真実を映す鏡 1
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ベンチに座って桜の木を眺める。冷たい風が頬を撫でる。その冷たさに思わず体がブルッと震えた。
「……寒い」
そろそろ病室に戻ろう。
ここ最近、白哉は会いに来ない。それに加えて私の体調も日に日に悪くなっていく。父と母は私の病院代を稼ぐため日夜問わず仕事をしていて、なかなか会えない。
寂しい――。
そこまで考えてブンブンと首を横に振った。
弱気になっては駄目。さぁ、病室に戻らないと。
足を進めた。その瞬間、唐突に目の前に白哉が現れる。
「っ!!! びっ、びっくりした!!!」
急に現れないで欲しい。冗談抜きで心臓が止まりそうになる。
そんな私と裏腹に白哉の顔はどこか暗い。
「どうしたの」
「…………」
「……白哉?」
私が問いかけても白哉は暗い顔をして無言のままだ。だが、しばらくするとゆっくりと口を開いた。
「妹が……。妹が、処刑される」
「!?」
白哉に妹がいたという事実に驚く。白哉の口調から、妹のことを大切にしているのだろう。
だがそれよりも何故処刑されるのか、処刑されると分かっているのにこんなところで何をしているのかという疑問の方が大きかった。
「そのためしばらくは……いや、おそらくもう会えぬ」
「……っ」
もう会えない――。その言葉に胸がズキリと痛む。けれどそれ以上に……。
「そんなことどうでもいいよ! なんでっ、こんなところにいるの!? 今すぐにでもっ、その妹さんを助けに行って!!!」
頭に血が上る。
「なんでっ! …………ゴホッゴホッ」
「紫乃っ」
白哉はすぐさま後ろにまわり、咳込んだ私の背中を優しくさする。やがて私の咳が落ち着くと、白哉は「妹を助けにはいけぬ」と視線をわずかに下げる。
「隊長だからだ」
「隊長?」
「死神をまとめる護廷十三隊のうちの、六番隊隊長。そして朽木家当主だからだ」
私にはその肩書の凄さは分からない。けれど。白哉の言葉には重みがあった。
「…………そんなに妹さんは悪いことをしてしまったの?」
「人間に死神の力を渡した」
「? それってそんなに……」
「重罪だ」
思わず黙り込んでしまう。
何とか、何とかして。助ける方法はないの?
会った事は無いけれど。白哉の妹さんだ。超がつくほどの堅物大真面目な白哉、の妹さんだ。やむを得ない事情があったに違いない。
何とか助ける方法は……。
ハッと閃く。
白哉が助けられないなら……。
「その死神の力をもらった人に助けてもらうっていうのは?」
我ながらナイスアイデアだと思ったけれど。
「それは無理だ。私が斬った」と一蹴される。
「斬った!?」
斬ったって、斬ったって。こ、殺したってこと、だよね。
……あれ? でも。私の記憶能力によると。
病院で暇つぶしに読んでいる新聞や地方紙には、殺人事件は一つも載っていなかった。
私はおそるおそる白哉に尋ねる。
「白哉。そのー。斬った人の名前って……」
「名は黒崎 一護だ」
「っ! それって」
幽霊が見える同士同盟の友! それに一護、死んでないし。
一護なら、一護だったら――――。きっと妹さんを助けてくれる。
目の前の困っている人を見捨てられるほど、薄情な人じゃない。
「大丈夫」
「……?」
「大丈夫だよ。その妹さんのこと、きっと。ううん。絶対。大丈夫」
私の言葉に白哉の瞳がわずかに瞬いた。口元にわずかに笑みが広がる。
「そう、か。不思議だ。紫乃にそう言われると、本当に大丈夫な気がしてくる」
「うん。だから、白哉は白哉のすべきことをして。あ、それと」
大事なことを聞き忘れていた。
「その妹さんの名前って何?」
「朽木 ルキアだ」
「……寒い」
そろそろ病室に戻ろう。
ここ最近、白哉は会いに来ない。それに加えて私の体調も日に日に悪くなっていく。父と母は私の病院代を稼ぐため日夜問わず仕事をしていて、なかなか会えない。
寂しい――。
そこまで考えてブンブンと首を横に振った。
弱気になっては駄目。さぁ、病室に戻らないと。
足を進めた。その瞬間、唐突に目の前に白哉が現れる。
「っ!!! びっ、びっくりした!!!」
急に現れないで欲しい。冗談抜きで心臓が止まりそうになる。
そんな私と裏腹に白哉の顔はどこか暗い。
「どうしたの」
「…………」
「……白哉?」
私が問いかけても白哉は暗い顔をして無言のままだ。だが、しばらくするとゆっくりと口を開いた。
「妹が……。妹が、処刑される」
「!?」
白哉に妹がいたという事実に驚く。白哉の口調から、妹のことを大切にしているのだろう。
だがそれよりも何故処刑されるのか、処刑されると分かっているのにこんなところで何をしているのかという疑問の方が大きかった。
「そのためしばらくは……いや、おそらくもう会えぬ」
「……っ」
もう会えない――。その言葉に胸がズキリと痛む。けれどそれ以上に……。
「そんなことどうでもいいよ! なんでっ、こんなところにいるの!? 今すぐにでもっ、その妹さんを助けに行って!!!」
頭に血が上る。
「なんでっ! …………ゴホッゴホッ」
「紫乃っ」
白哉はすぐさま後ろにまわり、咳込んだ私の背中を優しくさする。やがて私の咳が落ち着くと、白哉は「妹を助けにはいけぬ」と視線をわずかに下げる。
「隊長だからだ」
「隊長?」
「死神をまとめる護廷十三隊のうちの、六番隊隊長。そして朽木家当主だからだ」
私にはその肩書の凄さは分からない。けれど。白哉の言葉には重みがあった。
「…………そんなに妹さんは悪いことをしてしまったの?」
「人間に死神の力を渡した」
「? それってそんなに……」
「重罪だ」
思わず黙り込んでしまう。
何とか、何とかして。助ける方法はないの?
会った事は無いけれど。白哉の妹さんだ。超がつくほどの堅物大真面目な白哉、の妹さんだ。やむを得ない事情があったに違いない。
何とか助ける方法は……。
ハッと閃く。
白哉が助けられないなら……。
「その死神の力をもらった人に助けてもらうっていうのは?」
我ながらナイスアイデアだと思ったけれど。
「それは無理だ。私が斬った」と一蹴される。
「斬った!?」
斬ったって、斬ったって。こ、殺したってこと、だよね。
……あれ? でも。私の記憶能力によると。
病院で暇つぶしに読んでいる新聞や地方紙には、殺人事件は一つも載っていなかった。
私はおそるおそる白哉に尋ねる。
「白哉。そのー。斬った人の名前って……」
「名は黒崎 一護だ」
「っ! それって」
幽霊が見える同士同盟の友! それに一護、死んでないし。
一護なら、一護だったら――――。きっと妹さんを助けてくれる。
目の前の困っている人を見捨てられるほど、薄情な人じゃない。
「大丈夫」
「……?」
「大丈夫だよ。その妹さんのこと、きっと。ううん。絶対。大丈夫」
私の言葉に白哉の瞳がわずかに瞬いた。口元にわずかに笑みが広がる。
「そう、か。不思議だ。紫乃にそう言われると、本当に大丈夫な気がしてくる」
「うん。だから、白哉は白哉のすべきことをして。あ、それと」
大事なことを聞き忘れていた。
「その妹さんの名前って何?」
「朽木 ルキアだ」
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