真実を映す鏡 5
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アヨンはそのまま男を握り、何度も何度も地面に叩きつける。何度叩きつけられただろうか。男は砂に上半身がのめり込んだまま、ピクリとも動かなくなった。
「あ~~~らら。ちょっとやりすぎたかァ? アヨンにあんだけ殴られてここまで原形とどめて……」
そう言った瞬間、エミルー・アパッチの首に刃物が突き刺さる。
ザアアアアアと砂埃が激しく舞った。
「が……!?」
「成程……。これ程の力は報告に無かった……。血装 の強度調整を陛下に進言しなくてはなりませんねぇ」
男は立ち上がり、折れた首の骨を自身の手で直していく。
ボギュ、ゴギュ、と、気味の悪い音だけが辺りに響く――。
「その前に……お前達には速やかに死んで貰い〼
男の体が光り輝く。ボロボロにされた体はいつの間にか治癒し、翼を大きく広げている。
男の瞳がアヨンを捉えた。
「まず無様な化け物である貴方から死んで……。いや。“生きて貰い〼”と云うべきか」
その言葉にアヨンは「ウォォォオオオ」と雄たけびを上げ、男に襲いかかった。だが。
アヨンの霊子が男に急速に吸い取られていく。アヨンの面が吸い取られ、骨になり。終いには砂となり消えていった。
そのアヨンのあっけない終わりに、誰ひとりとして口を開くことが出来ない。
シンとした空気の中、男は口を開いた。
「『聖隷 』。これは滅却師の基本能力である“霊子の集束”を極限まで高めた、霊子の絶対隷属。できれば使いたくなど無かった」
徐々に声色が変わっていく。
「聖ナル翼ガ邪ナルモノが穢れて仕舞〼カラ」
そして姿も。
男の姿はアヨンを取り込み、翼には目、背には尾、左腕は巨大化している。
「「!」」
トレス・ベスティアはすぐさま、井上と茶渡を連れて隠れる。
それは男に対し隠れたのではない。アヨンがどれだけ危険か分かっているからであり、“アヨンを取り込んだ”男に隠れたのであった。
「……助けた訳じゃ無ぇぞ」
辺りは暗く、風音一つ聞こえない。そんな中、フランチェスカ・ミラ・ローズの少しむくれたような声が聞こえる。
「あんたらが何者か知らねぇが、見たとこ相当の霊圧だ。あんたらまで、あいつに取り込まれちゃ面倒だからな……」
そこまで言って、改めて井上 織姫の顔を見る。そして目を見開いた。
「――――お前……。藍染が連れてきた“崩姫 か……! 何だってまた……」
「ミラ・ローズ! 事情は後で聞きましょう! ともかくあの能力はまずいですわ。虚圏と尸魂界は存在するものと立ち入るもの。全てが霊子。あの能力はそれを問答無用で根こそぎ毟 り奪 る。そんな奴相手に勝ち目なんかありませんわ。このまま隠れて貴女達の仲間の死神のところまで移動し――――」
その瞬間、「良い判断です」と頭上から声が聞こえた。
「だが。“力の差”が計算から抜け落ちてい〼」
おそるおそる顔を上に向ける。そこには異様な姿をした男、キルゲ・オピーがいた。
「!」
男を認識した途端、ブチッグチュッと嫌な音と共に体から霊子が剝がれていく。
「……こうして藻掻く姿を目にする度、私は認識を新たにします。弱者の死する様とは斯くも無様な物なのか、と。見るに堪えぬ。――死になさい」
その瞬間に後ろから異常な霊圧を感じて、男は振り返った。
黒い装束が目に入った。
黒崎 一護だ。
「卍解……!!!」
一護は頭上から男に斬りかかる。
「アタマの円盤壊せば……もう“霊子の絶対隷属”ってのもできねえだろ!」
「それが分かったからと言って、そうそうできるものではありませんよ……! 本当に貴方は……やりにくいですねえ!!!」
―尸魂界―
行木 竜之介 は肩に力を入れ、ただただ真っすぐに目の前を見ていた。かなり緊張している。
それもそのはず。竜之介ら、若い死神は滅却師との全面戦争を経験していない世代だ。それに。
…………神崎 紫乃。
竜之介の所属している六番隊隊長である、朽木 白哉と接点のある女性死神代行。彼女の行方が唐突に分からなくなってしまった、と聞く。
実力はあの黒崎 一護と同等クラスだとか。
そこまで考えを巡らせたところで「そんなに気を張らなくていいよ」と声をかけられた。
十三番隊の河城丸 六席だ。
「前回、最も被害が大きかったのは黒陵門 付近。つまり敵は門から侵入して来る」
「――――ほう」
……聞きなれない声が、聞こえた。
竜之介はゴクリと唾を飲みこんで、声の聞こえた方へ目をやる。
風になびく黒い髪、黒い外套。対照的な西洋風の白い制服。
「成程。理に適っておる」
幾度もの戦場を潜り抜けたことが判る、低い声。
「う……うわああ!!」
「滅却師か!?」
「落ち着け!! 奴はまだ上空……。遮魂膜 の外だ!!」
竜之介は声を震わせながら「ちがう…………」と声を絞り出す。
竜之介には違うものが見えていた。
「あいつはもう……。…………遮魂膜の内側に居ます!!!」
そう口に出した瞬間、竜之介が捉えたものは青い火柱はいくつも立ち上がる瞬間だった。
「あ~~~らら。ちょっとやりすぎたかァ? アヨンにあんだけ殴られてここまで原形とどめて……」
そう言った瞬間、エミルー・アパッチの首に刃物が突き刺さる。
ザアアアアアと砂埃が激しく舞った。
「が……!?」
「成程……。これ程の力は報告に無かった……。
男は立ち上がり、折れた首の骨を自身の手で直していく。
ボギュ、ゴギュ、と、気味の悪い音だけが辺りに響く――。
「その前に……お前達には速やかに死んで貰い
男の体が光り輝く。ボロボロにされた体はいつの間にか治癒し、翼を大きく広げている。
男の瞳がアヨンを捉えた。
「まず無様な化け物である貴方から死んで……。いや。“生きて貰い〼”と云うべきか」
その言葉にアヨンは「ウォォォオオオ」と雄たけびを上げ、男に襲いかかった。だが。
アヨンの霊子が男に急速に吸い取られていく。アヨンの面が吸い取られ、骨になり。終いには砂となり消えていった。
そのアヨンのあっけない終わりに、誰ひとりとして口を開くことが出来ない。
シンとした空気の中、男は口を開いた。
「『
徐々に声色が変わっていく。
「聖ナル翼ガ邪ナルモノが穢れて仕舞〼カラ」
そして姿も。
男の姿はアヨンを取り込み、翼には目、背には尾、左腕は巨大化している。
「「!」」
トレス・ベスティアはすぐさま、井上と茶渡を連れて隠れる。
それは男に対し隠れたのではない。アヨンがどれだけ危険か分かっているからであり、“アヨンを取り込んだ”男に隠れたのであった。
「……助けた訳じゃ無ぇぞ」
辺りは暗く、風音一つ聞こえない。そんな中、フランチェスカ・ミラ・ローズの少しむくれたような声が聞こえる。
「あんたらが何者か知らねぇが、見たとこ相当の霊圧だ。あんたらまで、あいつに取り込まれちゃ面倒だからな……」
そこまで言って、改めて井上 織姫の顔を見る。そして目を見開いた。
「――――お前……。藍染が連れてきた“
「ミラ・ローズ! 事情は後で聞きましょう! ともかくあの能力はまずいですわ。虚圏と尸魂界は存在するものと立ち入るもの。全てが霊子。あの能力はそれを問答無用で根こそぎ
その瞬間、「良い判断です」と頭上から声が聞こえた。
「だが。“力の差”が計算から抜け落ちてい〼」
おそるおそる顔を上に向ける。そこには異様な姿をした男、キルゲ・オピーがいた。
「!」
男を認識した途端、ブチッグチュッと嫌な音と共に体から霊子が剝がれていく。
「……こうして藻掻く姿を目にする度、私は認識を新たにします。弱者の死する様とは斯くも無様な物なのか、と。見るに堪えぬ。――死になさい」
その瞬間に後ろから異常な霊圧を感じて、男は振り返った。
黒い装束が目に入った。
黒崎 一護だ。
「卍解……!!!」
一護は頭上から男に斬りかかる。
「アタマの円盤壊せば……もう“霊子の絶対隷属”ってのもできねえだろ!」
「それが分かったからと言って、そうそうできるものではありませんよ……! 本当に貴方は……やりにくいですねえ!!!」
―尸魂界―
それもそのはず。竜之介ら、若い死神は滅却師との全面戦争を経験していない世代だ。それに。
…………神崎 紫乃。
竜之介の所属している六番隊隊長である、朽木 白哉と接点のある女性死神代行。彼女の行方が唐突に分からなくなってしまった、と聞く。
実力はあの黒崎 一護と同等クラスだとか。
そこまで考えを巡らせたところで「そんなに気を張らなくていいよ」と声をかけられた。
十三番隊の
「前回、最も被害が大きかったのは
「――――ほう」
……聞きなれない声が、聞こえた。
竜之介はゴクリと唾を飲みこんで、声の聞こえた方へ目をやる。
風になびく黒い髪、黒い外套。対照的な西洋風の白い制服。
「成程。理に適っておる」
幾度もの戦場を潜り抜けたことが判る、低い声。
「う……うわああ!!」
「滅却師か!?」
「落ち着け!! 奴はまだ上空……。
竜之介は声を震わせながら「ちがう…………」と声を絞り出す。
竜之介には違うものが見えていた。
「あいつはもう……。…………遮魂膜の内側に居ます!!!」
そう口に出した瞬間、竜之介が捉えたものは青い火柱はいくつも立ち上がる瞬間だった。