第5話 月【ぐんじょう】
香港を出るためチャーター船に乗った一行は、各々くつろいでいた。
甲板には燦々とした太陽光が照りつけている。
「しかしお前らな~その学生服はなんとかならんのか~! その格好で旅を続けるのか。クソ暑くないの?」
「僕らは学生でして…ガクセーはガクセーらしくですよ」
「フン」
「いや、私はまだスカートだからマシだけど…。上着くらい脱いだほうがいいんじゃない、熱中症になる前に」
和気藹々と船旅を満喫しようとしていたその時、子供の叫び声が聞こえた。船員によれば、どうやら密航者がいたようだ。
その子供は船員の腕を振りほどいて海に逃亡を図る。しかし、この辺りはサメが集まる海域らしく、既にその子供の近くにサメが泳いでいた。間一髪のところで承太郎の星の白金スタープラチナがサメを撃退する。
承太郎が子供を連れて船まで戻ろうとしたとき、海面下に奇妙な影が映った。サメではない。ヒレのついた手に、横に裂けた不気味な口、怪しく光る目を持ったそれは、とてつもないスピードで承太郎たちに迫った。
花京院が法皇の緑ハイエロファントグリーンで二人を船上に引っ張り上げたことで、事なきを得たが、明らかなスタンド攻撃であった。そしてその本体が見えないことに、一行は疑心暗鬼になる。真っ先に疑われたのは、密航者である子どもーー少女だった。
他のメンバーが少女に質問して正体を見極めようとする中、弥子は一人後ろに下がり、周囲に見えないようにスタンドを出現させた。
(『イルミネイト・スルー・ロンリネス』……魔界の凝視虫イビルフライデー)
鋭い歯が並ぶスタンドの口から、白くて丸い何かの集合体のようなものが、大量のよだれや胃液とともに吐き出される。スタンドの手に受け止められたそれは目玉の形をした虫となってガチャガチャと動き出し、船上や船内に散らばっていった。
スタンドを消した弥子は、誰にも見られていないといいけど…と周囲を確認する。
(どこに敵スタンド使いがいるか分からないし…あとみんなに見られたらドン引きされそうだし…)
自己中な魔人のせいでグロテスクなものを見慣れてしまった自分に、弥子は少し悲しくなった。
甲板には燦々とした太陽光が照りつけている。
「しかしお前らな~その学生服はなんとかならんのか~! その格好で旅を続けるのか。クソ暑くないの?」
「僕らは学生でして…ガクセーはガクセーらしくですよ」
「フン」
「いや、私はまだスカートだからマシだけど…。上着くらい脱いだほうがいいんじゃない、熱中症になる前に」
和気藹々と船旅を満喫しようとしていたその時、子供の叫び声が聞こえた。船員によれば、どうやら密航者がいたようだ。
その子供は船員の腕を振りほどいて海に逃亡を図る。しかし、この辺りはサメが集まる海域らしく、既にその子供の近くにサメが泳いでいた。間一髪のところで承太郎の星の白金スタープラチナがサメを撃退する。
承太郎が子供を連れて船まで戻ろうとしたとき、海面下に奇妙な影が映った。サメではない。ヒレのついた手に、横に裂けた不気味な口、怪しく光る目を持ったそれは、とてつもないスピードで承太郎たちに迫った。
花京院が法皇の緑ハイエロファントグリーンで二人を船上に引っ張り上げたことで、事なきを得たが、明らかなスタンド攻撃であった。そしてその本体が見えないことに、一行は疑心暗鬼になる。真っ先に疑われたのは、密航者である子どもーー少女だった。
他のメンバーが少女に質問して正体を見極めようとする中、弥子は一人後ろに下がり、周囲に見えないようにスタンドを出現させた。
(『イルミネイト・スルー・ロンリネス』……魔界の凝視虫イビルフライデー)
鋭い歯が並ぶスタンドの口から、白くて丸い何かの集合体のようなものが、大量のよだれや胃液とともに吐き出される。スタンドの手に受け止められたそれは目玉の形をした虫となってガチャガチャと動き出し、船上や船内に散らばっていった。
スタンドを消した弥子は、誰にも見られていないといいけど…と周囲を確認する。
(どこに敵スタンド使いがいるか分からないし…あとみんなに見られたらドン引きされそうだし…)
自己中な魔人のせいでグロテスクなものを見慣れてしまった自分に、弥子は少し悲しくなった。
