主人と僕の旅路 4
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小さな小屋を見つけ、琥珀君を寝かせる。
殺生丸さまは琥珀君を置いた後、どこかへ行ってしまった。
もしかしたらあの夢幻の白夜を追いかけていったのかもしれない……。
私は桶に入っている水にタオルを浸して琥珀君のおでこに当てる。毒蛇に噛まれたせいか、琥珀君の体が熱を帯びていた。
邪見と横並びになりながら琥珀君の顔色を見る。
そういえば、琥珀君と珊瑚さんって兄弟なんだろうか。顔も似てるし、多分そうなんだろうな……。
……となると、ご家族はどうしたんだろう。
ふと琥珀君と最初に会ったときのことを思い出す。
どこに住んでいるのか、ご両親はどうしているのか聞いた時に「分からない。何も覚えていないんです」と答えていた。
相当辛いことがあったんだろうな……。
私は天井を仰ぎ見る。
私の母は私を生んだ時に亡くなって、父も物心ついてすぐ亡くなってしまったから。
その時は「思い出したくないことって……あるよね」と返したけれど。
でも今は……。
私は隣にいる邪見に目をやる。
邪見や殺生丸さまのおかげで、辛い気持ちはだいぶ和らいだ。
ここであれ? と疑問が頭に浮かぶ。
「ねぇ、邪見」
「なんじゃ」
「殺生丸さまの幼い頃ってどうだったの」
その言葉に邪見は目を細くして私を見た。
「急になんなんじゃ」
「いやー、その。よくよく考えてみれば私しか自分のこと話してないというか。殺生丸さまのこと、特に昔の話を聞きたいなーと思って」
「……」
「ほら、お父様の話とか」
邪見が黙り込んでしまったので、咄嗟に前に見た殺生丸さまのお父様のお墓を思い出して言ってしまった。
邪見はしばらく何やら考えてから、「まぁ鈴ならいいか」とポツポツと話し始める。
「殺生丸さまの御父上はなー。わしも聞いた話で詳しくは知らんが、そりゃあお強くてなぁ。西国を支配していた大妖怪でのぉ」
やっぱり分かってはいたけれど、相当強かったらしい。しかも西国を支配しているとは……。凄い人だったんだろうな。
「まぁ、だけどなぁ」
「ん? だけど?」
珍しく歯切れの悪い邪見。
なんだろう……。
邪見はハァと深くため息を吐いた後、また話し始める。
「けれどなぁ、御父上も妖怪にしては早くに亡くなってしまって」
「え?」
「武蔵の国の大妖怪の追撃で傷を負ってのぉ。その後に犬夜叉の母と犬夜叉を護ってお亡くなりになったらしい」
「……」
私はジッと床を見つめていた。
そうか。軽い気持ちで聞いてしまったけれど、殺生丸さまも早くにお父様を亡くして……。
辛かったのか、は私には分からないけれど。でも、何かしら思うところはあったはずだ。
「……邪見」
「なんじゃ」
「後は殺生丸さまに聞いてみるよ」
なんだかこの先は邪見から聞くのが失礼なような気がして、邪見に制止してしまう。
けれど邪見は気にしていないのか「その方がいいだろうな」と言いながら琥珀君のタオルを変えてくれる。
「ねえ、邪見」
私はもう一つ、と邪見に話しかける。
「私って殺生丸さまに助けてもらってばかりいるでしょ」
「そうじゃな」
全く淀みがなくそうだと言われちょっと落ち込むが言葉を続ける
「私も殺生丸さまに出来ることあるかな」
「んーそうじゃな」
邪見はしばらく悩んだ後、「そのままでいいんじゃないか」と答える。
「え? どういう意味?」
「そのままの意味じゃ」
「えー」
そのままの意味とは? と頭を悩ませる。が、邪見は答えてくれる気配はない。
まぁいいか、と琥珀君の様子を見つつ、邪見をジッと見つめる。
「ねえ邪見」
「さっきから何なんじゃ」
「邪見も私に出来ることあったら言ってね」
殺生丸さまもだけど、邪見にもなんだかんだ助けられているし。
いつもは言えてないけれど、二人がいたおかげで今が凄く充実しているから。
「なんだ、藪から棒に」
「なんでもなーい」
殺生丸さまは琥珀君を置いた後、どこかへ行ってしまった。
もしかしたらあの夢幻の白夜を追いかけていったのかもしれない……。
私は桶に入っている水にタオルを浸して琥珀君のおでこに当てる。毒蛇に噛まれたせいか、琥珀君の体が熱を帯びていた。
邪見と横並びになりながら琥珀君の顔色を見る。
そういえば、琥珀君と珊瑚さんって兄弟なんだろうか。顔も似てるし、多分そうなんだろうな……。
……となると、ご家族はどうしたんだろう。
ふと琥珀君と最初に会ったときのことを思い出す。
どこに住んでいるのか、ご両親はどうしているのか聞いた時に「分からない。何も覚えていないんです」と答えていた。
相当辛いことがあったんだろうな……。
私は天井を仰ぎ見る。
私の母は私を生んだ時に亡くなって、父も物心ついてすぐ亡くなってしまったから。
その時は「思い出したくないことって……あるよね」と返したけれど。
でも今は……。
私は隣にいる邪見に目をやる。
邪見や殺生丸さまのおかげで、辛い気持ちはだいぶ和らいだ。
ここであれ? と疑問が頭に浮かぶ。
「ねぇ、邪見」
「なんじゃ」
「殺生丸さまの幼い頃ってどうだったの」
その言葉に邪見は目を細くして私を見た。
「急になんなんじゃ」
「いやー、その。よくよく考えてみれば私しか自分のこと話してないというか。殺生丸さまのこと、特に昔の話を聞きたいなーと思って」
「……」
「ほら、お父様の話とか」
邪見が黙り込んでしまったので、咄嗟に前に見た殺生丸さまのお父様のお墓を思い出して言ってしまった。
邪見はしばらく何やら考えてから、「まぁ鈴ならいいか」とポツポツと話し始める。
「殺生丸さまの御父上はなー。わしも聞いた話で詳しくは知らんが、そりゃあお強くてなぁ。西国を支配していた大妖怪でのぉ」
やっぱり分かってはいたけれど、相当強かったらしい。しかも西国を支配しているとは……。凄い人だったんだろうな。
「まぁ、だけどなぁ」
「ん? だけど?」
珍しく歯切れの悪い邪見。
なんだろう……。
邪見はハァと深くため息を吐いた後、また話し始める。
「けれどなぁ、御父上も妖怪にしては早くに亡くなってしまって」
「え?」
「武蔵の国の大妖怪の追撃で傷を負ってのぉ。その後に犬夜叉の母と犬夜叉を護ってお亡くなりになったらしい」
「……」
私はジッと床を見つめていた。
そうか。軽い気持ちで聞いてしまったけれど、殺生丸さまも早くにお父様を亡くして……。
辛かったのか、は私には分からないけれど。でも、何かしら思うところはあったはずだ。
「……邪見」
「なんじゃ」
「後は殺生丸さまに聞いてみるよ」
なんだかこの先は邪見から聞くのが失礼なような気がして、邪見に制止してしまう。
けれど邪見は気にしていないのか「その方がいいだろうな」と言いながら琥珀君のタオルを変えてくれる。
「ねえ、邪見」
私はもう一つ、と邪見に話しかける。
「私って殺生丸さまに助けてもらってばかりいるでしょ」
「そうじゃな」
全く淀みがなくそうだと言われちょっと落ち込むが言葉を続ける
「私も殺生丸さまに出来ることあるかな」
「んーそうじゃな」
邪見はしばらく悩んだ後、「そのままでいいんじゃないか」と答える。
「え? どういう意味?」
「そのままの意味じゃ」
「えー」
そのままの意味とは? と頭を悩ませる。が、邪見は答えてくれる気配はない。
まぁいいか、と琥珀君の様子を見つつ、邪見をジッと見つめる。
「ねえ邪見」
「さっきから何なんじゃ」
「邪見も私に出来ることあったら言ってね」
殺生丸さまもだけど、邪見にもなんだかんだ助けられているし。
いつもは言えてないけれど、二人がいたおかげで今が凄く充実しているから。
「なんだ、藪から棒に」
「なんでもなーい」
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