主人と僕の旅路 5 【完結】
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―殺生丸視点―
鈴が吸い込まれていった場所に犬夜叉、いや、曲霊に取り憑かれた犬夜叉が立ちふさがる。思わず殺生丸は眉を寄せた。
鈴はこちらが思っているより強い。奈落とある程度渡り合えるだろうが……。問題は……。――狐、か。
曲霊に取り憑かれた犬夜叉は鉄砕牙をこちらに向ける。対する殺生丸は天生牙を静かに抜く。
「ふっ、曲霊よ……。取り憑く相手を間違えたな……。犬夜叉ごとたたき斬ってくれる!」
鉄砕牙が脈をうち、黒に変わる。
冥道残月破か。
「やめて犬夜叉!」
かごめが叫ぶも犬夜叉には聞こえていないのか。刀を無慈悲にも振り下ろした。だが……。
冥道残月破は殺生丸の上を通り過ぎた。
「…………」
わざと……狙いをはずした……?
ドクン、と鉄砕牙が元の形に戻る。殺生丸は鉄砕牙に目を向けた。
鉄砕牙が……犬夜叉の最後の理性を支えているということか。
そう気付いた瞬間、下から奈落の触手が這い上がり犬夜叉の体を捕らえる。犬夜叉の手から鉄砕牙がポロリと落ちた。触手は犬夜叉を捕らえたまま天井を突き破り逃げた。
「鉄砕牙を拾え! 犬夜叉と曲霊を追う!」
「うん!」
殺生丸はかごめを背に自身の爪で奈落の肉塊を突き進む。
臭う! 曲霊と犬夜叉……まだ近くにいる!
「殺生丸、あんたならできるでしょ! 犬夜叉を傷つけないで曲霊を倒して!」
「……」
「ここに入った時、奈落は言っていたの……。この奈落を憎む心……、怒りと……そして、絶望……。玉は私たちの負の心を望んでる。だから……。兄弟同士傷つけ合ったら奈落の思うツボだわ」
その瞬間、奈落の肉塊を抜けた。と思った瞬間、犬夜叉が真上から襲ってくる。殺生丸はすばやく犬夜叉を避けた。殺生丸はチラリと目だけを後ろのかごめに向ける。
「ここにいろ! 闘いの邪魔だ!」
かごめが二、三歩下がったのを確認してから、殺生丸は犬夜叉と向かい合う。刹那、殺生丸と犬夜叉の爪がぶつかり合う。わずかではあるがビッと殺生丸の右腕の着物が裂けた。対する犬夜叉はどこも怪我を負っていない。
「ふん……。身も心も妖怪化しているだけあって、いつもよりは歯ごたえがあるな」
兄弟同士闘ったら奈落の思うツボ……か。だからと言って、手ごころを加えても事が長引くだけ……。ならば。
殺生丸は天生牙を振り下ろす。
一気にカタをつける!
だが犬夜叉に刃先を掴まれる。
犬夜叉の体から曲霊が顔を覗かせる。
「天生牙はこの世のものは斬れぬ刀……。九字兼定と違って役に立たんな」
その言葉に殺生丸はなるほどと一人納得する。
やはり曲霊は鈴の九字兼定を恐れているのか。あの刀は邪なものを退ける力がある。つまり曲霊は鈴にだけは取り憑けなかった、というわけだ。――たとえ一瞬だけ体を乗っ取る事はできたとしても。
犬夜叉は天生牙を力強く握る。
「たたき折ってくれる」
殺生丸はダンと力強く地を蹴り、犬夜叉を押していく。犬夜叉の背に奈落の壁が当たり、犬夜叉にはどこにも逃げ場がない。
「犬夜叉―――っ!」
かごめはいつの間にか鉄砕牙を手に抱えている。おそらく殺生丸と犬夜叉が戦っている間に持ってきたのだろう。
かごめは鉄砕牙を持って奈落の壁を下りようとしている。だがやはり人間。奈落の体を手で掴みつつ下りようとするも滑ってしまう。
「きゃっ!」
「バカが!」
だがかごめは鉄砕牙を壁に突き刺し、崖に落ちるのをなんとか耐えている。
「犬夜叉! 待ってて、今行くわ!」
「今さら遅い。もはや犬夜叉の心は……すみずみまでこの曲霊が支配した。もはや鉄砕牙の力をもってしても元には戻らん」
「犬夜叉負けないで! 犬夜叉―――っ!」
犬夜叉の目に光は灯らない。だが犬夜叉の動きは止まり、刀を握る力が弱くなっていく。
こいつ……。
その時、奈落の体がドクンと脈を打ってかごめは鉄砕牙ごと崖の底へ落ちていく。
「ちっ!」
殺生丸が舌打ちをするのと同時に犬夜叉は握っていた刀から手を離し、かごめの元へ向かった。
鈴が吸い込まれていった場所に犬夜叉、いや、曲霊に取り憑かれた犬夜叉が立ちふさがる。思わず殺生丸は眉を寄せた。
鈴はこちらが思っているより強い。奈落とある程度渡り合えるだろうが……。問題は……。――狐、か。
曲霊に取り憑かれた犬夜叉は鉄砕牙をこちらに向ける。対する殺生丸は天生牙を静かに抜く。
「ふっ、曲霊よ……。取り憑く相手を間違えたな……。犬夜叉ごとたたき斬ってくれる!」
鉄砕牙が脈をうち、黒に変わる。
冥道残月破か。
「やめて犬夜叉!」
かごめが叫ぶも犬夜叉には聞こえていないのか。刀を無慈悲にも振り下ろした。だが……。
冥道残月破は殺生丸の上を通り過ぎた。
「…………」
わざと……狙いをはずした……?
ドクン、と鉄砕牙が元の形に戻る。殺生丸は鉄砕牙に目を向けた。
鉄砕牙が……犬夜叉の最後の理性を支えているということか。
そう気付いた瞬間、下から奈落の触手が這い上がり犬夜叉の体を捕らえる。犬夜叉の手から鉄砕牙がポロリと落ちた。触手は犬夜叉を捕らえたまま天井を突き破り逃げた。
「鉄砕牙を拾え! 犬夜叉と曲霊を追う!」
「うん!」
殺生丸はかごめを背に自身の爪で奈落の肉塊を突き進む。
臭う! 曲霊と犬夜叉……まだ近くにいる!
「殺生丸、あんたならできるでしょ! 犬夜叉を傷つけないで曲霊を倒して!」
「……」
「ここに入った時、奈落は言っていたの……。この奈落を憎む心……、怒りと……そして、絶望……。玉は私たちの負の心を望んでる。だから……。兄弟同士傷つけ合ったら奈落の思うツボだわ」
その瞬間、奈落の肉塊を抜けた。と思った瞬間、犬夜叉が真上から襲ってくる。殺生丸はすばやく犬夜叉を避けた。殺生丸はチラリと目だけを後ろのかごめに向ける。
「ここにいろ! 闘いの邪魔だ!」
かごめが二、三歩下がったのを確認してから、殺生丸は犬夜叉と向かい合う。刹那、殺生丸と犬夜叉の爪がぶつかり合う。わずかではあるがビッと殺生丸の右腕の着物が裂けた。対する犬夜叉はどこも怪我を負っていない。
「ふん……。身も心も妖怪化しているだけあって、いつもよりは歯ごたえがあるな」
兄弟同士闘ったら奈落の思うツボ……か。だからと言って、手ごころを加えても事が長引くだけ……。ならば。
殺生丸は天生牙を振り下ろす。
一気にカタをつける!
だが犬夜叉に刃先を掴まれる。
犬夜叉の体から曲霊が顔を覗かせる。
「天生牙はこの世のものは斬れぬ刀……。九字兼定と違って役に立たんな」
その言葉に殺生丸はなるほどと一人納得する。
やはり曲霊は鈴の九字兼定を恐れているのか。あの刀は邪なものを退ける力がある。つまり曲霊は鈴にだけは取り憑けなかった、というわけだ。――たとえ一瞬だけ体を乗っ取る事はできたとしても。
犬夜叉は天生牙を力強く握る。
「たたき折ってくれる」
殺生丸はダンと力強く地を蹴り、犬夜叉を押していく。犬夜叉の背に奈落の壁が当たり、犬夜叉にはどこにも逃げ場がない。
「犬夜叉―――っ!」
かごめはいつの間にか鉄砕牙を手に抱えている。おそらく殺生丸と犬夜叉が戦っている間に持ってきたのだろう。
かごめは鉄砕牙を持って奈落の壁を下りようとしている。だがやはり人間。奈落の体を手で掴みつつ下りようとするも滑ってしまう。
「きゃっ!」
「バカが!」
だがかごめは鉄砕牙を壁に突き刺し、崖に落ちるのをなんとか耐えている。
「犬夜叉! 待ってて、今行くわ!」
「今さら遅い。もはや犬夜叉の心は……すみずみまでこの曲霊が支配した。もはや鉄砕牙の力をもってしても元には戻らん」
「犬夜叉負けないで! 犬夜叉―――っ!」
犬夜叉の目に光は灯らない。だが犬夜叉の動きは止まり、刀を握る力が弱くなっていく。
こいつ……。
その時、奈落の体がドクンと脈を打ってかごめは鉄砕牙ごと崖の底へ落ちていく。
「ちっ!」
殺生丸が舌打ちをするのと同時に犬夜叉は握っていた刀から手を離し、かごめの元へ向かった。