主人と僕の旅路 4
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しばらくして殺生丸さまが戻ってきた。
「あ、おかえりなさい。殺生丸さま」
殺生丸さまは無言で琥珀君のことをジッと見ている。
……殺生丸さまなりに心配してくれているのかなぁ。
私は琥珀君のタオルを水に浸して絞りながら、話しかける。
「毒がまだ抜けきっていないみたいで。徐々に熱はひいてきているみたいなんですけど」
「……」
まだ琥珀君は眠ったままだ。
琥珀君のおでこにタオルをのせる。と、急にパチリ、と琥珀君の目が開く。
「っ! 琥珀君!? 大丈夫? 私のことが分かる?」
しばらく琥珀君は目を泳がせた後「……鈴さん?」とかすれた声で返す。そしてバッと勢いよく眠っていた体を起こす。
「ダメだよ! 琥珀君っ。まだ寝てなきゃ」
「早く、早く! 桔梗様のところへ」
「…桔梗さん?」
琥珀君はそれじゃあずっと桔梗さんと一緒にいたんだ。
琥珀君はフラフラの体で床に足をつける。
琥珀君は体を不自然に揺らしながら小屋から出ようとしている。
「ちょ、ちょっと待って。琥珀君。桔梗さんはどうしたの? 琥珀君を見つけた時、桔梗さんは側にいなかったけれど」
私の言葉に琥珀君は足を止める。
「桔梗様は俺の四魂のかけらを清めて下さっていたんだ」
そうか。四魂のかけらから黒い雰囲気を感じなかったのは桔梗さんのおかげなんだ。
「それがいきなり結界で身を守りながら人里まで出向いて。かと思えば、急に俺に式神を預けて隠れていろって。きっと桔梗様に何かあったんだ。奈落が何か……」
奈落……。桔梗さんを瘴気の穴に落としたことといい、今回といい……。やけに桔梗さんに執着しているような。
私はうーむと頭をひねり、そして「もしかして」と言葉を発する。
「もしかしてあの糸が関わっているのかも」
「糸、ですか」
「うん。殺生丸さまや邪見には見えていなかったけれど、私には空に奈落の糸がのびているのが見えた。そしてその糸を辿っていたら琥珀君がいた。あの糸は桔梗さんを誘うための罠だったんじゃないかな」
琥珀君は止めていた足を再び進め始める。
「だったら余計に早く」
「……待て」
殺生丸さまの一言で空気が凍る。琥珀君は再び足を止めた。
何故か邪見も口をポカンと開けたまま硬直しているけれど。
殺生丸さまは踵を返す。
「……行くぞ」
「え?」
殺生丸さまは小屋から出ていってしまう。
「待って~置いてかないで~。殺生丸さまぁ~」
邪見が気味の悪い甘い声をだしながら殺生丸さまについていく。
私は琥珀君をおそるおそる覗き込む。
確かに殺生丸さまは琥珀君も一緒に連れていっていいとは言ったけれど。連れていくだけで看病するとは言ってないもんね。
「あの、琥珀君。体が辛いと思うけど、とりあえず殺生丸さまについていこう。今はそれしか桔梗さんに辿り着く手がかりがないし」
空に伸びていた糸はここ数日のうちに消えてしまっていた。だから糸は追えない。
それに……琥珀君が殺生丸さまと一緒にいてくれれば、また奈落の手下が襲ってきたとき私が護ってあげられる。
琥珀君は「……はい」と私と一緒に殺生丸さまの後ろを歩き始めた。
殺生丸さまは草むらを歩いていく。
どこに向かっているのか……。多分奈落のところだと思うけれど。
でも奈落のところへ行くということは、桔梗さんがいるかもしれないということだ。
琥珀君は額に汗を流しながら必死に歩いていく。
「桔梗さまは……弱っていた……。今頃どうしているか……」
「でも桔梗さんは琥珀君と離れていったんでしょ。それだけ危険ってことじゃないかな。それに琥珀君は狙われているんでしょ。一人じゃ危ないよ」
そこに後ろの草むらから邪見が顔を出す。
「言っとくがな、殺生丸さまに連れていってもらおうとか思うなよっ!命を救ってもらっただけでもありがたいと思えっ!」
「頼んでも……ダメかなあ?」
琥珀君を一緒に連れていいかって頼んだ時もいいって言ってくれたし。もし頼んだら……。
ザァと殺生丸さまの髪が風になびく。
空は真っ赤な夕焼け。
本当ならこの光景は綺麗と思うはずなのに、何故だか気味が悪い。
「手遅れだ……」
「え……?」
急な殺生丸さまの言葉に私はハッとして、微かに振り返った殺生丸さまの横顔を凝視してしまう。
「桔梗さまに何かあったのですか」
先程まで真っ赤な夕焼けだったのに、あっという間に暗くなってしまう。空はちょうど星が出てきたくらいだ。
殺生丸さまはあれからただ空を眺めている。
私達も殺生丸さまにつられて空を眺めている状態だ。
私はゆっくりと歩き、殺生丸さまの横に立つ。
「あの、殺生丸さま」
「……」
私は小声で殺生丸さまに問いかける。
「……。桔梗さんは死んでしまったんですか」
「……あれは元より死人だ」
「……」
確かにそうだった。死人だった。
それでも……と私の心は重くなっていく。
桔梗さんは白霊山の時に助けてくれた。元々死人だったのかもしれないけれど、生きていてほしかった……。
殺生丸さまは私へと顔を向ける。
そして――。
「……浄化、か」
「え?」
「あれは元より死人だった。……浄化されたの方が正しい」
――浄化。
殺生丸さまはまた夜空へ顔を向ける。
私も天を仰いだ。
その時、一際大きな光が徐々に空へ上がっていくのが見えた。
「あ、おかえりなさい。殺生丸さま」
殺生丸さまは無言で琥珀君のことをジッと見ている。
……殺生丸さまなりに心配してくれているのかなぁ。
私は琥珀君のタオルを水に浸して絞りながら、話しかける。
「毒がまだ抜けきっていないみたいで。徐々に熱はひいてきているみたいなんですけど」
「……」
まだ琥珀君は眠ったままだ。
琥珀君のおでこにタオルをのせる。と、急にパチリ、と琥珀君の目が開く。
「っ! 琥珀君!? 大丈夫? 私のことが分かる?」
しばらく琥珀君は目を泳がせた後「……鈴さん?」とかすれた声で返す。そしてバッと勢いよく眠っていた体を起こす。
「ダメだよ! 琥珀君っ。まだ寝てなきゃ」
「早く、早く! 桔梗様のところへ」
「…桔梗さん?」
琥珀君はそれじゃあずっと桔梗さんと一緒にいたんだ。
琥珀君はフラフラの体で床に足をつける。
琥珀君は体を不自然に揺らしながら小屋から出ようとしている。
「ちょ、ちょっと待って。琥珀君。桔梗さんはどうしたの? 琥珀君を見つけた時、桔梗さんは側にいなかったけれど」
私の言葉に琥珀君は足を止める。
「桔梗様は俺の四魂のかけらを清めて下さっていたんだ」
そうか。四魂のかけらから黒い雰囲気を感じなかったのは桔梗さんのおかげなんだ。
「それがいきなり結界で身を守りながら人里まで出向いて。かと思えば、急に俺に式神を預けて隠れていろって。きっと桔梗様に何かあったんだ。奈落が何か……」
奈落……。桔梗さんを瘴気の穴に落としたことといい、今回といい……。やけに桔梗さんに執着しているような。
私はうーむと頭をひねり、そして「もしかして」と言葉を発する。
「もしかしてあの糸が関わっているのかも」
「糸、ですか」
「うん。殺生丸さまや邪見には見えていなかったけれど、私には空に奈落の糸がのびているのが見えた。そしてその糸を辿っていたら琥珀君がいた。あの糸は桔梗さんを誘うための罠だったんじゃないかな」
琥珀君は止めていた足を再び進め始める。
「だったら余計に早く」
「……待て」
殺生丸さまの一言で空気が凍る。琥珀君は再び足を止めた。
何故か邪見も口をポカンと開けたまま硬直しているけれど。
殺生丸さまは踵を返す。
「……行くぞ」
「え?」
殺生丸さまは小屋から出ていってしまう。
「待って~置いてかないで~。殺生丸さまぁ~」
邪見が気味の悪い甘い声をだしながら殺生丸さまについていく。
私は琥珀君をおそるおそる覗き込む。
確かに殺生丸さまは琥珀君も一緒に連れていっていいとは言ったけれど。連れていくだけで看病するとは言ってないもんね。
「あの、琥珀君。体が辛いと思うけど、とりあえず殺生丸さまについていこう。今はそれしか桔梗さんに辿り着く手がかりがないし」
空に伸びていた糸はここ数日のうちに消えてしまっていた。だから糸は追えない。
それに……琥珀君が殺生丸さまと一緒にいてくれれば、また奈落の手下が襲ってきたとき私が護ってあげられる。
琥珀君は「……はい」と私と一緒に殺生丸さまの後ろを歩き始めた。
殺生丸さまは草むらを歩いていく。
どこに向かっているのか……。多分奈落のところだと思うけれど。
でも奈落のところへ行くということは、桔梗さんがいるかもしれないということだ。
琥珀君は額に汗を流しながら必死に歩いていく。
「桔梗さまは……弱っていた……。今頃どうしているか……」
「でも桔梗さんは琥珀君と離れていったんでしょ。それだけ危険ってことじゃないかな。それに琥珀君は狙われているんでしょ。一人じゃ危ないよ」
そこに後ろの草むらから邪見が顔を出す。
「言っとくがな、殺生丸さまに連れていってもらおうとか思うなよっ!命を救ってもらっただけでもありがたいと思えっ!」
「頼んでも……ダメかなあ?」
琥珀君を一緒に連れていいかって頼んだ時もいいって言ってくれたし。もし頼んだら……。
ザァと殺生丸さまの髪が風になびく。
空は真っ赤な夕焼け。
本当ならこの光景は綺麗と思うはずなのに、何故だか気味が悪い。
「手遅れだ……」
「え……?」
急な殺生丸さまの言葉に私はハッとして、微かに振り返った殺生丸さまの横顔を凝視してしまう。
「桔梗さまに何かあったのですか」
先程まで真っ赤な夕焼けだったのに、あっという間に暗くなってしまう。空はちょうど星が出てきたくらいだ。
殺生丸さまはあれからただ空を眺めている。
私達も殺生丸さまにつられて空を眺めている状態だ。
私はゆっくりと歩き、殺生丸さまの横に立つ。
「あの、殺生丸さま」
「……」
私は小声で殺生丸さまに問いかける。
「……。桔梗さんは死んでしまったんですか」
「……あれは元より死人だ」
「……」
確かにそうだった。死人だった。
それでも……と私の心は重くなっていく。
桔梗さんは白霊山の時に助けてくれた。元々死人だったのかもしれないけれど、生きていてほしかった……。
殺生丸さまは私へと顔を向ける。
そして――。
「……浄化、か」
「え?」
「あれは元より死人だった。……浄化されたの方が正しい」
――浄化。
殺生丸さまはまた夜空へ顔を向ける。
私も天を仰いだ。
その時、一際大きな光が徐々に空へ上がっていくのが見えた。