真実を映す鏡 5
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―白哉視点―
ハッと顔を上げた。
この霊圧……。
白哉は立ち上がる。
「朽木隊長?」と周囲が反応した。その瞬間――。ドオオオオと轟音は瀞霊廷内に響き渡る。
白哉は隊舎から一気に外に出た。外には青い火柱がいくつも上がっている。
恐れていたことが起きてしまった、か。
白哉は一度目を閉じ、ゆっくりと息を吐きだした。
薄々分かってはいた。分かってはいたが……。相談してくれなかったのか。いや、そこまでの余裕はなかったのか……。
どちらにせよ。――――覚悟を決めろ。
意を決して目を開けた。その瞬間、天廷空羅 が響き渡る。
「三番区流尾 、北三〇三二にて隊士二十七名死亡! 戸隠 三席、五里 五席、片倉六席、霊圧消失!! 並びに――吉良副隊長の霊圧も消失しました!!」
あの火柱が立ち上がってから、まだ数分も経っていない。
思わずまた息を吐きだしてから、白哉は重い一歩を踏み出した。
既にあちらこちらで戦闘が起こっている。そして、前を走っていた恋次も例外なくそうだ。
恋次が戦っている相手は、黒の覆面をつけており目だけが見えている状態だ。肌は青白く、体は細い。黒髪を胸元まで伸ばしており、男か女かも分からない。
「……」
恋次は明らかに手を抜いた戦いをしている。いや、様子を見て手の内を出させようとしているのか。
そうこうしているうちに、後ろから別の滅却師が恋次に殴りかかる。恋次はそれをスレスレで交わした。
恋次に殴りかかってきた滅却師は、頭から現世のプロレスラーを思わせるマスクをつけている。だが、先程の滅却師と違って巨体だ。
その巨体から繰り出された一撃は地面を貫通させている。
巨体男はすぐさま反対の拳で恋次に殴りかかる。恋次はまだ体制を整えられていない。
白哉は咄嗟に刀を抜いた。
「……散れ」
斬魄刀が無数の刃に変わる。千本桜は恋次と滅却師の間に割って入る。
「様子を見る必要など無い、恋次。情けを掛ける必要もな。此の者共は尸魂界を何等の容赦無く殲滅せんとする、明確なる“敵”だ。全力で叩き斬れ」
「隊長……!」
恋次がこちらを振り向く。
「其の物共は雀部 副隊長の仇であり、前触れも無く廷内に血を流す卑劣の輩。情けを掛ける必要など無い」
「情けを掛けてた訳じゃ……」
その時、視界の端に口元に覆面をつけた細い男がゆっくりとこちらに足を踏み出したのが見えた。
「動くな」
白哉は軽く刀を振る。
「ダメなんです隊長……! こいつらこっちの刀が通らなくて……」
「……刀が通らない?」
「そんな筈は無い」と眉を顰めた。
千本桜が滅却師の手を襲う。刀が通らない、かのように見えたが。すぐに滅却師の手から血が溢れ出る。
「!」
「おいエス・ノト! 何をやっておるのだ! その程度で……」
巨体男はこちらに右腕を振り上げる。
だが、遅い。
こちらに一歩踏み出した途端に、巨体男の足場が崩れる。
「ぬあんだとオオ!? ぬうおおおおおお……」と男は大声で叫びながら、下へ落ちていった。
「衝撃で落ちるよう千本桜で足元を破壊しておいた。これで二対一だ、恋次」
散っていた千本桜がまた一つの刀へ戻っていく。白哉はスッと息を吸ってから話す。
「私の卍解が封じられたら兄の卍解で倒せ」
「隊長……!!」
覚悟を決めなければならぬ。瀞霊廷内に来た卑劣な輩と戦う。それと同時に聞き出さねば……。突きとめねば……。
「雀部副隊長の報もよれば、奴等は卍解を封じる何がしかの手段を持っている」
「そうです! だから卍解を使う訳には……」
「だが卍解を使わずして倒せる相手では無い。その位の事は解っている筈だ。ならば如何にして封じるかを見、その封印を破る術を編み出す事こそが戦いの鍵となる」
そこまで一息に言ってから、わずかに恋次に視線を向けた。
「兄は突きとめろ。……紫乃がこの件にどう関わっているのか」
「!!! それはどういう!?」
「兄も感じていたはずだ。紫乃の霊圧を」
「……そりゃ、そうですけど。落ち着いてこっちに戻って来ただけということも……」
白哉はゆっくりと首を横に振った。
「いや、それは無い」
白哉には確信があった。
黒崎 一護に残したあの手紙の内容といい、このタイミングで霊圧を感知したことといい。紫乃は滅却師の側にいる、と。
そしてもう一つ。
紫乃の斬魄刀の能力。本人は記憶能力から斬魄刀を変化させるものだと言っていたが。果たして見て、そして霊圧を真似るだけで、斬魄刀を変化させることなど出来るのだろうか。
滅却師は卍解を封じる力がある。……紫乃が滅却師側なのだとしたら。
あの斬魄刀もそれに近しいものを感じないか…………。
そこまで考えるが、白哉が恋次にそれを話す事は無い。
情に……流されている……のか。……いや、違う。
それは――。私が“敵”に問いただすべきことだからだ。
白哉は前を見据えてから、刀から手を放す。
「卍解『千本桜景厳』」
――――だが刀が幾億の刃になる事は無い。
「――これは封印では無い……。卍解を……奪われた…………!!!」
ハッと顔を上げた。
この霊圧……。
白哉は立ち上がる。
「朽木隊長?」と周囲が反応した。その瞬間――。ドオオオオと轟音は瀞霊廷内に響き渡る。
白哉は隊舎から一気に外に出た。外には青い火柱がいくつも上がっている。
恐れていたことが起きてしまった、か。
白哉は一度目を閉じ、ゆっくりと息を吐きだした。
薄々分かってはいた。分かってはいたが……。相談してくれなかったのか。いや、そこまでの余裕はなかったのか……。
どちらにせよ。――――覚悟を決めろ。
意を決して目を開けた。その瞬間、
「三番区
あの火柱が立ち上がってから、まだ数分も経っていない。
思わずまた息を吐きだしてから、白哉は重い一歩を踏み出した。
既にあちらこちらで戦闘が起こっている。そして、前を走っていた恋次も例外なくそうだ。
恋次が戦っている相手は、黒の覆面をつけており目だけが見えている状態だ。肌は青白く、体は細い。黒髪を胸元まで伸ばしており、男か女かも分からない。
「……」
恋次は明らかに手を抜いた戦いをしている。いや、様子を見て手の内を出させようとしているのか。
そうこうしているうちに、後ろから別の滅却師が恋次に殴りかかる。恋次はそれをスレスレで交わした。
恋次に殴りかかってきた滅却師は、頭から現世のプロレスラーを思わせるマスクをつけている。だが、先程の滅却師と違って巨体だ。
その巨体から繰り出された一撃は地面を貫通させている。
巨体男はすぐさま反対の拳で恋次に殴りかかる。恋次はまだ体制を整えられていない。
白哉は咄嗟に刀を抜いた。
「……散れ」
斬魄刀が無数の刃に変わる。千本桜は恋次と滅却師の間に割って入る。
「様子を見る必要など無い、恋次。情けを掛ける必要もな。此の者共は尸魂界を何等の容赦無く殲滅せんとする、明確なる“敵”だ。全力で叩き斬れ」
「隊長……!」
恋次がこちらを振り向く。
「其の物共は
「情けを掛けてた訳じゃ……」
その時、視界の端に口元に覆面をつけた細い男がゆっくりとこちらに足を踏み出したのが見えた。
「動くな」
白哉は軽く刀を振る。
「ダメなんです隊長……! こいつらこっちの刀が通らなくて……」
「……刀が通らない?」
「そんな筈は無い」と眉を顰めた。
千本桜が滅却師の手を襲う。刀が通らない、かのように見えたが。すぐに滅却師の手から血が溢れ出る。
「!」
「おいエス・ノト! 何をやっておるのだ! その程度で……」
巨体男はこちらに右腕を振り上げる。
だが、遅い。
こちらに一歩踏み出した途端に、巨体男の足場が崩れる。
「ぬあんだとオオ!? ぬうおおおおおお……」と男は大声で叫びながら、下へ落ちていった。
「衝撃で落ちるよう千本桜で足元を破壊しておいた。これで二対一だ、恋次」
散っていた千本桜がまた一つの刀へ戻っていく。白哉はスッと息を吸ってから話す。
「私の卍解が封じられたら兄の卍解で倒せ」
「隊長……!!」
覚悟を決めなければならぬ。瀞霊廷内に来た卑劣な輩と戦う。それと同時に聞き出さねば……。突きとめねば……。
「雀部副隊長の報もよれば、奴等は卍解を封じる何がしかの手段を持っている」
「そうです! だから卍解を使う訳には……」
「だが卍解を使わずして倒せる相手では無い。その位の事は解っている筈だ。ならば如何にして封じるかを見、その封印を破る術を編み出す事こそが戦いの鍵となる」
そこまで一息に言ってから、わずかに恋次に視線を向けた。
「兄は突きとめろ。……紫乃がこの件にどう関わっているのか」
「!!! それはどういう!?」
「兄も感じていたはずだ。紫乃の霊圧を」
「……そりゃ、そうですけど。落ち着いてこっちに戻って来ただけということも……」
白哉はゆっくりと首を横に振った。
「いや、それは無い」
白哉には確信があった。
黒崎 一護に残したあの手紙の内容といい、このタイミングで霊圧を感知したことといい。紫乃は滅却師の側にいる、と。
そしてもう一つ。
紫乃の斬魄刀の能力。本人は記憶能力から斬魄刀を変化させるものだと言っていたが。果たして見て、そして霊圧を真似るだけで、斬魄刀を変化させることなど出来るのだろうか。
滅却師は卍解を封じる力がある。……紫乃が滅却師側なのだとしたら。
あの斬魄刀もそれに近しいものを感じないか…………。
そこまで考えるが、白哉が恋次にそれを話す事は無い。
情に……流されている……のか。……いや、違う。
それは――。私が“敵”に問いただすべきことだからだ。
白哉は前を見据えてから、刀から手を放す。
「卍解『千本桜景厳』」
――――だが刀が幾億の刃になる事は無い。
「――これは封印では無い……。卍解を……奪われた…………!!!」
18/18ページ