真実を映す鏡 5
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―一護視点―
それはある夜のことだった。俺は大あくびをしてベッドに入り込む。と、コツコツと誰かに窓ガラスを叩かれる。
「ったく。こんな時間に誰だよ」
カーテンを開ける。と浦原さんが「こんな夜中にスミマセンね」とヒラヒラと軽く手を振っていた。
「どうしたんですか。こんな時間に」
窓を開けて浦原さんを部屋に上がらせる。浦原さんは妙に真剣な顔をして口を開いた。
「そちらに紫乃さんがいらしていないかと思いまして」
「紫乃? いや、来てないけど」
「そうっスか」
それだけ聞くと浦原さんは踵を返して部屋を出て行こうとする。
「ちょ、ちょっと待って下さいよ。紫乃に……何があったんだ」
「ずっと前からうちの浦原商店で住み込みで働いていまして。ちょっと前に紫乃さんが急に悲鳴を上げたり、顔を真っ赤にしたりして。それでたまには家で休んでおいで……と暇を出したんスけど。それから――帰ってきてないんスよ」
俺は「あー」と視線を泳がせる。
ちょっと前というと……。あの白哉が紫乃に告白して口づけを……--。
思い出すとどんどんと顔が赤くなっていってしまう。俺は赤くなった頬を振り払うように首をブンブンと横に振ってから「あんま気にしなくてもいいんじゃないですか」と返す。
「まぁ。ちょっと前に紫乃に色々あって。今の紫乃には一人になる時間が必要だと思う」
「最初はアタシもそう思ったんスけどねエ。家に帰ってからかなりの時間が経っていますし。紫乃サンのことですから長い時間いなくなるんなら一言言うと思いますし」
「それに」と浦原さんは言葉を続ける。
「紫乃サンの霊圧を感じないんスよ」
「っ」
それは俺も薄々気付いてはいた。けれどもし何かあったのなら霊圧が大きく乱れるはずだ。だから大丈夫だろうと。
「まぁ。紫乃サンはああ見えて強いですから。何かあってもある程度乗り切れると思ってはいるんですけどね。それに紫乃サンは元々霊圧が極端に変わる体質ですから。感知しにくいってのもあります」
その紫乃の霊圧の変化が自身の斬魄刀にも反映されている。
俺は「とはいえ」と考える。
最初浦原さんが言った通り、紫乃が何も言わずにいなくなるとは思えない。
俺はハンガーにかけてある黒のジャケットを羽織る。
「とりあえず紫乃の家に行ってみるか。浦原さんも家に行ってみたいけど場所が分からないからうちに来たんでしょ」
「ええ。その通りっス」
俺と浦原さんは紫乃の家に来ていた。かなり荒れてはいるが、玄関前は草が生えていない。
俺はチャイムを鳴らす。が、出ない。それに霊圧も感じない……。
試しにドアノブを回してみる。とガチャリと音がして扉が開いた。どうやら鍵はかかってないらしい。
「とりあえず」
「行ってみますか」
二人で中に入ってみる。
「おじゃましま~す」と一応は声をかけてみるものの返事はなく、物音ひとつしない。
中に入っていくとリビングにつながる廊下でうずくまっているベアの姿があった。泥だらけになりよれよれになってしまっている。
「ベア!!!」
浦原さんはベアに駆け寄ると抱き上げて「何があったんスか」と問いかける。
「紫乃さまが……『ごめん』と」
「ごめん?」
「『私は死神を裏切る』、と」
「「!!!」」
「死神を裏切るってどういうことだよ!」と思わず強く問いかけてしまうが、ベアは力なく首を振るだけだ。
「私にもよく分かってはいないのです。ただ紫乃さまのお父様とお母様がお帰りになってきて、難しいお話をされて。止める間もなく……。それから白哉さまにこれを、と」
「白哉に?」
あの白哉に手紙を送るんだから、きっと重要なことが書かれているはずだ。
俺は四つ折りになっている紙をおそるおそる開いてみる。
「えーっと。『わが身こそ 恨みられけれ 唐衣 君が袂に 馴れずと思へば』? 古典?」
「みたいっスね」
「訳すとたぶん、『わが身が恨めしい。あなたのそばに置いていられないなんて』みたいな」
浦原さんは顎に手を当てて少し考え込むと「とりあえず朽木隊長のところへ持っていきましょう」と手紙を手に取った。
「何か知っているかもしれませんし」
「そう、だよな。浦原さん、よろしくお願いします」
「ええ」
それにしても紫乃……。どうしてそんなこと言ったんだ。ほんの少し前まで白哉と幸せ絶頂期みたいだったのに……。
それはある夜のことだった。俺は大あくびをしてベッドに入り込む。と、コツコツと誰かに窓ガラスを叩かれる。
「ったく。こんな時間に誰だよ」
カーテンを開ける。と浦原さんが「こんな夜中にスミマセンね」とヒラヒラと軽く手を振っていた。
「どうしたんですか。こんな時間に」
窓を開けて浦原さんを部屋に上がらせる。浦原さんは妙に真剣な顔をして口を開いた。
「そちらに紫乃さんがいらしていないかと思いまして」
「紫乃? いや、来てないけど」
「そうっスか」
それだけ聞くと浦原さんは踵を返して部屋を出て行こうとする。
「ちょ、ちょっと待って下さいよ。紫乃に……何があったんだ」
「ずっと前からうちの浦原商店で住み込みで働いていまして。ちょっと前に紫乃さんが急に悲鳴を上げたり、顔を真っ赤にしたりして。それでたまには家で休んでおいで……と暇を出したんスけど。それから――帰ってきてないんスよ」
俺は「あー」と視線を泳がせる。
ちょっと前というと……。あの白哉が紫乃に告白して口づけを……--。
思い出すとどんどんと顔が赤くなっていってしまう。俺は赤くなった頬を振り払うように首をブンブンと横に振ってから「あんま気にしなくてもいいんじゃないですか」と返す。
「まぁ。ちょっと前に紫乃に色々あって。今の紫乃には一人になる時間が必要だと思う」
「最初はアタシもそう思ったんスけどねエ。家に帰ってからかなりの時間が経っていますし。紫乃サンのことですから長い時間いなくなるんなら一言言うと思いますし」
「それに」と浦原さんは言葉を続ける。
「紫乃サンの霊圧を感じないんスよ」
「っ」
それは俺も薄々気付いてはいた。けれどもし何かあったのなら霊圧が大きく乱れるはずだ。だから大丈夫だろうと。
「まぁ。紫乃サンはああ見えて強いですから。何かあってもある程度乗り切れると思ってはいるんですけどね。それに紫乃サンは元々霊圧が極端に変わる体質ですから。感知しにくいってのもあります」
その紫乃の霊圧の変化が自身の斬魄刀にも反映されている。
俺は「とはいえ」と考える。
最初浦原さんが言った通り、紫乃が何も言わずにいなくなるとは思えない。
俺はハンガーにかけてある黒のジャケットを羽織る。
「とりあえず紫乃の家に行ってみるか。浦原さんも家に行ってみたいけど場所が分からないからうちに来たんでしょ」
「ええ。その通りっス」
俺と浦原さんは紫乃の家に来ていた。かなり荒れてはいるが、玄関前は草が生えていない。
俺はチャイムを鳴らす。が、出ない。それに霊圧も感じない……。
試しにドアノブを回してみる。とガチャリと音がして扉が開いた。どうやら鍵はかかってないらしい。
「とりあえず」
「行ってみますか」
二人で中に入ってみる。
「おじゃましま~す」と一応は声をかけてみるものの返事はなく、物音ひとつしない。
中に入っていくとリビングにつながる廊下でうずくまっているベアの姿があった。泥だらけになりよれよれになってしまっている。
「ベア!!!」
浦原さんはベアに駆け寄ると抱き上げて「何があったんスか」と問いかける。
「紫乃さまが……『ごめん』と」
「ごめん?」
「『私は死神を裏切る』、と」
「「!!!」」
「死神を裏切るってどういうことだよ!」と思わず強く問いかけてしまうが、ベアは力なく首を振るだけだ。
「私にもよく分かってはいないのです。ただ紫乃さまのお父様とお母様がお帰りになってきて、難しいお話をされて。止める間もなく……。それから白哉さまにこれを、と」
「白哉に?」
あの白哉に手紙を送るんだから、きっと重要なことが書かれているはずだ。
俺は四つ折りになっている紙をおそるおそる開いてみる。
「えーっと。『わが身こそ 恨みられけれ 唐衣 君が袂に 馴れずと思へば』? 古典?」
「みたいっスね」
「訳すとたぶん、『わが身が恨めしい。あなたのそばに置いていられないなんて』みたいな」
浦原さんは顎に手を当てて少し考え込むと「とりあえず朽木隊長のところへ持っていきましょう」と手紙を手に取った。
「何か知っているかもしれませんし」
「そう、だよな。浦原さん、よろしくお願いします」
「ええ」
それにしても紫乃……。どうしてそんなこと言ったんだ。ほんの少し前まで白哉と幸せ絶頂期みたいだったのに……。