主人と僕の旅路 4
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これは殺生丸さまにキスされてちょっと関係がギクシャクしていたそんなある日のこと――。
「ビエックション!!!」
邪見がバカでかいくしゃみを巻き散らす。昨日の夜からずっとこの調子でさすがに心配になってくる。
「大丈夫?」
「ビエックション!!! 人間の小娘に心配されるほどやわじゃないわい」
「そうは言っても……」
邪見はふらふらと歩いている。
どう見ても風邪……だよね。人間の風邪なら対処の仕様があるけれど。妖怪はさすがに……。
そう思っていると琥珀君が「楓さまなら何か知っているかもしれません」と提案してくれる。
確かに。楓さんなら犬夜叉さんの様子をよく見ているみたいだし。妖怪の風邪の対処法を知っているかもしれない。
私は冷静を装いながら殺生丸さまに顔を向ける。
「あの。殺生丸さま。楓さんの所に」
行ってもいいですか、と聞く前に殺生丸さまは歩き出す。
「え!?」と琥珀君が声を上げた。けれど私は琥珀君に対して緩やかに首を振る。
私は邪見ほど殺生丸さまと長くいないけれど。それでも多少、顔くらいは読めるつもりだ。
今の殺生丸さまは多分、誰より邪見のことを心配している。
「っで、邪見が風邪になった、と」と楓さん。
「邪見さまと呼べックッション!!!」
「邪見、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。それでどうしたらいいかなーと」
楓さんはふむ……と少し考え込むと「そういえば」と話し始めた。
「妖怪だけに効く風邪薬があると聞く」
「!」
「確か『千年花の蜜』だったか」
「そ、それは一体どこに」
すると楓さんは「あー」と何故か宙を仰ぐ。
?
一瞬嫌な想像が頭を駆け巡る。
まさかもう生えてないとか。そんなの嫌だ……。
「邪見死なないで~~~~」
「だから死なんわ!!! ブェエエエックション!!!!」
「まぁ、落ち着け。その『千年花の蜜』というのは山奥に生えていて。なんでも断崖絶壁に生えているのだとか」
「……」
そう言われても。だからといって邪見を見捨てることは出来ない。
私はギュッと拳を握った。
「私、取りに行ってくるっ!楓さん、邪見をお願いします。琥珀君も邪見を」
「ですが鈴さん。危ないのでは」
「私なら大丈夫! 殺生丸さまも邪見の側にいてあげてください」
半ば強引に押し通し、私は勢いよく立ち上がった。
「それじゃあ」
私は振り返らずその場から逃げ出すように走った。
――というより実際逃げ出してしまった。
だって。まだ殺生丸さまと気まずいんだよぉ。
まだ殺生丸さまの唇の感触が残っている……様な気がする。殺生丸さまと顔を合わせただけで顔が赤くなる。逃げ出したいような近づきたいようなそんな気持ちになって。
このままじゃ殺生丸さまに迷惑がかかる。
私はハァと深いため息を吐きながら阿吽にまたがる。
殺生丸さまから距離を置きたかったのもそうだけど。邪見のことを心配しているのも本当で。
とにかくっ。本気で『千年花の蜜』を探さないと。
私は阿吽の首を撫でてから飛ぶように指示を出した。
しばらく山奥に向かって飛んでいると崖が見えてくる。その崖の隅にキラキラと光る青色の花を見つける。
きっとこれが千年花だ……。
私は阿吽に崖に近寄るように指示し、阿吽から身を乗り出して花をとろうとする。
「っ!!!」
あとちょっと。
私は一層身を乗り出した。
その時、「「「ケケケケケ」」」と上から不気味な声が響き渡る。
ハッとして上を見上げるとたくさんの巨大な烏が私を取り囲んでいる。
「その花が欲しいのか」
「渡さないがな」
「欲しかったら奪い取って見せろ」
「その前に生きては帰れんがな」
「っ!」
巨大烏が一斉に襲ってくる。阿吽は一気に急旋回する。阿吽は次々と襲ってくる烏を間一髪のところで躱していく。
私は着物から式神を取り出した。
「悪しき者を払え、風鳥っ!!!」
風鳥は自身の翼で風を巻き起こし、烏を飛ばしていく。
「よし!」と思ったが、風鳥の勢いが強いのか阿吽もよろめいてしまう。
「え……」
その瞬間、阿吽の手綱を離してしまった。体が宙を舞う。
「っ!!! 風鳥!!!」
風鳥は私を助けるため急降下してくる。だがそのせいで巨大烏が手が空いてしまった。巨大烏はここぞとばかりに風鳥を追い越し、私目がけて大きな口を開ける。
殺られるっ!!!
グッと唇を噛みしめた。その瞬間。
「「「ギヤァぁああああああ!!!」
烏の悲鳴が響き渡った。
この妖気……。
――殺生丸さまだ!!!
殺生丸さまが爪で巨大烏を引き裂く。そしてそっと私を肩に抱えた。
「……無茶をするな」
「ごめんなさい」
殺生丸さまは阿吽の背に私を下ろす。そのまま殺生丸さまは千年花を摘んで私に手渡す。
「戻るぞ鈴」
「はいっ」
その後は楓さんが千年花から蜜を絞り出し、邪見に飲ませてくれた。おかげで邪見のくしゃみは立ちどころに良くなった。
「いやぁ。助かったわい」
「風邪良くなって良かったね。それから邪見。こちらこそいつも助かってるよ。ありがとね」
「なんじゃ急に」
「なんとなーく言いたくなっただけ」
それから……。
私は殺生丸さまを見つめる。まだ殺生丸さまと顔を合わせると照れてしまうけれど。でも。こういう大事なことはちゃんと目を見て言わないと。
「殺生丸さま……。いつもありがとうございます。さっきも。助けてくれてありがとうございました」
「……」
殺生丸さまは無言だ。けれどもなんとなく「気にする必要などない」と言われているような気がした。
「ビエックション!!!」
邪見がバカでかいくしゃみを巻き散らす。昨日の夜からずっとこの調子でさすがに心配になってくる。
「大丈夫?」
「ビエックション!!! 人間の小娘に心配されるほどやわじゃないわい」
「そうは言っても……」
邪見はふらふらと歩いている。
どう見ても風邪……だよね。人間の風邪なら対処の仕様があるけれど。妖怪はさすがに……。
そう思っていると琥珀君が「楓さまなら何か知っているかもしれません」と提案してくれる。
確かに。楓さんなら犬夜叉さんの様子をよく見ているみたいだし。妖怪の風邪の対処法を知っているかもしれない。
私は冷静を装いながら殺生丸さまに顔を向ける。
「あの。殺生丸さま。楓さんの所に」
行ってもいいですか、と聞く前に殺生丸さまは歩き出す。
「え!?」と琥珀君が声を上げた。けれど私は琥珀君に対して緩やかに首を振る。
私は邪見ほど殺生丸さまと長くいないけれど。それでも多少、顔くらいは読めるつもりだ。
今の殺生丸さまは多分、誰より邪見のことを心配している。
「っで、邪見が風邪になった、と」と楓さん。
「邪見さまと呼べックッション!!!」
「邪見、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。それでどうしたらいいかなーと」
楓さんはふむ……と少し考え込むと「そういえば」と話し始めた。
「妖怪だけに効く風邪薬があると聞く」
「!」
「確か『千年花の蜜』だったか」
「そ、それは一体どこに」
すると楓さんは「あー」と何故か宙を仰ぐ。
?
一瞬嫌な想像が頭を駆け巡る。
まさかもう生えてないとか。そんなの嫌だ……。
「邪見死なないで~~~~」
「だから死なんわ!!! ブェエエエックション!!!!」
「まぁ、落ち着け。その『千年花の蜜』というのは山奥に生えていて。なんでも断崖絶壁に生えているのだとか」
「……」
そう言われても。だからといって邪見を見捨てることは出来ない。
私はギュッと拳を握った。
「私、取りに行ってくるっ!楓さん、邪見をお願いします。琥珀君も邪見を」
「ですが鈴さん。危ないのでは」
「私なら大丈夫! 殺生丸さまも邪見の側にいてあげてください」
半ば強引に押し通し、私は勢いよく立ち上がった。
「それじゃあ」
私は振り返らずその場から逃げ出すように走った。
――というより実際逃げ出してしまった。
だって。まだ殺生丸さまと気まずいんだよぉ。
まだ殺生丸さまの唇の感触が残っている……様な気がする。殺生丸さまと顔を合わせただけで顔が赤くなる。逃げ出したいような近づきたいようなそんな気持ちになって。
このままじゃ殺生丸さまに迷惑がかかる。
私はハァと深いため息を吐きながら阿吽にまたがる。
殺生丸さまから距離を置きたかったのもそうだけど。邪見のことを心配しているのも本当で。
とにかくっ。本気で『千年花の蜜』を探さないと。
私は阿吽の首を撫でてから飛ぶように指示を出した。
しばらく山奥に向かって飛んでいると崖が見えてくる。その崖の隅にキラキラと光る青色の花を見つける。
きっとこれが千年花だ……。
私は阿吽に崖に近寄るように指示し、阿吽から身を乗り出して花をとろうとする。
「っ!!!」
あとちょっと。
私は一層身を乗り出した。
その時、「「「ケケケケケ」」」と上から不気味な声が響き渡る。
ハッとして上を見上げるとたくさんの巨大な烏が私を取り囲んでいる。
「その花が欲しいのか」
「渡さないがな」
「欲しかったら奪い取って見せろ」
「その前に生きては帰れんがな」
「っ!」
巨大烏が一斉に襲ってくる。阿吽は一気に急旋回する。阿吽は次々と襲ってくる烏を間一髪のところで躱していく。
私は着物から式神を取り出した。
「悪しき者を払え、風鳥っ!!!」
風鳥は自身の翼で風を巻き起こし、烏を飛ばしていく。
「よし!」と思ったが、風鳥の勢いが強いのか阿吽もよろめいてしまう。
「え……」
その瞬間、阿吽の手綱を離してしまった。体が宙を舞う。
「っ!!! 風鳥!!!」
風鳥は私を助けるため急降下してくる。だがそのせいで巨大烏が手が空いてしまった。巨大烏はここぞとばかりに風鳥を追い越し、私目がけて大きな口を開ける。
殺られるっ!!!
グッと唇を噛みしめた。その瞬間。
「「「ギヤァぁああああああ!!!」
烏の悲鳴が響き渡った。
この妖気……。
――殺生丸さまだ!!!
殺生丸さまが爪で巨大烏を引き裂く。そしてそっと私を肩に抱えた。
「……無茶をするな」
「ごめんなさい」
殺生丸さまは阿吽の背に私を下ろす。そのまま殺生丸さまは千年花を摘んで私に手渡す。
「戻るぞ鈴」
「はいっ」
その後は楓さんが千年花から蜜を絞り出し、邪見に飲ませてくれた。おかげで邪見のくしゃみは立ちどころに良くなった。
「いやぁ。助かったわい」
「風邪良くなって良かったね。それから邪見。こちらこそいつも助かってるよ。ありがとね」
「なんじゃ急に」
「なんとなーく言いたくなっただけ」
それから……。
私は殺生丸さまを見つめる。まだ殺生丸さまと顔を合わせると照れてしまうけれど。でも。こういう大事なことはちゃんと目を見て言わないと。
「殺生丸さま……。いつもありがとうございます。さっきも。助けてくれてありがとうございました」
「……」
殺生丸さまは無言だ。けれどもなんとなく「気にする必要などない」と言われているような気がした。
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