真実を映す鏡 1
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紅葉が散って、桜の木はすっかり寂しくなってしまった。
ここ最近の私は看護師やお医者さん、それと白哉の言いつけを守って、運動を控えている。
……暇だけど。
「クシュン」
さすがに寒い……。
毛布を肩へかけ直して、ベンチから立ち上がる。
そろそろ病室に戻らないと。それにしても……。
寂しくなった桜の木を見る。
あれから白哉が来る事は無かった。
「全然来ないじゃん……。白哉の……」
「バカ」と言おうとした時だった。
「そこで何をしている」
!
しばらく聞いてなかった声だ。この色気のある声は……。
「バカ」と言いかけた言葉を飲みこんで、「久しぶりだね~白哉さん」と不自然に笑った。
「? どうした」
「イエッ、何でもございません!」
「それならいいが……。こんなところで何をしている」
「それは……桜の木を見ていた」
そう言うと白哉はわずかに眉をしかめる。
そりゃそうだ。今、桜は咲いていない。
「桜が好きなの。綺麗で一瞬しか咲かないから。…………だから。いつもは子供達と運動しながら、桜が咲くのを待ってて」
きっと。無意識のうちに体が弱い自分と、一瞬で終わってしまう桜を重ね合わせているのかもしれない。
「あ、でもね。白哉のことを考えている時も、桜を見てるかも。ほら、なんか白哉って桜っぽいし」
雰囲気を暗くしたくなくて、無理に明るい口調で話す。すると白哉は無言で腰に差してある刀を抜いた。
「……桜、か。たしかに。私の刀は桜だな」
「刀が……桜?」
「見れば分かる」
白哉は私の真横に来たかと思うと、刃先を上に構える。
「散れ『千本桜』」
そう低い声で呟いた途端、刃先がブワッと飛び散った。かと思うと、刃先は自身の周囲を取り囲む。
刃先が夕暮れの光に当たって反射する。
その様はたしかに――――。桜だ。
「キレイ……」と桜へ手を伸ばそうとする。が。
「……っ、紫乃!」
すぐさま白哉に腕を掴まれた。
「これは桜じゃなく、刃だ。むやみに障ろうとするな」
「あ、そうか。ごめんなさい」
出した手を引っ込める。
それにしても。
「綺麗」
しばらく私は白哉に寄り添ったまま、刃の桜を眺めていた。
ここ最近の私は看護師やお医者さん、それと白哉の言いつけを守って、運動を控えている。
……暇だけど。
「クシュン」
さすがに寒い……。
毛布を肩へかけ直して、ベンチから立ち上がる。
そろそろ病室に戻らないと。それにしても……。
寂しくなった桜の木を見る。
あれから白哉が来る事は無かった。
「全然来ないじゃん……。白哉の……」
「バカ」と言おうとした時だった。
「そこで何をしている」
!
しばらく聞いてなかった声だ。この色気のある声は……。
「バカ」と言いかけた言葉を飲みこんで、「久しぶりだね~白哉さん」と不自然に笑った。
「? どうした」
「イエッ、何でもございません!」
「それならいいが……。こんなところで何をしている」
「それは……桜の木を見ていた」
そう言うと白哉はわずかに眉をしかめる。
そりゃそうだ。今、桜は咲いていない。
「桜が好きなの。綺麗で一瞬しか咲かないから。…………だから。いつもは子供達と運動しながら、桜が咲くのを待ってて」
きっと。無意識のうちに体が弱い自分と、一瞬で終わってしまう桜を重ね合わせているのかもしれない。
「あ、でもね。白哉のことを考えている時も、桜を見てるかも。ほら、なんか白哉って桜っぽいし」
雰囲気を暗くしたくなくて、無理に明るい口調で話す。すると白哉は無言で腰に差してある刀を抜いた。
「……桜、か。たしかに。私の刀は桜だな」
「刀が……桜?」
「見れば分かる」
白哉は私の真横に来たかと思うと、刃先を上に構える。
「散れ『千本桜』」
そう低い声で呟いた途端、刃先がブワッと飛び散った。かと思うと、刃先は自身の周囲を取り囲む。
刃先が夕暮れの光に当たって反射する。
その様はたしかに――――。桜だ。
「キレイ……」と桜へ手を伸ばそうとする。が。
「……っ、紫乃!」
すぐさま白哉に腕を掴まれた。
「これは桜じゃなく、刃だ。むやみに障ろうとするな」
「あ、そうか。ごめんなさい」
出した手を引っ込める。
それにしても。
「綺麗」
しばらく私は白哉に寄り添ったまま、刃の桜を眺めていた。
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