真実を映す鏡 5
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―一護視点―
俺は街をぶらりと見廻りながら先程の石田の言葉を思い出していた。
――これは穿った見方かも知れないが。行木君の様な一般隊士にあそこまで詳細な情報を寄越したというのは君と一緒に居るということを把握した上での事だろう。それは言い換えれば君には事の次第を知っておいてほしいという事かも知れない。この先恐らく君には何らかの形で協力の要請があるだろう。だが今の時点で僕達にできる事は無い。あとは待機するしかないんじゃないかな――
っつてもなぁ。ただ待つだけなのも落ち着かねぇ。
そう思っているとどこからか声が聞こえる。
「?」
上?
頭上にキラアンと何かが光る。そして……。
「おおおおおおおお」と仮面のついた小さな女の子が落ちてきた。
「ネっ……ネルっ!!?」
ネルは井上が破面に連れ去られた時に虚圏を案内してくれた破面だ。破面とはいえ味方だ。
なんて感慨深くなっているとネルは超加速で俺の腹に頭突きをかましてくる。
「ぐふ!!! て……ッ、てめぇ……久しぶりに会ったと思ったらコレかよ……」
「……い……。……いちご……。たいへんっス……」
ネルの声は何故か震えている。俺はネルを腹に乗せた状態のまま続きの言葉を待つ。
「たすけてっス……。いちご……。虚圏が……。虚圏がっ……――――」
その続きの言葉を聞いた瞬間、俺はびっしりと背中に汗を掻いた。
「どういう事だよネル……! 虚圏がやられたって何だよ!? 襲撃されたって事か!? 一体誰に――……」
その瞬間上からまた破面が降ってくる。今度はネルのように頭突きされるまえに避けた。降ってきたのはペッシェだ。
―恋次視点―
朽木隊長が無理をしているのはなんとなく分かった。
浦原さんから紫乃が「死神を裏切る」と聞かされ、遺されたものは『わが身こそ 恨みられけれ 唐衣 君が袂に 馴れずと思へば』と書かれた手紙だけ……。
俺は朽木隊長の背中から柱で組まれた火葬場を見る。
おまけにこのタイミングで雀部副隊長が亡くなったとなると……。紫乃を嫌でも疑いたくなる。いや。それでも紫乃と親しかった朽木隊長が拘束も監視もされていないのは決定的な証拠がないからであって。
俺は再び朽木隊長の背中に視線を向ける。
これから隊長は一体どうするつもりで……――。
そんな俺の心配とは裏腹に隊長は静かに口を開く。
「雀部長次郎忠息は隊長となるべき死神だった。記録によれば京楽や浮竹の生まれる以前より卍解を修得していた。だが一度たりともその能力を人前で使う事は無かった。隊長格といえども人格者ばかりでは無い。雀部の実力を伝え聞いていようとも『戦いに参加せぬ副隊長』として席官程度の扱いを侮辱する者もあった」
朽木隊長はこんな時だと言うのに、不安を表情に出さない。それどころか貴族らしくどこまでも死神の模範であろうとしている。
まったくこの人は……。
俺は口を挟むことなく、隊長の言葉に耳を傾ける。
「だが如何様な扱いを受けようとも雀部長次郎は副隊長としての居住まいを崩す事は無かった。暫定的な隊長代理どころか、先日まで檜佐木や吉良の就いていた隊長権限代行の座すらも頑として拒んだ。全てはその苛烈な迄の忠誠心が故」
「……」
「雀部長次郎は山本元柳斎在る限り生涯一副隊長であると誓った男。その男が初めて戦いで卍解を使い、そして死んだ」
隊長の目がスッときつくなる。いつの間にか右手に拳が握られ、ワナワナと小さく震えている。
「総隊長殿の痛嘆。我等若輩が推し量るに余り有る」
俺は街をぶらりと見廻りながら先程の石田の言葉を思い出していた。
――これは穿った見方かも知れないが。行木君の様な一般隊士にあそこまで詳細な情報を寄越したというのは君と一緒に居るということを把握した上での事だろう。それは言い換えれば君には事の次第を知っておいてほしいという事かも知れない。この先恐らく君には何らかの形で協力の要請があるだろう。だが今の時点で僕達にできる事は無い。あとは待機するしかないんじゃないかな――
っつてもなぁ。ただ待つだけなのも落ち着かねぇ。
そう思っているとどこからか声が聞こえる。
「?」
上?
頭上にキラアンと何かが光る。そして……。
「おおおおおおおお」と仮面のついた小さな女の子が落ちてきた。
「ネっ……ネルっ!!?」
ネルは井上が破面に連れ去られた時に虚圏を案内してくれた破面だ。破面とはいえ味方だ。
なんて感慨深くなっているとネルは超加速で俺の腹に頭突きをかましてくる。
「ぐふ!!! て……ッ、てめぇ……久しぶりに会ったと思ったらコレかよ……」
「……い……。……いちご……。たいへんっス……」
ネルの声は何故か震えている。俺はネルを腹に乗せた状態のまま続きの言葉を待つ。
「たすけてっス……。いちご……。虚圏が……。虚圏がっ……――――」
その続きの言葉を聞いた瞬間、俺はびっしりと背中に汗を掻いた。
「どういう事だよネル……! 虚圏がやられたって何だよ!? 襲撃されたって事か!? 一体誰に――……」
その瞬間上からまた破面が降ってくる。今度はネルのように頭突きされるまえに避けた。降ってきたのはペッシェだ。
―恋次視点―
朽木隊長が無理をしているのはなんとなく分かった。
浦原さんから紫乃が「死神を裏切る」と聞かされ、遺されたものは『わが身こそ 恨みられけれ 唐衣 君が袂に 馴れずと思へば』と書かれた手紙だけ……。
俺は朽木隊長の背中から柱で組まれた火葬場を見る。
おまけにこのタイミングで雀部副隊長が亡くなったとなると……。紫乃を嫌でも疑いたくなる。いや。それでも紫乃と親しかった朽木隊長が拘束も監視もされていないのは決定的な証拠がないからであって。
俺は再び朽木隊長の背中に視線を向ける。
これから隊長は一体どうするつもりで……――。
そんな俺の心配とは裏腹に隊長は静かに口を開く。
「雀部長次郎忠息は隊長となるべき死神だった。記録によれば京楽や浮竹の生まれる以前より卍解を修得していた。だが一度たりともその能力を人前で使う事は無かった。隊長格といえども人格者ばかりでは無い。雀部の実力を伝え聞いていようとも『戦いに参加せぬ副隊長』として席官程度の扱いを侮辱する者もあった」
朽木隊長はこんな時だと言うのに、不安を表情に出さない。それどころか貴族らしくどこまでも死神の模範であろうとしている。
まったくこの人は……。
俺は口を挟むことなく、隊長の言葉に耳を傾ける。
「だが如何様な扱いを受けようとも雀部長次郎は副隊長としての居住まいを崩す事は無かった。暫定的な隊長代理どころか、先日まで檜佐木や吉良の就いていた隊長権限代行の座すらも頑として拒んだ。全てはその苛烈な迄の忠誠心が故」
「……」
「雀部長次郎は山本元柳斎在る限り生涯一副隊長であると誓った男。その男が初めて戦いで卍解を使い、そして死んだ」
隊長の目がスッときつくなる。いつの間にか右手に拳が握られ、ワナワナと小さく震えている。
「総隊長殿の痛嘆。我等若輩が推し量るに余り有る」