!」
「アヴドゥル…! なんということじゃ…!」
「待ちな。まだ息があるぜ!」

 数分後。
 現場に駆けつけた三人は額から血を流して倒れているアヴドゥルを発見した。
 一瞬、絶望的な空気が流れるが、アヴドゥルがまだ生きていることに気づいた承太郎により、ジョセフは冷静な年長者の顔つきになって指示を出した。

「SPW財団に連絡じゃ! 電話を探せ!」
「すぐそこの通りにあったよ!」
「承太郎、連絡を頼む! 桂木、お前はアヴドゥルの応急処置を手伝ってくれ」
「ああ」
「はい!」

 SPW財団が到着するまでの間、応急処置を施した二人。そして弥子は、アヴドゥルのそばにスタンドを出現させた。

「『イルミネイト・スルー・ロンリネス』、…『治癒の失速イビルストール』」

 傍らに出現した弥子のスタンドがアヴドゥルの首回りにストールをかけた。

「なんじゃ、それは?」
「私のスタンドの能力の一部です。これを着けてじっとしていると、少しずつ傷が治るんです」
「そんなことまでできるのか」
「でも、気休め程度だし…。これでどれだけもつか…」

 不安げに呟く弥子の肩を、承太郎が励ますように叩いた。

「SPW財団がこちらに向かっている。そいつらにアヴドゥルを頼んだら、すぐに花京院とポルナレフに合流するぜ。…どこにいるか、わかるな?」
「うん。花京院くんの服のポケットに魔界の凝視虫イビルフライデーを入れてもらってるから、分かるよ」
「…ところで二人とも。ひとつ提案なんじゃが…」


▼▲▼▲▼


「野郎! 逃げる気かッ!」

 勝ち目がないと察して逃亡を図るホル・ホース。それを殴って止めたのは承太郎だった。

「ジョースターさん! 承太郎!」
「アヴドゥルのことはすでに知っている。彼の遺体は簡素ではあるが埋葬してきたよ」

 なお逃げようとするホル・ホースを攻撃しようとしたポルナレフだったが、突然現れた女性によって身動きが取れなくなってしまった。
 無関係の女性に攻撃できないポルナレフがもだもだとしているうちに、ホル・ホースは馬に乗って逃走してしまった。

 仲間が一人離脱し、ポルナレフが再び加わる。
 絆を深めたジョースター一行は、エジプトへの旅を再開したのだった。
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