真実を映す鏡 5
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―尸魂界―
山本元柳斎の目の前を黒い物体が横切った。いや、一番隊副隊長。雀部 長次郎だったものだ。
「雀部……!」
雀部は巨大な光の剣に貫かれ、壁に磔にされている。
「喚くな。讃えてやるべきだ。彼はたった一人で君等の行く末を指し示してくれた。……つまりは全てを投げ出して抗った末の絶望的な死だ」
雀部は磔にされてもなお、刀を手放すことはしていない。
元柳斎はわずかに雀部に向けた後、目の前の敵に改めて向き直る。
「5日後、尸魂界 は“見えざる帝国 ”により殲滅される」
山本元柳斎はその言葉に一切の動揺を見せることなく、雀部を磔にしている剣を粉々に叩き切った。そしてより一層鋭い視線を相手に向ける。
「問いたいだろうな。「貴様等は何者だ」、と。そして我等がその問いに答える筈も無い事も解っていることだろう。我等の正体は推して知るべし」
『見えざる帝国』と名乗る敵の影が長く伸びる。
「さらばだ」
影が敵を包み込んでいく。
逃がすか!!!
元柳斎は足を強く踏み出す。
「待てい!!!!」
ありったけの力を込めて刀を振るった。刀から爆発的な炎が溢れ出す。炎は周囲を焼けつくしていく。
炎が徐々に弱まっていき、視界が開けてくる。だが元柳斎の視界の先には敵の死体も、ましてや姿も見えない。
……逃したか――……! 瀞霊廷内は既に霊圧は無し……。遮魂膜を無視して移動できると言う事か……。
「元柳斎殿……!!」
荒々しい息づかいが耳に入る。雀部が切断された左腕を必死に動かし、上半身を起こそうとしている。
「……お……お伝えしなければならない事が……!! ……や……奴等……。奴等は卍解を――――……!!」
雀部のその言葉に思わず元柳斎は目を丸くした。そしてその言葉を最後に雀部は事切れた。
最後に力を振り絞り死神に有益な情報をもたらした――。決して全てを投げ出して抗った末の絶望的な死――などではなかった。
―一護視点―
「ただいまー」
モヤモヤとした感情を抱えながら部屋の窓を開ける。
「おかえり黒崎くん! ケガしてない?」
「イヤ、ケガはしてねえんだけど……」
するとどこからか「フフン~♪」とメロディーが聞こえてくる。
「……何だよ。このヘンな歌?」と問いかけると、新しくこの地域を担当することになった死神の行木 竜ノ介は現代の携帯のようなものを取り出した。
「あ、すいません。僕の伝令神気です」
「? もしかしてこの声……」
「ヘンですいません。着メロ志乃さんの鼻歌なんです」
「あんたいつの間にそんなもん録ったのよ……!」
「ひどいでしょう。このあとのン~! って上がるところが特に……」
「早く出ろよッ!!!」
竜ノ介は志乃にぶん殴られてやっと伝令神気に出た。
その様子を見て俺はルキアと恋次を思い出す。
あいつら元気にしてるかな……。それに行方不明になっている紫乃も。死神を裏切るって、一体何なんだ……。
そんな俺の嫌な予感を察知したかのように竜ノ介の「え?」という強張った声が耳に届く。
「どうした?」
「すいません。緊急帰投命令が出ました……。隊葬です」
「!?」
「一番隊、雀部 長次郎副隊長が――……亡くなられたそうです」
一瞬にして場の雰囲気が凍り付く。龍ノ介が伝令神気のボタンを押してスピーカー機能にする。聞こえてきたのは技術開発局にいる阿近三席の声だった。
「今から五十七分前、一番隊執務室に正体不明の七名が侵入。五十二分前撤退。隊士一名死亡。総隊長は御無事だ。同刻一番隊が警備にあたっていた黒陵門付近にも正体不明の侵入者。182秒間の戦闘で隊士百十六名が死亡。雀部副隊長はここで致命傷を受け、何らかの方法で一番隊執務室まで運ばれた後、絶命。尚こちらの侵入者数は目撃者全員死亡の為不明だが、霊圧計測による痕跡から一名である可能性が高い。最後に――」
思わずゴクリと唾を飲みこむ。
「侵入者達の侵入及び撤退経路は全て不明。瀞霊廷外周の遮魂膜に何等の影響も観測されていない事から、遮魂膜を無視した移動方法を有しているものと思われる――……!」
山本元柳斎の目の前を黒い物体が横切った。いや、一番隊副隊長。雀部 長次郎だったものだ。
「雀部……!」
雀部は巨大な光の剣に貫かれ、壁に磔にされている。
「喚くな。讃えてやるべきだ。彼はたった一人で君等の行く末を指し示してくれた。……つまりは全てを投げ出して抗った末の絶望的な死だ」
雀部は磔にされてもなお、刀を手放すことはしていない。
元柳斎はわずかに雀部に向けた後、目の前の敵に改めて向き直る。
「5日後、
山本元柳斎はその言葉に一切の動揺を見せることなく、雀部を磔にしている剣を粉々に叩き切った。そしてより一層鋭い視線を相手に向ける。
「問いたいだろうな。「貴様等は何者だ」、と。そして我等がその問いに答える筈も無い事も解っていることだろう。我等の正体は推して知るべし」
『見えざる帝国』と名乗る敵の影が長く伸びる。
「さらばだ」
影が敵を包み込んでいく。
逃がすか!!!
元柳斎は足を強く踏み出す。
「待てい!!!!」
ありったけの力を込めて刀を振るった。刀から爆発的な炎が溢れ出す。炎は周囲を焼けつくしていく。
炎が徐々に弱まっていき、視界が開けてくる。だが元柳斎の視界の先には敵の死体も、ましてや姿も見えない。
……逃したか――……! 瀞霊廷内は既に霊圧は無し……。遮魂膜を無視して移動できると言う事か……。
「元柳斎殿……!!」
荒々しい息づかいが耳に入る。雀部が切断された左腕を必死に動かし、上半身を起こそうとしている。
「……お……お伝えしなければならない事が……!! ……や……奴等……。奴等は卍解を――――……!!」
雀部のその言葉に思わず元柳斎は目を丸くした。そしてその言葉を最後に雀部は事切れた。
最後に力を振り絞り死神に有益な情報をもたらした――。決して全てを投げ出して抗った末の絶望的な死――などではなかった。
―一護視点―
「ただいまー」
モヤモヤとした感情を抱えながら部屋の窓を開ける。
「おかえり黒崎くん! ケガしてない?」
「イヤ、ケガはしてねえんだけど……」
するとどこからか「フフン~♪」とメロディーが聞こえてくる。
「……何だよ。このヘンな歌?」と問いかけると、新しくこの地域を担当することになった死神の行木 竜ノ介は現代の携帯のようなものを取り出した。
「あ、すいません。僕の伝令神気です」
「? もしかしてこの声……」
「ヘンですいません。着メロ志乃さんの鼻歌なんです」
「あんたいつの間にそんなもん録ったのよ……!」
「ひどいでしょう。このあとのン~! って上がるところが特に……」
「早く出ろよッ!!!」
竜ノ介は志乃にぶん殴られてやっと伝令神気に出た。
その様子を見て俺はルキアと恋次を思い出す。
あいつら元気にしてるかな……。それに行方不明になっている紫乃も。死神を裏切るって、一体何なんだ……。
そんな俺の嫌な予感を察知したかのように竜ノ介の「え?」という強張った声が耳に届く。
「どうした?」
「すいません。緊急帰投命令が出ました……。隊葬です」
「!?」
「一番隊、雀部 長次郎副隊長が――……亡くなられたそうです」
一瞬にして場の雰囲気が凍り付く。龍ノ介が伝令神気のボタンを押してスピーカー機能にする。聞こえてきたのは技術開発局にいる阿近三席の声だった。
「今から五十七分前、一番隊執務室に正体不明の七名が侵入。五十二分前撤退。隊士一名死亡。総隊長は御無事だ。同刻一番隊が警備にあたっていた黒陵門付近にも正体不明の侵入者。182秒間の戦闘で隊士百十六名が死亡。雀部副隊長はここで致命傷を受け、何らかの方法で一番隊執務室まで運ばれた後、絶命。尚こちらの侵入者数は目撃者全員死亡の為不明だが、霊圧計測による痕跡から一名である可能性が高い。最後に――」
思わずゴクリと唾を飲みこむ。
「侵入者達の侵入及び撤退経路は全て不明。瀞霊廷外周の遮魂膜に何等の影響も観測されていない事から、遮魂膜を無視した移動方法を有しているものと思われる――……!」