主人と僕の旅路 4
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―主人公視点―
目の前が真っ暗だった。
私、どうしたんだっけ……。
とにかく殺生丸さまの元へ。
私はゆっくりと歩き出す。けれども行けども行けどもずっと真っ暗な世界だ。
――久しぶりに一人ぼっちになったなぁ。
殺生丸さまと一緒にいたから、久々の感覚だ。
早く、会いたい――。
ただそれだけを考えて歩き続ける。と、急に目の前に影が現れる。
もしかして……。
「せっしょうまる、さま?」
おそるおそる近づいてみる。
でも……妖気を感じない。だからといって人間特有の気配も感じない。
慎重に近づいていく。
「っ!」
ふと、目の前の影と目が合った。
美しい女の人だ。いや、どちらかというと妖艶な人……。
そして何より目をひいたのが、尾が七つあることだった。
七尾……。それもこんな特徴的な――。狐の尾。
「私に……呪いをかけた狐……?」
その問いかけに光沢のある唇が歪む。
「あなたのせいよ」
狐に鋭い目つきで睨まれる。
「え?」
「あなたのせいで私は好きな人といられなかった」
「!」
その言葉に子供の頃、父様が話してくれた物語を思い出す。
狐という本性を隠しながら天皇と結ばれるも、犬、つまり陰陽師によって正体を明かされてしまうという話だ。
……つまりこの狐は安倍の陰陽師を恨むだけの理由がある。
「あの人の側にいたかったのに……」
狐の目は大きく見開かれ、少し潤んでいる。
――あの人の側にいたかった……。
その言葉は以前だったら分からなかった。殺生丸さまと会うまでは。
私は妖怪でなくて陰陽師だけれど、殺生丸さまに陰陽師だとバレた時はもう一緒にはいられないと思った……。
それでも殺生丸さまは「私の居場所はここだ」、と。「私の好きにしろ」、と。言ってくれた。
「好きな人と離れるのは辛いよね」
私は狐へと足を踏み出す。
「私も今、好きな人がいるから。気持ちは痛いほど分かる」
「あなたに私の気持ちは分からない」
……確かにそうだ。今の私は好きな人の側にいて、幸せで。
だから私が出来ることは――。
私は深く頭を下げた。
「ごめんなさい」
素直に謝ることだけだ。
「本当にごめんなさい」
「……」
きっとそう簡単に許されることではない。
私だって殺生丸さまに幻滅され、離されたら、きっとこうなっていた……。
でも側にいた。これからもずっと側にいたいと思っている。
だから……。
「ごめんなさい。何度だって謝るから。ずっと謝り続けるから。だから私を殺生丸さまの側にいさせて」
その瞬間、白い光が狐を包み込む。
温かく、凛としている白い光。
この光……殺生丸さまの妖気がする。
―殺生丸視点―
「―天生牙」
天生牙が脈を打った。
斬れ、というのか。鈴を。
殺生丸は思わず目を細める。
だがその瞬間、殺生丸の目には鈴ではなく妖艶な狐が映っていた。
――呪いを解く方法。それは……殺生丸。おまえにある――
刀々斎の言葉をふと思い出す。
……そういうことか。
普通の刀なら狐を斬るのに鈴を傷つけてしまう。だが、天生牙ならば。
この世のものではないもの。
――つまりは既に存在していない狐を斬れる――
殺生丸は光を放つ天生牙を鈴に向けて抜いた。
……戻ってこい。この殺生丸のもとへ。
―主人公視点―
狐は光に包まれ、姿が薄くなっていく。
この光……殺生丸さまの天生牙?
どうして狐の姿が消えていくんだろう。でもきっと殺生丸さまがまた……。
――助けてくれた。
また迷惑をかけてしまった、という気持ちと同時に嬉しいという気持ちも膨れ上がってくる。
「……よかったわね」
ふと狐に声をかけられる。
「え?」
「もう、いいわよ。どうでも。私の目につかないところで好きにやって頂戴」
「……」
これはつまり許してもらえた、ということだろうか。
そう思ったのもつかの間、狐は唇を得意げに吊り上げる。
「でも、ここからはあなた次第。あなたが好きな人と側にいたいと願うのなら、あなたの力で何とかしなさい」
その言葉を最後に狐は光に包まれ完全に消えた。
後に残ったのはまた一人ぼっちの暗闇だけだった。
目の前が真っ暗だった。
私、どうしたんだっけ……。
とにかく殺生丸さまの元へ。
私はゆっくりと歩き出す。けれども行けども行けどもずっと真っ暗な世界だ。
――久しぶりに一人ぼっちになったなぁ。
殺生丸さまと一緒にいたから、久々の感覚だ。
早く、会いたい――。
ただそれだけを考えて歩き続ける。と、急に目の前に影が現れる。
もしかして……。
「せっしょうまる、さま?」
おそるおそる近づいてみる。
でも……妖気を感じない。だからといって人間特有の気配も感じない。
慎重に近づいていく。
「っ!」
ふと、目の前の影と目が合った。
美しい女の人だ。いや、どちらかというと妖艶な人……。
そして何より目をひいたのが、尾が七つあることだった。
七尾……。それもこんな特徴的な――。狐の尾。
「私に……呪いをかけた狐……?」
その問いかけに光沢のある唇が歪む。
「あなたのせいよ」
狐に鋭い目つきで睨まれる。
「え?」
「あなたのせいで私は好きな人といられなかった」
「!」
その言葉に子供の頃、父様が話してくれた物語を思い出す。
狐という本性を隠しながら天皇と結ばれるも、犬、つまり陰陽師によって正体を明かされてしまうという話だ。
……つまりこの狐は安倍の陰陽師を恨むだけの理由がある。
「あの人の側にいたかったのに……」
狐の目は大きく見開かれ、少し潤んでいる。
――あの人の側にいたかった……。
その言葉は以前だったら分からなかった。殺生丸さまと会うまでは。
私は妖怪でなくて陰陽師だけれど、殺生丸さまに陰陽師だとバレた時はもう一緒にはいられないと思った……。
それでも殺生丸さまは「私の居場所はここだ」、と。「私の好きにしろ」、と。言ってくれた。
「好きな人と離れるのは辛いよね」
私は狐へと足を踏み出す。
「私も今、好きな人がいるから。気持ちは痛いほど分かる」
「あなたに私の気持ちは分からない」
……確かにそうだ。今の私は好きな人の側にいて、幸せで。
だから私が出来ることは――。
私は深く頭を下げた。
「ごめんなさい」
素直に謝ることだけだ。
「本当にごめんなさい」
「……」
きっとそう簡単に許されることではない。
私だって殺生丸さまに幻滅され、離されたら、きっとこうなっていた……。
でも側にいた。これからもずっと側にいたいと思っている。
だから……。
「ごめんなさい。何度だって謝るから。ずっと謝り続けるから。だから私を殺生丸さまの側にいさせて」
その瞬間、白い光が狐を包み込む。
温かく、凛としている白い光。
この光……殺生丸さまの妖気がする。
―殺生丸視点―
「―天生牙」
天生牙が脈を打った。
斬れ、というのか。鈴を。
殺生丸は思わず目を細める。
だがその瞬間、殺生丸の目には鈴ではなく妖艶な狐が映っていた。
――呪いを解く方法。それは……殺生丸。おまえにある――
刀々斎の言葉をふと思い出す。
……そういうことか。
普通の刀なら狐を斬るのに鈴を傷つけてしまう。だが、天生牙ならば。
この世のものではないもの。
――つまりは既に存在していない狐を斬れる――
殺生丸は光を放つ天生牙を鈴に向けて抜いた。
……戻ってこい。この殺生丸のもとへ。
―主人公視点―
狐は光に包まれ、姿が薄くなっていく。
この光……殺生丸さまの天生牙?
どうして狐の姿が消えていくんだろう。でもきっと殺生丸さまがまた……。
――助けてくれた。
また迷惑をかけてしまった、という気持ちと同時に嬉しいという気持ちも膨れ上がってくる。
「……よかったわね」
ふと狐に声をかけられる。
「え?」
「もう、いいわよ。どうでも。私の目につかないところで好きにやって頂戴」
「……」
これはつまり許してもらえた、ということだろうか。
そう思ったのもつかの間、狐は唇を得意げに吊り上げる。
「でも、ここからはあなた次第。あなたが好きな人と側にいたいと願うのなら、あなたの力で何とかしなさい」
その言葉を最後に狐は光に包まれ完全に消えた。
後に残ったのはまた一人ぼっちの暗闇だけだった。